2012/1/29

Tom Petersの「ホワイトカラーは近い将来激減する」という話から何年経ったか、という話

さて先週、強烈なインパクトだったのはこの話。

NECが1万人削減を含む構造改革、「課題事業」は携帯電話と電子部品

勿論、1万人NEC本体が削減するという話ではないわけですが、モノ作りの時代は終わったとか言ったところで、この国の雇用の多くはメーカーが支えているのも確かなわけで、まあだから、そういう意味でもインパクトあります。日本のモノ作りが駄目とかいう話ではないです。あくまでもメーカーは雇用に影響力が特にこの国では如実に大きいということです。

「『平均的な労働者』はどん底に落ちる」

ということをSeth Godinさんが言ったという話なんですが、何となくWEB界隈にいたので、Permition MarketingとかViral Marketingとか言ってた頃から気にしていた人の言なんですが、これちょっと語弊があって、原題見ると「Godin Says There Is No Average Worker」というわけで、「平均的な労働者」はどん底に落ちるというと、「中産階級がいなくなる」みたいなニュアンスが強い気がしていて、多分、Sethさん的には「平均的な労働者」という仕事がなくなる、ということが言いたかったんではないのかな、と思いました。

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まあ結果的、というか本質的には両者の間に差異はないのかも知れないですね。

日本のことを考えると、企業がバッサリ構造改革に踏み切ればSethさん言うところの平均的な労働者ってものはなくなるのかも知れないし、そうじゃなければ今の構造を維持しつつジワジワ変化が反映されていくのかも知れませんし。ただ、そこに大きなバッファ作れるほどの余力があるか?というのは結構疑問、というか、ここまでに結構使い切っていてライフゲージは残り厳しいんじゃないかという気もします。でもバッサリ行われる気もしません。

10年来僕が引用し続けているのがTom Petersの「ホワイトカラーは近い将来激減する」ということです。ちょっと前にTwitterでも話題になってましたが、外資のバックオフィス業務が海外にどんどん出されて、結果として行われているのは「ホワイトカラーの激減」なんだと理解しているんだけど、逆に言うとそういう流れは10年前から予見されていた部分もあって、アメリカとかではどうやら既にそうなっているっぽいですよね。日本ではなってないと思います、まだまだ。

このタイミングでじゃあどうしたらいいの?と考えると、例えば、良い業界とか、業態とかの議論って割と不毛だと思っていて、個の力によるんだと思うんです。先述の記事でもこんな一節がありますが。

誰かが評価してくれるのを待つのではなく、自分の力でキャリアを切り開くことが肝要。自らの魅力を見つけ出し、生かす道を自分で選ぶのだ。例えば本を書いたら、出版社に評価してもらうのを待つことはない、自分で出版すればいい。もはや大企業に選ばれるのを待つのではなく、自分で自分を選ぶ時代がやって来たのだ。

これでも実は大事なことが抜けてるなあ、という気がしていて、「自分の力」「キャリア」って言葉が結構曖昧で、再定義しないといけないと思うんですよね。これが前時代の価値観だと多分駄目で。

それに対する僕の一つの考え方が、昔から使っていますが、「信用の担保」をどう取るかということです。経歴、実績、資格も勿論だけど、それに加えて、スキルとか、発信力とか、人脈とか、枚挙に暇がないけど、ただそれをスペックシートとして持っているってことじゃなくて、それが自分が加わるプロジェクトにどれだけの担保になるか、自分のレゾンデートルを自分で担保する材料があるか、というのがこれからのマッチング、ということじゃないですかね。そしてどこででも役に立つ、みたいなことは割と意味がなくなる。そうすると自ずと人材の流動化と「平均的な」の排除が行われるんじゃないかと思うのですが。

ソーシャル・リクルーティングって、Facebook使った就活みたいな話になってますが、本質的には多分そういうことです。

ただ、この手の話って結構ドラスティックになりがちで、別に煽るためにこの記事を書いているわけでもなし、外資の荒波に揉まれたほうが良いとも思わないし(未体験ゾーンですし)、ただ、何となく、そういう感じで仕事している方が、多分これからの時代は何となく楽しいんじゃないですか、なかろうか、そんなことなんじゃないかなあ、くらいの按配の話です。

日本の雇用がどうなるかは僕は経営者じゃないのでわからないし、不況と呼ばれるものがいつまで続くかは僕は経済学者じゃないのでわからないし、なんですが、働き方については自分が自分で面白がれる方のチョイスをしていきたいな、これからも、とは思ってます。

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