2006/12/7

勝ちの価値

「勝つ」ということは偉大です。「勝ち試合」は「負け試合」よりも、より多くの反省点を提示してくれます。ラグビーは勝負事ですから必ず勝ち負けがあり、言わば勝つか負けるかの二択でしかないわけです。そして勝つチームにも、刹那的に勝てるチームと、恒久的に勝てるチームというのがあります。いい選手がリクルートできたから勝てたチームは刹那的には強いですが、そういった選手が抜けた後は弱体化する傾向にあります。恒久的に勝てるチームというのは文化や伝統や方法論がモノになっているチームです。これには多大な時間と労力がかかります。

堀江貴文氏がライブドアで目指したのは、結果的に「刹那的な勝利」だったのでしょう。株式分割による強烈な瞬間風速を活かし、株価を実際の企業価値より引き上げてしまう。確かに、堀江氏がオンザエッジという社名でビットバレーを牽引していた時は、IT業界は「ラットイヤー」と呼ばれ、「First Mover’s Advantage」が神話のように語られていました。

Google、Yahoo!、Microsoft、ネットサービスを提供するメジャーカンパニーが一時このままネットの世界を征服してしまうという論議がありました。しかし、実際はアメリカではdel.icio.usflickrYouTubeRemember The Milkなど様々なニュービジネスがベンチャー企業によって展開され、それらをGoogle、Yahoo!、Microsoftが買収対象として評価したところを見ると、いくらメジャーな企業が多くのユーザを獲得したからと言っても、革新はベンチャー企業が起こしているというアメリカの市場の様子が窺えます。

話題になったGoogle Earthだって、Keyholeという衛星写真ベンチャーをGoogleが買収して、そのサービスをカスタマイズして無料で提供したものです。勿論、それを無料で提供できるGoogleの体力はすさまじいと言えるでしょうし、Google Earth自体のサービスもバージョンアップしていっていますが。

MixiやGyaoがスゴイのはPVだけではありません。ユーザあたりの滞在時間が長いのです。YouTubeに関してはPVすら意味をあまり持たないかも知れません。あちらこちらのサイトにYouTubeのコンテンツが散乱していて、それこそ彼らが狙ったところであるのですから。

「勝ちの価値」は多様化しています。考えればこれは当たり前のことです。東証上場企業だけが企業じゃないことは皆さんわかってることだと思いますし、中小でも優良企業として高収益体質を維持している企業は山ほどあります。個人でたくさん稼いでる人もいますし、NPOで世界中を又にかけて活躍している人もいます。

ですからメディアに取り上げられている企業を「勝っている企業」とは思い込まないことです。「勝ちの価値」の多様化を受け入れることが必要です。色々な勝ち方があります。そして良い勝ち方か悪い勝ち方と言うのは、一般論では語り得ないことです。それぞれの人で立場で環境で「価値観」というものは千差万別なわけですから。

ですから、「勝ちの価値」が定まっていないことこそが、今の時代を生きる価値とも言えそうです。『プロジェクトX』なんてのは「勝ちの価値」の多様性を提示した番組でしたね。

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加藤 康祐 / 企画・設計

1980年1月12日生まれ。フリーランス歴15年。プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。学生時代にデザイン会社でWebデザインを経験。2005年よりフリーランスとしてキャリアスタート。これまでに個人から上場企業まで、100以上のクライアントとのプロジェクトを経験。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの編集・運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート等。趣味はラグビーと料理。Keep the head up, Bind tight & Stay low.

加藤康祐企画設計

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