
ブランディング施策としての検索エンジン対策
SEO(検索エンジン最適化=Search Engine Optimization)やSEM(検索エンジンマーケティング=Search Engine Marketing)という言葉は大分一般的になりましたね。今やWEBと全く関係ない仕事というのは皆無で、誰しもネットの大海へ航海に漕ぎ出さざるを得ない時代です。ネットでユーザが欲しい情報へ一番簡単にアクセスできる方法が検索です。であるが故に、検索エンジンからより多くの興味や意欲が高いユーザを自サイトに引き込んでくることは重要です。
自サイトの管理者や責任者であれば、「アクセス数を増やしたい」というのは非常にプリミティブな欲求としてあるでしょう。しかし、ただ漠然とアクセス数を増やすためにSEO会社やWEB制作会社にお金を払うのでは、駅前でティッシュを配るような昔ながらの広報施策と何ら変わらず、よりセグメントされたユーザにアプローチ可能なインターネットの特性を生かしているとは言えません。
実際、サイトの被リンク数を増やすためだけの目的で作られたリンクサイトにお金を払うことでサイトの価値を高めようとしたり、キーワードの出現頻度を上げるために不自然な文字を埋め込んだりというような、本来WEBサイトがあるべき姿からかけ離れた施策が横行しています。
Googleが生み出した「PageRank」という考え方は、「優良なサイトからリンクを沢山集めるサイトほどより優良なサイト」であるという仮説の元に、インターネット上のあらゆる情報を整理するための指標となりました。しかしながら、ビッグワードと呼ばれる人気の高いキーワードにおいては、上位のサイトでリンクを買っていないサイトは皆無で、ネット資本主義の影の部分が露見しています。
検索エンジンからのアクセスは、ユーザがそのブランドを知るファーストコンタクトであり、キーワードはコミュニケーションスタートのためのトリガーです。ですから、多くのユーザを集めるためだけでなく、そこから始まるコミュニケーションがより円滑で魅力的にしなくてはなりません。
ですから、被リンク数を増やすためにリンクを買うのではなく、他のサイトからリンクを張ってもらえるような魅力的なコンテンツを作る。キーワードの出現頻度を不自然に操作するのではなく、そのトピックに関して豊富なコンテンツをサイト内に用意する。そういう方向でWEB戦略を進めていかないと、施策は一過性のものになってしまいますし、WEBサイト自体を育てていくことにも繋がりません。
このことはブランディングの観点から、ユーザとのコンタクトポイント戦略の一環として、検索エンジンへの施策を考えれば、必然であろうと思います。いわゆる「旧来型の広告」として取り組むのではなく、またそういう構造に流されるのではなく、正当に為すべきことを為すのが実は基本的ですがとても大事なことです。
検索エンジン自体も、いわゆる不正な方法を用いるサイトは減点の対象とする方向で動いています。

加藤 康祐 / 企画・設計
プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。
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フリーランスとして働き始めるってどういうことだったのか?フリーランスとして働くってどういうことなのか?フリーランスが目指すことってなんなのか?5年間の自分の経験から書きました。(2010年執筆)