2011/12/1

アウトソーシングとバッファ

ETのWebにも書いてある通り、うちの仕事は割と一人でやることが多いですが、とは言え、全部一人で解決できるほど世の中甘くはありませぬ。

ETのできること : Experience Transporters : Branding, Direction, Planning & Design.

ETだけでお客様からのご要望全てを常に満たせるわけではありません。翻訳、SEO対策、イベントなど、状況に応じてより専門性を持った企業・個人とのパートナーシップのもと、プロジェクトを運営しています。フリーランスのダイナミズムを活かしながら、より良い布陣をご提案いたします。

というわけで、アウトソーシングが当然必要になって来ますが、昨日の寝床で考えていたことをツラツラ書いてみます。

・自分ができることをアウトソーシングする場合

これは比較的難易度低めです。うちで言うと、最近よくあるのは、WEBサイトのコーディングだけをアウトソースする、というようなケース。とは言え、うちの場合、デザイン→コーディング→システムへの適用というステップがあって、戻って来たものを更にカスタマイズすることになります。こういう時は僕は80%くらいの精度で戻ってくれば良いと考えています。

そもそも100%の精度で成果物を上げるためには、仕様を事細かに伝えなくてはいけなくて、それだけでも手間ですし、WordPressやらjQueryとの絡みで、いずれにせよ納品していただいたコードは微妙に書き換えてあげないと使えないことがほとんどです。それはお願いしている先が悪いというわけではなく、設計図が完璧にぶれない状態でうちもお願いするわけではないので、80%くらい仕上げてもらえれば、後の20%は自分で詰めれば良い、それでも80%のコストはアウトソーシングによって削減できることになります。

・自分ができないことをアウトソーシングする場合

これは比較的難易度高めです。うちで言うと、翻訳などはこれにあたります。仕事で納品できるクオリティでとなると、精度80%のものが上がってきても、残りの20%を僕が埋めることはできません。とは言え、発注時の見込みと違う、イレギュラーが発生してくる可能性はあります。こういうタイプの仕事は余裕を以て見ておかないと、完成品までスムーズに辿り着かせることが出来ません。

自分ができないことをアウトソーシングする場合には、そこでの不備を自分で尻拭いできないということになります。フィニッシュまでプロの力に委ねるしかない。そういう時に、予算的なこととかスケジュール的なことに余裕を持っておかないと、最終的にプロジェクトにコントロールが効かなくなってしまいますよね。

つまり、自分ができることをアウトソーシングする場合は作業にバッファを持たせて、自分ができないことをアウトソーシングする場合はコストにバッファを持たせる、ということを基本スタンスにしておくと、僕のような個人事業主でも、あまりリスクを抱えずにアウトソーシング先の方々と仕事ができることになります。うちは「自分でやらないことはリスク」だと考えている部分があって(自分の都合だけで計算できなくなるので)、そう言ったリスクを低減するためには、上記のように切り分けてやると、うちのスピード感を損なわず、クオリティコントロールも失わず、プロジェクト自体をスムーズに回せるように思います。

だから自分のできることに関しては、ある程度積極的に外にお願いしても良いと思いますし、自分のできないことに関しては、予算や納期が厳しい状態ではお願いしちゃいけないなと思います。

ちなみに、印刷なんかは上記で考えると完全に自分ができないことだったりしますが、逆に定価と納期が明確に提示されている取引だったら、もう少し詰めやすいですよね。そうじゃない、ある意味、人件費ベースのアウトソーシングでこういう傾向が顕著だと思います。

新しいことにチャレンジするためには、人に何かをお願いすること折々で必要ですが、ミニマムセットで仕事している人間として、なんでもかんでも、というわけにはいかぬですよね。

加藤 康祐 / 企画・設計

プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。

加藤康祐企画設計

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