2011/10/2

Amazonという人工知能

「消費は社会の縮図である」、って言い切れるかどうかは微妙なところですが、今の世の中にあって、ビジネスとか商売とかいわれるものの中心に消費行動というものがあるというのは、相変わらず事実なんじゃないかなあと思っています。経済学とかまさしくそういうものを起点に社会を組み立てているわけですよね。

今年の日本を見ていれば更にそれが顕著なわけですが、社会のありとあらゆる状況が、例えば不安とか高揚とか危機意識とかトレンドとか言った指数が、人々の消費行動に還元されます。天災、為替、物価、外交、科学、流行、人口比率などなど、様々な指数化できる社会情勢が、消費行動に影響を及ぼす。

さて、今日はAmazonの話です。そもそも、昨晩、帰宅して読んだこんな記事が発端だったんだけれども。

Kindle Fireに搭載されたクラウド型ブラウザAmazon Silkがアマゾンにもたらすもの、もたらさないもの – Future Insight

ユーザの全行動履歴を取得できる、ということ自体もすごい面白い話だったのですが、ああでもないこうでもないと考えていたら、新商材とか新サービスという変数をインプットとして突っ込んで、それに応じたユーザの全行動履歴を戻り値としてアウトプットをもらう。そこをひたすら解析していると、なんか実はすごいもの生まれるんじゃないかと思ったんですよね。

以前、羽生善治氏が「人間が将棋でAIに勝てなくなったらどうするか?」というに対して、「駒に一つだけ新しい動きを加えてやれば良い、そうすればこれまでの定石は全て覆される」ということを言ったという話を聞いてなるほどなと思ったのですが、じゃあ将棋のAIって何やっているかって言うと、駒の動きはルールとして固定されていて、これまでの定石と言われるものをひたすら解析して、そのパターン学習に基づいて「勝つため」の最善の選択をするっていうことですよね、多分。

と考えると、Amazonってコンバージョンが生まれるまでに、ユーザがどう行動するかってことを全てトラックできていて、例えばこれまでの感覚でいくと、値段とかメーカーとかレビューとかをECでは効果測定のための変数に使っていたわけだけれども、Amazonでは日々新しい商材が突っ込まれて、日々ユーザの行動も変化して、インプットからアウトプットまでのプロセスを全部トラックできて、そこに僕らの社会を形成する様々な指数を加味すれば、ほら、パターン学習の永久機関ができるじゃないですか。

それで最初に戻ると、もし、「消費は社会の縮図である」という仮説を是とするのであれば、消費という人間の行動を中核に、社会を織りなすアルゴリズムに到達するための、パターン学習の永久機関、ということになりますよね、Amazon。これはなんかスゴイ。

ってかなり荒唐無稽なことを言っているのは自分自身が認識しておるのですが、プログラムという形式知が、例えば、京都の老舗旅館の仲居さんのような暗黙知に限りなく近づくっていうのは、こういうパターンの解析と学習をただひたすら積み重ねていくところにあって、そういう意味で「人工知能」とかつて僕らがSF小説を読みながらイメージしてたものに、一番到達する可能性があるのって実はAmazonではないか、とか夜な夜な考えていたのです。

そう考えると、Googleになくて、Amazonにあるもの、それは「消費」という現代社会の最も重要なロールを握っていることで、それがゆえに、なんかもしかしたらスゴイかもしれない、スゴイんじゃないか、という漠とした凄みを突きつけられてしまったのでした。

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加藤 康祐 / 企画・設計

1980年1月12日生まれ。フリーランス歴15年。プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。学生時代にデザイン会社でWebデザインを経験。2005年よりフリーランスとしてキャリアスタート。これまでに個人から上場企業まで、100以上のクライアントとのプロジェクトを経験。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの編集・運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート等。趣味はラグビーと料理。Keep the head up, Bind tight & Stay low.

加藤康祐企画設計

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