2011/9/15

個人事業主の棚卸のシステムについて考える

「棚卸」って特に大事にしている言葉じゃないんですけど、たまに聞きますよね、「棚卸」。ちょっと今日は、Experience Transportersの業務管理システム、ET withwithを通じて、僕がこれまでに考えてきたことをまとめておきたいと思います。

ET withwithのスタートには2つのポイントがあります。1つ目は自分でWEBサービスを作ってみたかった、という割とシンプルなことです。ちょうどPHPに大分慣れてきた頃で、何か作りたいとなった時に、 @gamella にCakePHPを薦めてもらって(本当はRuby on Railsとかやらなくちゃなのかな?と思っていた)、まあ確かにWordPressをそこそこ触るようになっていたタイミングで、PHPやMySQLへの理解を含める上でも、CakePHPで何か作るというチョイスは今となっては良いチョイスだったと思います。

じゃあ何作ろうとなった時に、5W1Hって割と古い概念が頭にあったんですよね。WEBサービス作ろうとなった時に、そもそも自分が使いたいと思うサービスじゃなきゃ駄目だと思って(そして、ET withwithは結果的に僕専用WEBサービスになってしまったのですが)、5W1Hを記録するサービスというのを考えました。

一方でもう1つのポイントに @taromatsumura や @sotacafe と当時「ライフログ」みたいなことを議論していく中で、僕的には「ワークログ」が必要だという結論に達したんですね。例えば営業マンとかだと「日報」を提出したりすると思うんですが、それを作業単位で記録して、必要に応じて引っ張り出せることが必要だなあと。

結局、個人事業主ってざっくり言うと自転車操業みたいなものなので(余裕の有る無しは別として)、仕事がフローで流れていく中で、積み上げていくものって大事だと思うんですよね。制作実績は形のあるものだから、ポートフォリオに残せる。だけれども、クライアントとの関係性は必ずしも制作物だけでは語り得ない。そう考えた時に、その関係性自体をブレイクダウンして記録していく必要性って、長く続けていくためにはきっとあるし、長く続けていったらきっと役に立つな、と思ったんです。

ET withwithではこんなことができるようにしてあります。

  1. あの人と最初に仕事したのはいつだったっけ?
  2. あの人とはこれまでに何回お会いしているのかな?
  3. 昨年の10月はどんな仕事をしていたのかな?
  4. この1年であのクライアントとはどんな仕事があったのだろう?
  5. 今月は何回打ち合わせに出かけているのかな?

とは言え、これギチギチにシステムそれぞれの質問に対応するために組んであるわけでなくて、キーワード検索とカテゴリ・クライアント・期間による絞り込みを用意しておいて、DBにカテゴリとクライアントとタイムスタンプつけた作業内容突っ込んで、引き出せるようにしてるだけです。それだけでも実は上に箇条書きにしたようなことって抽出できるんですよね。

ただ、例えば、ユーザで絞り込むこともできるようになってるんですが、現状、僕一人で使っているので、全く使えてないですし、唯一作ってから途中で削除した機能が「収入と支出」です。ようは当初は作業辺りの単価を記録していって、グラフに出したり、売上と連携させるようにできないかと考えていたのですが、これあまりフィットしませんでした。

というのも、数値化できないものを無理矢理数値化しようとしても、あんまり意味ないんですよね。僕はある程度まとめてバジェットいただいて仕事回しているので、そもそも単価出すのも苦しい仕事ですし、売り上げ的なこと見るなら帳簿ソフトで推移見た方が正確だし実態に近い。むしろお金じゃない関係性が記録に残りにくいから、ET withwithがあるんだなあ、と途中で気付きました。

クライアントの数が増えると、大事なんですよ、関係性と、それぞれのテンションっていうのは。そういうものを毎日、というか毎作業記録していって、今週はあそこのクライアントの仕事が多かったとか、あそこのクライアントと最近仕事動かしてないとか、あのクライアントにそろそろ提案持っていくタイミングじゃないか、というのは。なまじ年がら年中、密にどのクライアントも付き合っていれば、それで良いという仕事でもないので。必要な時に適切な仕事ができる必要がある仕事なので。

僕はET withwithを使ってきて感じたことは、積み上げられるものは積み上げる、積み上げたら引き出して 参照できるようにする、そしてそれを次のアクションにつなげてまた積み上げていくってサイクルを作ってシステムとして運用していく、というのが「棚卸」ってことなんじゃないかなあと。

うちはまだまだクライアント増やすつもりですし、作らない仕事、ないし、作るだけじゃない仕事もちょこちょこ首突っ込んでいます。そういう中で、割と安心して歩みを進めたり舵を切る判断ができるのはバックエンドを支えるシステムが安定的に稼動してきているからだと思います。

実はこの話って2年前に書いた「僕なりのアテンション・コントロール -> ET withwith」とあんまり変わらないわけですが、逆に言うと当初の目的と大きな齟齬が出ずに運用できている、ということだと思います。ET withwith登録件数、只今1362件。まだまだ積みます、積み上げます。

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加藤 康祐 / 企画・設計

1980年1月12日生まれ。フリーランス歴15年。プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。学生時代にデザイン会社でWebデザインを経験。2005年よりフリーランスとしてキャリアスタート。これまでに個人から上場企業まで、100以上のクライアントとのプロジェクトを経験。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの編集・運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート等。趣味はラグビーと料理。Keep the head up, Bind tight & Stay low.

加藤康祐企画設計

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