2011/8/25

ストック型のポートフォリオとしてのマイメディア

Twitter、Facebook、LinkedIn。。。今やソーシャルアクティビティはある意味その人のアイデンティティと直結し、それが全てではないにしろ、それが大きな意味を持つ時代。という時に、若干古めかしい話になってしまいますかね、ブログメディアの話って。。。

先ほど、『久し振りに洋書買った、WEBサイトからスピンオフしたアートブック2冊』という記事を書きまして、これまたブログを出版!とだけ言っちゃうと古めかしい話なのですが、個人的にはアートブック系、というかファッションに近いジャンルでブログから、っていうのが新しいかなあ、などと思いまして。

先述の記事で言えばthe selbyはクリエイターのポートレートで、The Sartorialistはストリートスナップで、それって何かって言うと、カメラマンのポートフォリオでもあるわけですよね。それがネットで人気を博し、その人の作品として出版される。ただそれは出版をゴールとして行われる、というよりはそういう展開も視野に入れていたかも知れないけど、多分、ブログメディアで自分のポートフォリオをストックしていくこと自体に意義を感じていて、出版はまさしくスピンオフで、ある意味ブランチなんだと思うんです。

日本だとやっている人しかやってないと思うんですが、例えばTumblrのリブログカルチャーってスゴイです。例えるならば転載祭で、まあある意味TwitterのRTとかもそうなんだけど、ファッションあり、カルチャーあり、頓智あり、エロあり、みたいな感じで、色々な人が「二次利用したコンテンツに自分なりのコンテクストを与えたもの」というのがTumblrが作って来た文化で、上半期に流行った言葉を使うならキュレーションに近いんだけど、ただ、Tumblrの個性たるや異様です。見ているのはコンテンツなんだけど、そこからその人の人間性を垣間見ているようで。あれはあれでその人のポートフォリオだと言って良いと思う。

ただ、コンテンツの多くは二次利用、即ち転載なので、どんなにウィットに富んでいても、どんなにセンスに満ち満ちていても、これ出版するとなると難しいと思うんですよね。元ネタが他人の著作物なので。だからブログの方がTumblrよりスゴイとか言いたいわけじゃなくて、ただ、例えば出版っていう事例を考えた時に、これ一次制作者だけの特権と言えそうだなあと。今の時代、波及して展開していくことに意味があるんだけど、でも元を正せばになると文章を書いた人とか、絵を描いた人とか、音楽を演奏した人とか、写真を撮った人に行き着く。

内田樹さんのネットに書いたから、本が売れない、わけではという話然り、コンテンツを発信し、ソーシャルの波及性を活用してファンを増やし、それを継続していくことでコンテクストを作り上げ、何らかのパッケージにして利益化するというモデルが多分あらゆるコンテンツビジネスに通用する話だと思っていて、それは、音楽がライブとかグッズにシフトしたこともそうかも知れないし、著名ブロガーが有料メルマガにシフトしたこともそうなのかも知れないけど、今までのフォーマット型のポートフォリオではなくて、ストック型のポートフォリオというものがビジネス的な意味でも重要で、それってまあマイメディアってことですよね、とか。

僕自身に関して言えば、ブログメディア的なものが大きく3つあります。

  1. Experience Transporters Webサイト(実績のストック)
  2. ET Luv.Lab.(ネットワークのストック)
  3. kosukekato.com(ノウハウ&オピニオンのストック)

別にこれらを直接パッケージして収益化できているわけでもないですし、網羅的に自分の全てをコンテンツ化しているわけでもないですが、それでもやっぱりこうしたマイメディアが仕事を生んだり、新しい出会いを生んだり、新たな発見を促したり、そしてそれらがコンテンツが蓄積されることによって、年々自分の人生への影響の量と質を増しているという意味で、ストックされていくことって、やっぱり強いなあと思います。

そしてソーシャルメディアというコンテクストを流通させるためのプラットフォームが確立しつつあることで、コンテンツの有用性、再利用性も増したように思います。ストック、であるが故に、引き出して、新たな文脈(コンテクスト)にエピソード(コンテンツ)として乗せることができる。そういう意味で続けてきた価値はあるなあと。

そう言えば最近、ブログメディアは2ちゃんねるの転載みたいなサイトがPV稼いでるからね、というような嘆き記事を読んだんですけど、自分に必要なスケール感と自分に必要な回収方法のバリエーションがあれば、まだまだ心血注げる土俵だと思うんですけど。10仕入れて8売れて利益率いくらであがりがいくらって世界でもないですからね、少なくとも僕にとっては。

とは言え、ここまで大して新しい話をしてきてないですが、とは言え(Reprise)、あえて、こういう話をしてきたのはなぜかというと、これが言いたかっただけなんです。

  • フロー型のアクティビティとしてのソーシャルメディア
  • ストック型のポートフォリオとしてのマイメディア

こうやって対比して整理してやると、それぞれの価値ってより鮮明になってくるかなあ、と一連の試行錯誤で考えたのです。これ実は企業においても同じことが言えそうで、だから今回の話、ずっと言っていること再定義しているだけなのですが、まあ、ET Luv.Lab.出版するだけのボリュームにするには10年くらいかかりそうですが、なんか出版ということにおける気付きを軸に、そんなこと考えられたのはなかなか楽しかったですね。

加藤 康祐 / 企画・設計

プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。

加藤康祐企画設計

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