2011/7/13

Twitter、Facebook、Google+ – コミュニケーションの普遍性を問う

何か書かないとなあと思いつつ、なかなか手をつけられていなかったGoogle+を今日は朝から触っていました。巨人Googleが、かなり本気でソーシャルプラットフォームに参入してきたことで、遂に三巨頭が出揃って来たように思います。去年、Twitter、今年、Facebook、来年はGoogle+とやれば、ビジネス書棚はトピックに事欠かないのかなと思ったり。

WEBサービスの世界で流行り廃れは当たり前で、流行病のように熱狂し、その後、すぐに祭りの後のように醒めていく、という光景はこれまで何度も目にしてきたように思いますが、どうも今話題にしているプラットフォームに関しては、そういうわけでもないよなあという気がしています。

ポータルベースの経験が、検索ベースの経験に変わり、それが今プラットフォームベースの経験に変わってきている。特にパーソナルコミュニケーションにおいてその傾向は顕著で、であるが故に、企業も予算やリソースをソーシャルメディアに急速に移行しつつある。当然日本のソーシャルメディアのユーザ数って圧倒的多数になる由もなくて、まだまだ少数派ではあるしリーチもマスメディアに比べれば確保できないわけですが、多くの人がそこに次の未来を見ている。そんな感じですかね。

TwitterとFacebookの対比に関しては、以前「収束と拡散、FacebookとTwitterを対比する」にも書きましたが、それぞれの性格の対比はある程度、考えやすかった気がします。Google+に関して言えば、そのまさしく中間で、Facebookほどの相互認証性は求められないものの、Twitterくらいの情報伝播力を見込んで設計されているような印象で、人間が人間をインデクシングする環境を作って、そこにコミュニケーションのエッセンスを落としこんでいくことで、ユーザにとってそうであると同時にGoogleのリソースとしてもコンテクスト化していこうとしているようなイメージでしょうか。

他にもリストとグループとサークルの違いとか、比較して性格が浮き彫りになる対象はあると思うのですが、ソーシャルなプラットフォームってリアルのコミュニケーションをトレースしつつ、それをよりWEBの特性を活かしてよりリアリティのあるコミュニケーションに仕立てようという、相当野心的な試みだと思うのですね。リアルのコミュニケーションは大事、それはWEBがどれだけ進化しても大事だと思うのだけれども、拡散性や迅速性、シンクロニシティやコストの圧縮、その他もろもろのことで、新しいコミュニケーションの普遍性が生まれようとしている。

みたいなことを考えた時に、Twitter、Facebook、Google+と出揃ったところで、別にコミュニケーションの本質が3通りに分岐しているわけではないわけで、実はコミュニケーションの普遍性へ辿り着くための段取りが、それぞれ違う思想で設計されているだけ、ということが言えるんじゃないかと思うんです。この三巨頭の性格は3通りだから、それぞれに最適化された方法で、という方法論もあるかも知れないですけど、むしろソーシャルなプラットフォームを使ったコミュニケーションの行き着く先、を考えるタイミングかなあと。

とは言え、行き着く先って終点というポイントがあるわけではなくて、人類存続する限り常にフローでしかないと思いますし、コミュニケーションがどう進化するべきなのか、みたいなことはアカデミックな領域で、僕だと舌っ足らずになってしまう気がしますから、Twitterでのコミュニケーションがどうなるか?Facebookでのコミュニケーションがどうなるか?Google+でのコミュニケーションがどうなるか?ではなくて、「私のコミュニケーションがどうなるべきか」「自社のコミュニケーションがどうなるべきか」という主体を軸にした「そもそも論」になるんじゃないのかなと。

そんなことは広告の人やPRの人には当たり前の話でしょうし、もしかしたらブランディングとかも関わってくるのかも知れないし、インタラクティブとかソーシャルとかを日々携わっている人も考えているでしょう。ただ、以前からやっていたからとか、先端をやっているから、ということはコミュニケーションの普遍性が変容としているタイミングにあって、「そもそも論」に立ち戻らなくても済む免罪符にはならなくて、コミュニケーションに関わるビジネスにおける分布に縛られることなく、そしてできれば「今、自分や自社が抱えているリソース」の制約にも縛られることなく、ニュートラルに頭使えたほうがハッピーな気がします。

逆に「そもそも論」に立ち返らなければいけないほど、この3つが並んだことは意味がある気がしていて、大きな問題を提示された時は、全体を全体として把握して処理しようとするのではなく、まず「自分のこと」として極めて主観的に考えてみる、というのが具体的なアクションに落としこんでいくためには、案外近道だったりするのではないかと思うのですよね。という感想です。

加藤 康祐 / 企画・設計

プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。

加藤康祐企画設計

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