2011/6/17

人がメディアになる時代のワークライフデザインをLinkedInで考える

LinkedInって随分昔からその名は聞いていましたが、なんかあんまり使おうという心持ちになっていませんでした。僕はアメリカ的転職サイト程度に思っていて、まあ転職の気もないし、英語圏の会社に行く気もないし、そのサービスがどんなものなのか、あんまり真剣に把握しようとも思っていなかったのですが、ちょっと面白そうだなと感じ始めています。

そう言えば、Facebookも、当初は帰国子女の友達が海外の友達と近況写真をシェアしてコメントつけあうもの、くらいにしか思ってなかったんです。それが今ではプライベートは元より、ビジネスのプロジェクト管理だったり、リアルのイベントだったり、様々なアクティビティの発射台になっている。プラットフォームがない頃のインターネット経験ってどんなだったんだろう、と今となっては少し思い起こすのに苦労するくらい、自然なものになっています。

LinkedIn面白いです。というほど僕も面白い経験ができているわけではないのですが、自分の周囲からもLinkedIn経由で新しい仕事が決まったという話をちらほら聞くようになりましたし、サービスを見ているとワークライフデザインの未来があるな、という気がします。

日本の就職や雇用の構造を否定してもしょうがないし、そんな気はさらさらないし、僕そもそも一人でやっているので門外漢なのですが、例えばリクルーティングのWEBサイトを考えた時に、今までの従業員紹介的なページって言わば「人のコンテンツ化」だったと思うんです。その手法としてインタビューだったりメッセージがあったと。

だけれども、LinkedInでは「人のメディア化」が起こっていると思うんですよね。例えば、LinkedInでIDEOを検索してみる。そうするとIDEOに所属するLinkedInユーザが出てきて、その人達のポートフォリオや過去の職歴やソーシャルアクティビティが出てきて、場合によってはコンタクトを取れたりする。ただし、その人達はIDEOのメンバーなんですけど、IDEOのコンテンツではなくて、その人そのものにフォーカスがいっており、現在の所属はサポーティングパラグラフでしかない。

勿論、アメリカにもリクルーティングのページはあるだろうし、そこには社員からのインタビューやメッセージは掲載されているんだと思うんです。だけれども、LinkedInで可視化されてるものって言うのは人のコンテンツ化では超えられない一線を超えていると思うのです。

User Experienceのグループに入ってみて、そこでシンパシーを感じる意見を書いている人のポートフォリオに簡単にたどり着けて、その人の職歴やその同僚を辿ったり、どういうスキルやマインドを持った人か類推できる。そしてよしんば繋がれる。それって自分のワークライフを考えるに当たって、実に自由度の高いプラットフォームなんじゃないかと思います。

先日、ET Luv.Lab.で徳本さんにインタビューした時に、広告の世界のトリプルミックスを教えていただきました。広告メディア、マスメディア、ソーシャルメディア。これが人材的な世界にもそのまま当てはまるんじゃないですかね。そしておそらく、そのソーシャルな部分の中核に今アメリカでなっているのがLinkedInで、どうやら日本に本格的に上陸する気があるようだと。

自社の採用ページもなくならないだろうし、リクナビみたいなものも必要だろうけど、そこにソーシャルなものが入ってくるというのは、ある意味、世のコミュニケーションの変遷に目を向けると当然の流れかも知れません。勿論、全てがソーシャルになる、とも思わないし、全てがLinkedInになるとは到底思えないわけですが、でも実感としてあるのは、面白いですよね、ソーシャル、特にビジネス的側面が絡むと、更に。今もTwitterやFacebookの就職活用みたいなことはあるのかも知れませんが、LinkedInはそれとはまた違うと思います。プラットフォームのフォーマットとして、ビジネスベースになっている。

もし、LinkedInが日本でも当たり前のひとつになったら、色々変わるんだろうと思うんです。プロジェクトベースで個人が職能を発揮する時代になるかも知れないし、個人がもっとワークライフデザインを率先してやるようになるかも知れないし、雇用のミスマッチによるロスを減らせるかも知れないし、雇用する側とされる側のパワーバランスがもっとフェアな世の中になるかも知れない。まあ、到底、今の日本を考えると、ガラリと変わるのをイメージしづらいですが、今、日本が抱える様々な雇用や就労に関わるソリューションとか変化のきっかけ、ってどうやらこの辺にありそうだぞ、という気がしています。

しかし、今年に入ってから、日本が「変わる」のを待っている猶予はなくて、「変える」何かが必要だと感じていて、それは例えばクリーンエネルギーかも知れないし、スマートグリッドかも知れないし、といういくつかある「全く新しいこと」の一つとして、ソーシャルなワークライフデザインということが、一角を成すのかも知れない、そんなことを考え始めています。

加藤 康祐 / 企画・設計

プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。

加藤康祐企画設計

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