2005/12/6

通信と放送の融合

近そうで遠い「通信と放送の融合」の夜明け

この方、武豊に似てない?そんなことない?

以前、書いたかも知れませんが、TVが圧倒的だなあと思うのは、「コンテンツ開発力」。世の中には、新海誠氏が『ほしのこえ』というアニメを独力で作ってヒットさせたり、『Ski Jumping Pairs』なるCGムービーが好評を博したりという事例もあるわけですが、それでもやっぱりショート・スパンで大量に、しかも良質のコンテンツを産み出しているという意味で、TVという存在は圧巻だと思います。

一方で、TV買収に乗り出したIT企業、ライブドアや楽天というのは、「仕組み」を作っている企業なわけですよね。インターネットはハンドルできるコンテンツの自由度が無限なわけで、物販や証券取引など、色々やれるのはそれは素晴らしいと思うのですが、コンテンツ開発にその主軸があると言い難い。

僕思うに、楽天やライブドアがTV買収で目指したのって「コンテンツ商社」ということだと思うのですよね。「良質のコンテンツ開発してくれれば、うちの仕組みでビジネス・スキームに乗せるよ」という。ただコンテンツ商社という意味では、実際の商社に目を向けてみると、成功しているのは映画配給会社とかですね。これは投資額も大きいけど、リターンも大きいという事業。それに対して、インターネットのコンテンツというのは、より細分化されたターゲットに対して発信していくわけですから、投資額も小さくて、リターンも少ないという世界が想定されます。でも、始まったお付き合いは長く続けなきゃいけない(ユーザを裏切ることになる)。とすると、果たしてTV番組の規模でコンテンツを開発して、インターネットで採算性があるのか、と考えると大いに疑問です。

コンテンツの二次利用、もしくは番組とのネット連動はどうかと考えると、それは収益構造の主幹にTV局が座るわけですから、当然運営自体もTV局に主幹のある状態で進められることになると思うんですよね。収益構造がインターネットの方にシフトする仕組みがあるのであれば、ちょっとは状況変えられると思いますが。

2000年くらいにショート・フィルムがネットで見れるというのが一時期ブームになって、有名なクリエイティイブ・スタジオも参加して、頑張って制作してましたけど、今はどうなっているのでしょうね。ネットで話題になったのは、むしろ『のまネコ』のムービーとかですよね。

TBSとAmazon.co.jpが提携、地デジ版「王様のブランチ」でネット通販

このようにTV局はTV局でしっかりアクションを取っているわけです。しかもしたたかに物販専業のアマゾンと組むことで棲み分けを明確にしながら。ネットのコンテンツ開発でむしろ凄いなあと思うのは、いわゆるIT企業ではなく、リクルートとかですね。コンテンツの質が高い。

古い言い方になっちゃいますが、マス・メディアとニッチ・メディアという隔絶が、放送と通信の間にはあるのではないかと思います。

とりあえず、『世界不思議発見!』は視聴者参加型になってつまらなくたったと思います。前の方が良かった。

加藤 康祐 / 企画・設計

プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。

加藤康祐企画設計

是非、フォローしてください!
Twitter / Instagram

(2012-10-5)
売り上げランキング: 14,705
100円