収束と拡散、FacebookとTwitterを対比する
はてさて、実はFacebookは本格的にいじり始めたのは昨日今日のことで、また語れるほど理解しているとは書いている本人も思えてない段階なのですが、ちょっとポイントを絞って入り口論的に考えてみたいと思います。Facebookが日本でどうなるかはまだわかりませんが(多分、遅かれ早かれ広まると思うのですが)、そうなって来ると、去年、今年と散々クライアントにTwitterについて質問を受けたように、Facebookにも質問を受けるようになるだろうと(というか、受け始めてますが)。
Twitterの象徴的なリアクションがRTであり、このRTによる情報の伝播が、Twitterというソーシャルメディアの影響力の肝になっているのではないかと思います。人から人へ、ユーザが投稿したコンテンツが、人を経由する中で様々な情報が付加され、色々な方向に拡散していく。しかもまさしく瞬く間に広まっていくことがある、というのがよく言われる特徴的な部分です。
一方でFacebookの「いいね!」はコンテンツが拡散していくというよりは、どちらかというと、ユーザが投稿したコンテンツに対してリアクションが収束していく、どんどん書き加えられていくイメージではないかと感じました。TwitterのRTはあるタイミングで元々発信したユーザの手を離れて広まっていくことがままありますが、Facebookの場合は言わばネタ元発信元が強くコンテンツに紐づいている気がします。
オープンとクローズド、みたいな対比ではなく、TwitterとFacebookの対比を考えた時に、Twitterは拡散型性向の強いメディアであり、Facebookは収束型性向の強いメディア、という印象を持ちました。勿論、Twitterもユーザに情報は集まりますし、Facebookでもユーザの情報は広がっていきますが、俯瞰してみると、それぞれの情報の連鎖に対する考え方が異なるのではないかと。
そもそも収束と拡散って言うのは、マーケティング的なトレンドの掴み方の方法論の一つだったりもして、多機能の後に単機能が流行るとかハイスピードの後にスロースピードが流行るとか、そういうことですね。だからTwitterとFacebookは似たようなものと考えるとカニバリそうですが、拡散型性向の強いメディアと収束型性向の強いメディアという対比で考えると、やもすれば、Twitterが補えない部分をFacebookが補ってソーシャルメディアの棲み分けが発生してくる可能性もあるのかなあなんて思います。
とは言え、面白くなくちゃ誰も使いませんが、Facebook、ちょっといじってみた感想だと大分面白いなあと思っていて、ビジネス的に見ても同様に面白いなあと感じています。結局のところプラットフォームに応じた情報の出し方、とかもありますし、片やプラットフォームから拡散させる、片やプラットフォームに収束させる、という意味ではビジネスのデザインも変わってくると思うのですが、今後の展開を睨むにちょっとモノサシになる考え方ではないか、と思います。
いずれにせよ、ソーシャルメディアって使いこなすのに時間がかかるので、まだまだ僕自身Facebookユーザとしては勉強するべきこと一杯ありそうですが、重い腰をようやく上げたので、楽しんでいきたいと思います。

加藤 康祐 / 企画・設計
プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。
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フリーランスとして働き始めるってどういうことだったのか?フリーランスとして働くってどういうことなのか?フリーランスが目指すことってなんなのか?5年間の自分の経験から書きました。(2010年執筆)