
Platform on Platform – FreemiumとPlatformを立体的に考える
ちょうど1年くらい前に「Service As A Platform – コンテンツとネットの未来について」という記事を書きまして、いわゆる今語られているようなプラットフォームビジネスについて、主にTwitterなどネットサービスはどうなるんだろうかという視点で考えてみました。
今日たまたまニュースでプラットフォームビジネスを取り上げた動画を見まして、前に考えたことは無駄じゃなかったなと思った一方で、1年経ったんだから、自分の思索を1年分進めてみるべきだなと考えました。というところで出てきたのが上の図。
やはり現状ではネットを考えるのが一番手っ取り早いと思うのですが、例えばTwitterというFreeのプラットフォームを起点に考えると、そこに様々なWEBサービスがプレイヤーとして参加していて、そこでは今年前半に話題になったFreemiumモデルが展開されていると。でそこには更にプレイヤーとして一般企業が参加していて、物販などPremiumベースのプラットフォームが展開されていると。みたいに綺麗に考えられると、便利かなあと感じました。
ただ実際はFreemiumモデルの企業と、Premiumモデルの企業が並列でFreeのプラットフォームに参加していたりして、綺麗にこの形にはならないんだと思いますが、考え方として、無料のプラットフォームが一番多くを集めて、そこからUserをどこまでPremiumの領域に引っ張ってこれるかというのが、プラットフォームを重なりとして捉えた世界観を想定した場合、キーになって来るのではないかと思いますね。
実際、Freeのプラットフォームに参加するプレイヤーの多くが期待しているのは、Facilitatorからのユーザのお裾分けだと思うので、上の図もあながち間違ってないのではないかと思っています。Premiumにしてもそうだと思います。本来、買い物しようという動機を持たない人が、楽天を訪問する言われはなくて、けれどもあの手この手で人の集まっているところから人を引っ張ってこれるように施策を打ってるわけですから。
何が言いたいかというと、以前テレビで経産省の偉い人だと思うのですが、「日本もAppleのようなプラットフォームカンパニーを生み出さなければいけない!」みたいな熱弁を奮っていて、それは確かにそうなんだろうけど、そんなことができる企業は限られていますから、むしろ、中小企業においては大きなプラットフォームでプレイヤーとして強いプレゼンスを発揮しつつ、そこから引き込んだユーザを自分のプラットフォーム(自分の土俵)でビジネスに繋げる、みたいな考え方の方が、リアリティがあるんじゃないかと思いました。
そういう見地に立てば、電気自動車とか電子出版とかその他今注目されているプラットフォームビジネスとされているものへも、もう少しビジネスとして飛び込んでいくだけの価値をより多くの企業が見出せるんじゃないでしょうか。例えばスマートフォンのアプリとか、開発会社が大変苦戦していると聞きますが、作ったものを売るという形だけの参加じゃなくて、自分が用意しているプラットフォームにユーザを連れてくるためにプレイする、みたいな企業が増えてくると、プラットフォームの多層化が発生してくるんじゃないかなあ、などと思いました。

加藤 康祐 / 企画・設計
プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。
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フリーランスとして働き始めるってどういうことだったのか?フリーランスとして働くってどういうことなのか?フリーランスが目指すことってなんなのか?5年間の自分の経験から書きました。(2010年執筆)