2010/6/24

個人で電子書籍を出版できる時代

昨晩からパブーの話ばかりしていますが、いつかは日本でもできるようになるはずと思っていた個人による電子書籍出版、遂に現実のものとなりました。これはメディア革命であると同時にグーテンベルク以来の印刷革命である、くらいのインパクトを個人的には受けています。僕も昨日そういうサービスがリリースされたと聞いた瞬間、兎にも角にも出版してみないと始まらない!と思い、必死で作成し出版に漕ぎ着けました。

kosukekato.com : the idea espresso | ブクログのパブー

今回、自分で体験してみて、想像以上に便利なサービスでしたので、不便なところも含めていくつかポイントを挙げてご説明してみたいと思います。

1. とりあえず出版してみたかったら自分のブログからコンテンツを持ってくるのがお手軽

ePubは元々「HTMLに極めて近い言語」だと聞いていました。なので、これまではWordPressからエクスポートしたデータを秀丸のマクロでePubの形式に整形するのかななどと考えていたのですが、パブーではWYSIWYGのページ編集画面で書式を整形しながら書いていくと、自動的にPDFとePubを生成してくれますので、こちら側で電子書籍に最適化する心配はいりません。ブログのデータのインポートにはこれからの対応予定で、今のところページごとにコピペを繰り返す作業が必要になります。ただし大いに助かったのが、ブラウザからWYSIWYGのページ投稿画面に文章をコピペすると、書式をそのまま保持してくれる点。strongやblockquote、リンクや画像も受け継がれるので、コピペの労力さえ惜しまなければ、それだけで綺麗なePubを作成することが可能になります。これ、ブログのデータ、インポートできるようになれば、かなりお手軽出版できるようになるものと推察されます。

こ・・・・これ手動でやっていただいたんですね!!!(感動)こんな良質なコンテンツをパブーに入れていただき本当にありがとうございます。http://p.booklog.jp/book/1327 via @booklogjp

運営元にびっくりされちゃいました。こちらこそ、よくぞ待っていたサービスをリリースしてくれました、という感じなのですが。

2. 仕組み(お金的なこととか)

アカウントを開設したら、まず報酬振込み用の銀行口座を登録します。印税が月末時点で3000円に達すると指定口座に振り込まれるそうです。ポイントで受け取ることもできるようです。書籍の最高設定可能金額は3,000円です。僕の本は320円です。僕の本の場合、販売手数料3割、印税7割くらいのイメージです。これは本の販売価格から自動的に算出されるようです。今日日、よっぽどの著名な著者でない限り、本を出版するには出版するために著者側にもお金がかかると聞きますから、イニシャル費用無料で販売手数料のみが課金され、印税も都度現金で受け取れるってそれだけでも結構魅力的なんじゃないでしょうか。

3. iPhone / iPad

さて、WEBでも読めますが、普通に考えると電子書籍はiPhone / iPadで読みたいですよね。iOS 4が出たこのタイミングでリリースしてくるとは、パブー、心憎いです。iPhone / iPadに取り込むのもそんなに難しくなく、購入したらePubをダウンロードして、iTunesの「ブック」にドラッグアンドドロップして、iPhone / iPadを同期します。するとiBooksの書棚に購入した電子書籍が並ぶわけです。

kosukekato.com本

4.ちょっと気になること

いいことばかり書いてきましたが、問題もありそうです。WEBページから生成されたePubをダウンロードしてiTunesに取り込むわけなので、そのePubファイルが出回っちゃうと、現状誰でも読めてしまうのだと思います。DRM的なことは多分ないです。ですが、僕の場合はまず内輪の人に買ってもらうイメージですし、とりあえずこのクオリティでサービスリリースされたってことを評価したいです。またクレジットカード対応しておらず、独自お財布サービス、投げ銭システム状態なので、「買う側」には結構ストレスがかかっちゃうみたいです。この辺りは要改善して欲しいです。

5.今後に期待

パブーのWEBサイトによると、Amazon DTP、iBooks Storeへの販売登録代行を準備中だそうです。これは魅力的です。ePubへのデータ変換はパブーにお任せ、そこからAmazon、iBooks Storeに最適化して登録してくれる、ということであればユーザはHTMLレベルのことがわかっていれば、これからの電子書籍出版のプラットフォームに参入することができることになりそうです。こういう敷居の低さはパブリッシングの裾野を広くするには非常に重要だと思いますので、是非とも実現して欲しいところです。プロの作家は出版社が出版エージェントになるとして、アマチュア作家はパブーを出版エージェントとする、という形ですね。そういう意味ではプラットフォームとして是非成功させていただきたい。特にプロの作品がなかなかまだ電子書籍として流通してない現在だからこそ、逆に個人電子書籍でマーケットができちゃった、というくらい頑張って欲しいと思います。

パブーの機能の概略はサイトにお任せして、僕が今回実際に一晩で出版してみて気づいたポイントを簡単にまとめてみました。せっかくの機会ですから、是非首を突っ込んでいただいて、僕も他の友人の本とか読みたいなあなどと思っています。今回はクイックリリースがとにかくしたかったので、ブログからの流用という形をとりましたが、書き下ろしで何か書いてみても面白そうですよね。

加藤 康祐 / 企画・設計

プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。

加藤康祐企画設計

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