2009/4/11

ソーシャルメディアマーケティング

ソーシャルメディアマーケティングって割と新しい言葉ですね。定義は定かではありませんが、ソーシャルメディア、それを使ったマーケティングという意味で使われている言葉のようです。でもこれイマイチぴんと来ません。

以前、EUREKAに「BS1でTwitter特集を観たのだが」という記事を書きました。

そもそもマーケティングに使えるみたいな切り出し方とか、すごい大雑把過ぎて話のスケール感を矮小化してしまっているし、普通にビジネスセンスのある人が、それだけ聞くと「ないな」で終わるし。

などと偉そうなことを書いてしまったのですが、すいません、180度考え方を改めました。Twitterはマーケティングに使えるかどうかは定かではありませんが、マーケティングということを考える意味において、Twitterは商品を取り巻くサラウンディングスとして、当然その周囲にあるものとして考えざるを得ない、ということが言えると思います。

ようは自分でコントロールし得る範疇だけがマーケティングということを、潜在意識の中に僕は持っていて、WEBサービスという点としての価値しか見てなかったんですね。しかし、バズマーケティングとか言われるような、クロスメディアマーケティングと言われるような、マーケティングとは言いつつも仕掛けたら後はどう転ぶかわからないような、計算できないことがあまりにも山積する実態がソーシャルメディアマーケティングということなんだと考え方を改めた次第。そもそもWEBサービスが点として開発されるわけでもなく、面もしくはそれ以上に多元的に評価して行かなくてはいけません。TwitterユーザはTwitterしか使わないわけではなく、Twitterの使われ方もデバイス、用法、シチュエーション様々です。

米大統領選挙でJohn McCain氏よりBarack Obama氏の方が、Twitterのフォロワー数が多かった、Facebookのコミュニティ参加者が多かった。そもそもObama氏はソーシャルメディアについて進歩的で、kosukekato.comでも2007年に「政治にこそSNSを」という記事で取り上げています。仕込みは僕が取り上げたもっと前から始まっていたのでしょう。Obama氏の選挙を下支えしたのは100ドル以下の個人献金の積み重ねで、米国における政治資金の方法論自体をソーシャルな方向へシフトさせたと言えると思います。

先の事例に踏み込めば、仕掛けるのがTwitterで、落とし所がTwitterである必要はない。プレスリリースで仕掛けて、Twitterやブログが触媒となって、広まって、というような旧来メディアの影響力を更に拡大させるような施策も大いに有り得る。勿論、どう広まるかということは定量的に推測できることではありませんが、例えば芸能人と絡めるとか、催事行事と絡めるとか、ようはソーシャルメディアに取り上げられやすいよう、マーケティングを仕掛ける、情報を発信する段階で、予めフックを色々仕込んでおく、というようなやり方ができると思います。

ですから、ソーシャルメディアマーケティングなんて言うと、ITを駆使してなんて思うかも知れませんが、実のところはITは媒介であって、もしくは、媒体であって、そういうものに受け入れられるように発信側が「努力する」その一言に尽きるのかもしれません。「マーケティング」なんて非常にビジネスライクな言葉が「努力する」なんて精神論に置き換わっちゃうのには違和感あるかも知れませんが。

Charlene Li氏の『グランズウェル』には様々な事例が取り上げられていますし、最近では森永製菓が仕掛けた「逆チョコ」が話題になりました。まさにそのグランズウェルになってしまえば、それはジェットコースターのように、マーケティング担当者が「あー、わー」叫んでいる間に過ぎ去っていってしまうもののように思いますし、そもそも事例はいくつかあるとて、ソーシャルメディアをコントロールする方法論なんてのはまだ確立されてませんし、そういう不確実性がソーシャルメディアの大きな特性のようにも思います。

だから現段階ではソーシャルメディアマーケティングと言ったって、誰しもが効果を実感できる施策が用意されている段階ではないということです。とは言いつつも、その影響力は大きくなる一方。「人」を「大衆」という人でないものにしてものを考えられる時代は終わりました。であるならばまずはソーシャルなことへ参与し、コミットし、企業価値を善意・悪意渦巻く環境の中にある意味委ねてみる、そういう努力を試みることが第一歩のように思います。

ソーシャルメディアが企業戦略上、不必要と切って捨てようにも、最早なにがしかの企業活動をしていれば、その影響は不可避、というのが昨日セミナーで聞いてきた話の中で一番印象的だったのですが、事実そうだと思います。だったら、努力することを今日からでも始めないと。

追記:
執筆時「ソーシャルマーケティング」としてこの記事を書きましたが、これは「ソーシャルメディアマーケティング」とした方が良さそうです。例えばPhilip Kotler氏が『Social Marketing』で取り上げているような、社会起業家が目指すようなところとは、少し話の毛色が違います。もしかすると将来的に重なってくる部分もあるのかも知れませんが、現段階では「ソーシャルメディアマーケティング」と認知するべきですね、失礼しました。

加藤 康祐 / 企画・設計

プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。

加藤康祐企画設計

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