2009/2/23

共有した年月とクリエイティブ

積み上げた年月って大事だと思います。どんなに研鑽を積んだ人でも、絶対にそのクライアントと最初に出会う時より、その次の機会の方が、その次の次の機会の方が良いものを作れると思う。年月でクリエイティブを語るあたりが、何か僕が泥臭い所以かとも思いますが、いくら最善を尽くしたつもりでも、それはその時の最善でしかないわけで。

それを僕の成長とする見方もあるやも知れませんが、僕の経験則からしてどうも違う気がします。研鑽を積んだだけじゃ駄目なんだ、同じ年月を過ごさないと、と思うのです。営業の仕事をしている人などからすれば当たり前のことかも知れませんが、クリエイティブの仕事でも、です。

「あたり」か「はずれ」かで判断される機会が少ない、そういう指標で評価されない仕事をしているから、という理由付けもできるかも知れません。僕の仕事って多分、「ちゃんと」とか「きちんと」とかいうことが、継続的に行われていくことが大事だと思うわけで。

ソフトウェア開発とかはそういう意味でスゴイ良い仕事だなあと思います。Version Upがコマめにあるから、自ずと中長期的にユーザに改善策を提示し続ける姿勢がとれるじゃないですか。デザインのそのものの仕事だと、しばしば単発になっちゃう依頼もあって、中ではWEBなんかはやっぱりそういう関係性を築きやすいので好きだなあと思うし、少しずつ広報面で継続的に複合的にサポートするような仕事も出てきているのでありがたいです。

ETのWEBサイトにはVersion 1という仕事がほとんどですが(マイナーチェンジはきりがないのでカウントしていません)、これからはVersion 2、Version 3と数字を積み上げていきたいと思いますし、積み上げた分だけブラッシュアップを重ねていきたいと思いますし、そういう息の長いお付き合いをしたいというささやかな意思表示が、ETサイトでのVersion表記だったりもします。

ただ来た仕事を右から左へ捌いていくのではなくて、受けた仕事を育てる、育ててもらうという関係性を中長期的に築ければ、それは甚だ僕は恵まれた仕事をさせていただいているということだけれども、Win-Winというか、「育て育てられスパイラル」ができて、仕事ってどんどん楽しくなるのではないのかと思うのですよね。

「作る」仕事は「クリエイティブ」なイメージもある代わり、「ルーティン」なイメージもある。実際、ただただ仕事をしているだけだと単なるルーティン化してしまう恐れもあると思う。けれども、せっかく「クライアントの傍で作れる」という幸せな境遇にいるのだから、環境変化に敏感に、よりよいもの、よりよいものへとベースアップしていく努力が常に必要なのだろうと思います。そういう意味では、「あたり」とか「はずれ」とかで考えないことは大事なのかも知れない。

共有した年月に見合ったクリエイティブ。
共有した年月に恥じないクリエイティブ。

そういうものを作っているものの向こうに描けたら、ハッピーじゃないですか。

加藤 康祐 / 企画・設計

プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。

加藤康祐企画設計

是非、フォローしてください!
Twitter / Instagram

(2012-10-5)
売り上げランキング: 14,705
100円