2008/12/25

Twenty Five

後輩たちと話していると、25歳というのは「鬼門」だという気がします。どうにも、25歳くらいになると人というのは「それなりの自分」を欲するようで、今のぬるま湯にこのまま浸かっていると駄目人間になる、約束された矮小な未来に溺れることになる、という得体の知れない危惧感を抱くもののようです。かく言う僕もそんな感覚はあったかも知れません(いや、今を生きることに必死で、そんな感慨はなかったわ)。

多くのケースにおいて、人は自分の人生の不足が、環境に起因するものと考えます。平たく言うと「会社」です。その環境をドラスティックに変えないと、自分の本当の人生は回り出さない、そんな感覚のようです。

僕の先輩で30歳で3社目という方おられますが、実は一緒に少し働いていた時期もあり(僕がお手伝いをさせていただいていた)、労苦を共にしていた時期もあるのですが、この人は本当にたくましい。勿論、50、60歳の方の舐めてきた辛酸とはまた違いますが、就職氷河期と言われた世代の中でも、極めて多くの経験をしてきた人だと思います。

ただそれでも、二人で後輩のことなぞをたまに電話で話したりすると25歳ってまだ「若い」んだなあ、という話になるんですよね。28歳(僕)と25歳じゃ大して年齢も離れていないのですが(とは言え、僕は所謂真っ当な会社人間とは全然違う道筋を歩んでいるのも確かで)、人生って仕事だけじゃないし、仕事って楽しいことだけじゃないし、だけど楽しく生きるにはどうするかって言うのは、ある程度、肩の力を抜いて余裕を持たないと見えてこないもののようにも思います。

そう言えば、最近「ペーペー」という言葉をよく使います。一流企業の偉い人から見れば、もしくは一匹狼の経営者から見れば、そこまで言わずともそれなりに経験を積んだ社会人から見れば、社会人になって10年も満たないのは皆「ペーペー」なんですよね。でも、そういう言葉を使うと、プライドを極端に刺激されているという表情の変化が見てとれる。

アカデミズムとビジネスには大きな乖離があります。社会人になる22年間ほどに積み上げてきたものが、社会人になった時のその人のプライドを支えているのかも知れませんが、特殊な職業訓練を受けた人は別として、基本的に日本の教育は、ビジネスマンを育てるための教育ではないし、ビジネスマンは入って半年の研修なんぞじゃ育たない。

じゃあ何の為の22年間だったのだと言えば、それは仕事ができるようになるための22年間ではなくて、人生を楽しくする為の22年間だったと考えるしかないでしょう。

第二新卒転職ブームみたいなものが僕らの世代にはありましたが、こういう時代ですから、そうも言ってられなくなるでしょう。人材流動性が高まる気はしますが、喜ばしきジョブチェンジはほんの一部で、自分に適した仕事を新しく見つけるのはちょっと難しい時代になってくるような気がします。ただ、そもそもが、自分に適した仕事ってこと自体おかしいんだなあ。仕事に適した自分を作って、それが楽しいかって話のような気がするので。

25歳ってスポーツ選手然り、一番脂が乗っている時期ですから、何かこう掴みどころのない将来像に苛まれずに、遮二無二突進する感じで、30歳そこらでゆっくりその後の人生を考えればいいと思うのだけれども。

加藤 康祐 / 企画・設計

プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。

加藤康祐企画設計

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