2009/11/15

上から受けた恩は下に返す

何度も書いてきたことですが、僕が中学生の時に大学の体育会から来て指導してくださったバスケットボールのコーチが言ってくれた言葉で今でも大事にしているのが、「上から受けた恩は上に返せると思うな、上から受けた恩は下に返せ」ということです。体育会系はとかく精神論だとか言われがちですが(まあ確かに結婚式などで見かけると脱いでいる人が多かったりしますが)、そういう文化の中に日本人が育んで来た美徳が多くあることも確かだと思っています。

なぜゆえ、こんな言葉を持ち出して来たかというと、たまたまポッドキャストで社会起業家の人のインタビューを聴いていて、ちょっとピンと来ないところがあったからです。まあ何がピンと来なかったかは、なかなか説明し辛いので、ちょっと例を挙げてみます。

今年の春、うちの団地の公園の桜がライトアップされていると聴き、缶ビール片手に一眼レフ持って出掛けて来ました。桜がライトアップされる公園、というと何かスゴイものを想像されるやも知れませんが、団地の中にある、小学校の校庭の4分の1ほどの普通の公園です。綺麗だったなあ。

で、それ仕掛けたのが自治会長さんで、思い出してみれば僕も子供の時に地域の催事とかで面倒見てもらったこともあって、特に広報的なこともせず(かっこつけって思われたくないからって言ってた、「粋」です)、一人でやってしまったんだそうです。電気屋さんなんだって。なんか別に「地元を盛り上げるために、公園の桜をライトアップしましょうプロジェクト」みたいに号令かけたわけじゃなくて、やってみたいからやってみたという。

でよくよく話を聞くと、公園に桜の木を植えたのも自治会長さんとお仲間数人だそうで、そういうのも自分たちでやったんだそうです。僕が住んでいる団地も年齢層が高くなって来ましたが、グリーンのジャンパー来た年配のおじいさま方が子供たちに挨拶しながら登下校を持ち場に立って見送っているし、バス停には誰に頼まれたわけでもなく鉢植に綺麗な花が置いてあったりするし、まあそういうのが景観もとより、治安とか、住みやすさとか、そういうことに繋がっているんだと思う。

ラグビー、今はクラブチームでやっているのですが、なかなか今日びクラブチームの運営というのも大変です。自主的にスポーツ、しかもラグビーとなると、グラウンド探しから、レフリー手配、リーグの行事やら、試合のスケジューリング、もう課題は山積みで、毎月リーグの幹事で集まって会議室で会議ですし、プロスポーツ観戦に馴染みがある人だと遊びだろと言われてしまうかも知れませんが、結構真面目に遊んでいるんですよ。

僕の先任者の方など、こないだ聴いた話で、「夜明けにメルマガが届く」なんて誰かが言ってたそうですが、まあ笑い話なんですが、それくらいびっちり誰が読んでも困らないように夜明けまで整理してチームへの連絡をしていたわけですね。チームだけじゃなくてリーグ自体の運営もあるわけで、まあ平たく言うと大変なんですね、結構。

僕も今は色々お手伝いさせていただいていて、WEB周りとかデザイン周りとかチームの諸般のこととか、勿論、皆で助け合ってやっていますが、貢献できるのは幸せなことだと思っています。忙しい時には、面倒だ、と感じることもありますけど、でもそれは先達の通って来た道で、そういう人が進めてきた歩みがあるから、今僕らが組織としてラグビーを楽しめる環境があるわけですよね。

というような話って身の回りにたくさんあるじゃないですか。尊敬できる人もたくさんいるでしょう、いるはずです。別に社会貢献で自己実現しなくても、いやむしろ自己実現とかどうでも良くて、それよりも受けた恩に対して義を果たすって当たり前のことを淡々とやってる人達っていっぱいいるんですよね。

だから、社会起業家ということで、社会の悪習を正す仕事をしている人も、国際協力に貢献している人も、貧困に立ち向かっていく人も、結構なのだけれども、一方で何か気持ち悪いって言うか、落ち着かないって言うか、率直なところでインタビュー聞いてて、僕の知っている人達と比べて「正義」が強過ぎて、違和感、というよりは、拒否反応を起こしてしまった次第。

だから、地元が好きとか、ラグビーが好きとか、そういうのは好きなんですが、あなたも「社会に貢献するために時間を作ろう!」みたいなこと言われると、グフ、フム、ムフー、となってしまいます。

加藤 康祐 / 企画・設計

プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。

加藤康祐企画設計

是非、フォローしてください!
Twitter / Instagram

(2012-10-5)
売り上げランキング: 14,705
100円

関連する記事