2009/10/13

対等な関係という言葉を聞いて考えた

民主党政権がこれからの対米関係を「Equal Partnership」にすると言っていますね。個人的にはPartnershipというものは相互に補完する関係性のことで、それぞれ自分が持ち合わせていない足らない部分を補い合うことですから、「Good Partnership」か「Bad Partnership」であって、PartnershipにEqualityを求めてもしょうがない気がしています。

僕はたまたま仕事を始めてからこの方、「客商売」の世界で生きています。いわゆる、八百屋さんや魚屋さんほど「売る」というところに特化していないけど、「八百屋、魚屋、デザイン屋」でも書いた通り、近しいところも多々あります。僕はほぼ常に受注側で、クライアントは常に発注側です。

当然、客商売にあって、「Equal Partnership」なんて言うのはおかしくて、そこには「Good Partnership」か「Bad Partnership」しかなくて、そもそも嫌な相手に仕事を発注することなんてほぼ有り得ないですから、関係性が良好でなくなったら、その関係は終わり、ということになります。

ただ、「Good Partnership」って考え方は非常に大事で、金銭的に関係性が「Deal」しているかどうか、ということ以上に仕事の遣り甲斐になったりモチベーションになったり、支えになったりします。

では何を以って「Good Partnership」とするかと言うと、それは「敬意とそれに伴う行動」じゃないかと経験的に感じています。凄く有難い話で、僕はそういうことを経験的に感じられる環境で仕事ができているというのはとても幸せなことだと思うのだけれども、しばしばクライアントの「敬意とそれに伴う行動」に助けられることがあります。

ありがとうの一言でも一緒にプロジェクトを進めてきた方の一言であれば励みになりますし、いつも仕事の話ばかりだからと食事に誘ってもらう時は幸せですし、僕のさしでがましい提案に乗ってみるよと言ってもらった時は嬉しいですし、しばしば制作物を完成させるためにせざるを得ない煩わしいお願いに熱心に取り組んでいただいた時は溜飲が下がる思いです。そういうクライアントと付き合えるなら、どんどん頑張ろうと思えます。往々にして「Good Deal」であることより「Good Partnership」に向かっていくことの方が長く付き合っていただけるクライアントになるのだと思います。そして長く続けばそれはまずもって「Good Deal」になるんです。

今日もこちらが切り出す前にクライアントからの方から「これからも引き続き宜しく」と切り出されて、本当に嬉しかった。そういう一つ一つの積み重ねが「Good Partnership」というものを構築していくんだと思います。

望むべきは「Equal Partnership」ではないんです。あくまで、「Good Partnership」なんです。多分、仕事を始めた頃には気付けなかったもろもろの配慮に、今は気付けるようになっていると思います。僕もたかだか30手前ですからまだまだですが、「客商売における感受性」みたいなものを育むには、ある種の訓練と経験が必要だと思います。

そう言えば、学生の頃、師匠に叱られたのが、全く以って当たり前のことですが、モノを買った時とか、食事を運んできたもらった時とか、そういう時にきちんと「ありがとうございます」を言うということ。

今思えばそれは我々がクライアントから受けてきた「敬意とそれに伴う行動」の裏返しで、そういうことが「Good Partnership」を育むための第一歩ということの示唆だったのかもしれません。

大企業に勤めていたりすると、僕みたいに単純な話ではないのかもしれませんが、自分の立場における、自分と誰かにとっての「Good Partnership」って何ぞや、と改めて考えてみるといいと思いますよ。

加藤 康祐 / 企画・設計

プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。

加藤康祐企画設計

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