2009/9/15

断る力と断らない力

勝間和代さんの『断る力』が強烈なインパクトの装丁も含めて話題になりました。

よく社会人には「断る力」が重要だと言います。僕はオフィス勤めの経験がなく、ただラグビーの事務方などをしていて、断らないとかえって組織の迷惑にしかならないんだよという話は、しばしば受けました。

仕事の方はどうでしょう?学生の時は、できないことだらけでしたから、やれない、とは言わないで、そこから猛烈にキャツチアップを試みて、何とかするというやり方でした。ただ単独で営業に出る時は勿論勝手が違うわけで、むしろ仕事のフィールドは限られていましたから、ある意味、断るということは頻繁にありました。

独立してからはと言いますと、僕は断らないことによって、経験とスキルと実績を築き上げてきたように思います。昔はWEBデザインの経験がほとんどだった僕は、クライアントからの要望を断らないことで、また、そこにクライアントにお付き合いいただくことで、自分の仕事の裾野を広げ、より高い頂をめざせるようになってきたのだと思います。

何事も断る前にやれることがない、ということはないと思うのです。しかし自分の善処がクライアントへの不利益になるようでは困りますから、そこでチャレンジするかどうかは、あくまで状況理解いただいて、同意を得た上でのことですが。

さすがに新規であまりにもミスマッチだという時があれば、仕事にならないこともありますが、それはもう断るというより、お互いに見送りましょうという状況です。

ETも静かに延べの仕事数では30を超えまして、ありがたい限りです。

勿論、延べという意味は、現在継続的にお付き合いできてないクライアントもいるわけで、それほど多くはありませんが、プロジェクトの中途で外れざるを得なかったケースもあります。その後の関係性はまちまちで、勿論全てが円満にとは行きませんし、僕のいたらなさによるものもあるので、ここは反省しなければいけないところ。

ただ基本的にはこれまで自分からプロジェクトを降りることはまずもってありませんでした。断らないことにETの信用の一部は担保されていると思ってますし、一旦アサインされた仕事からものを作る立場で自分から抜け出るというのは、あらゆる意味でパワーと犠牲がいるものです。

なので多分独立してから初めてでしょう。自分からプロジェクトを降りることがありました。降りる個別の理由はあまり吟味してもしょうがないと思うのですが、今の関わり方で、2~3ヶ月はプロジェクトに参与できても、継続的に、例えば2~3年のスパンで見た時に、続けて関わって行くのは難しく、とすれば自分からプロジェクトを降りるという判断も致しかたないと感じました。

誰かが「泣いて馬謖を切る」って評してましたが、馬謖的プロジェクトではありつつも、そこに至るまでに色々考えたせいか、決断は案外冷めたもので、状況整理もできており、まあ何というか。

ただ、個人的には「断る」ということにあまり馴染んでしまってはいけないと思っていて、断らないことをベースにしつつ、不測の事態に断る勇気が必要なのかも知れないなあと、今回は経験的に感じた次第です。

加藤 康祐 / 企画・設計

プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。

加藤康祐企画設計

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