2009/7/31

後輩に勧められない仕事をしています

僕も齢30近くにいよいよなってまいりまして、客先に営業に行っても「30歳までに決めないと。。。」と結婚の勧めを受ける始末。大学を卒業してもしばらく経ちましたから、就職活動の相談を受けることも、めっきり減りました。

今、佐々木俊尚氏の『仕事するのにオフィスはいらない 』という本を読んでいまして、いわゆる松村太郎君が随分前から言っていた、「ノマド」というライフスタイル、ワークスタイルについてなのですが、僕自身自分にだらしないことを抜かせば、ほぼノマドと言っていいライフスタイル、ワークスタイルをしていますから、非常にシンパシーを感じながら読んでます。

ただ、ノマドということを考えるにあたっては一筋縄ではいかないと思うのです。「ホワイトカラーが激減する」「大企業は未来永劫の雇用を約束してくれるわけではない」「失業者がどんどん増えている」という社会現象にフォーカスして「フリーエージェント社会が到来する!」って言うのは簡単なんですけどね。でも僕個人が抱える悩みとして「ノマド」を考えると、大きなポイントがある。

「おまえは後輩にノマドを勧められるのか?」

これ難しい問題ですよ。僕は元々崇高な志を持って独立したわけではなくて、どちらかというと、そう成りざるを得なかった「なりゆきノマド」なのですが、お陰様で多くの皆さんに支えられ、それなりに仕事を回せるようになりました。でもやっぱりここが問題だ。

「おまえは後輩にノマドを勧められるのか?」

「ノマド」の魅力みたいなものを語ることは簡単ですし、会社勤めではない自由は体感していますし、ついさっきもちょっと僕のワークスタイルを協力会社の人とお電話で話していたら「最高ですねー」って言われました。僕も「最高」だと今は思っています。昼はペンネを茹でて祖母と食べましたし。それって社会人にあってスゴイ贅沢なわけで。

「おまえは後輩にノマドを勧められるのか?」

例えば「おまえなら大丈夫だ!」と太鼓判を押せるような人がいたとして、そもそもその太鼓判を押しているのってたかだかフリーランス経験5年の若僧なわけじゃないですか。そういう選択肢も世の中にはある、程度の示唆なら有り得るのかも知れませんが、決断を促して実際「ノマド」として働き始めた時に、おまえは最後まで面倒見れるのかという話です。

まあ大人なんだから、とか、結局決めるのは本人なんだから、とか、人生自己責任なんだから、とか肯定のしようは色々あると思うのですが、とは言えとは言えですよ、軽々に「君も明日からノマドになりなさい!なった方がいいよ!」とは僕は言えないのだよなあ、と思います。そこには楽しいだけじゃない、もろもろがやはりあるし、そうすることで逸する様々な本来与えられるべき機会、というものもあるわけで。

じゃあ、どういうスタンスで「ノマド」ということと向き合うか、というと、僕はひたすら「自分の話をするしかない」と思うのですよね。まだまだ世間的にも十分に認知されておらず、定義も明確でない「ノマド」です。質問には答えるし、経験は伝えます。でも、なっちゃった人にアドバイスをすることはあっても、なるためのアドバイスは求められない限りしないようにしています。

ノマドというライフスタイル、ワークスタイルの選択は、言わば趣味嗜好の問題が大きくて、その人はそうでなければいけない、という必然の問題ではない。だからまあ、そういう人たちもいるんだなあ、くらいの伝え方しかできません。

ノマドがはらむ不確実性が少しずつ解決されていけばいいと思うけれど、今のところ、まだまだ日本ではそこまでそれほど、という気もします。

という辺りで、後輩に勧められない仕事をしています。

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加藤 康祐 / 企画・設計

1980年1月12日生まれ。フリーランス歴15年。プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。学生時代にデザイン会社でWebデザインを経験。2005年よりフリーランスとしてキャリアスタート。これまでに個人から上場企業まで、100以上のクライアントとのプロジェクトを経験。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの編集・運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート等。趣味はラグビーと料理。Keep the head up, Bind tight & Stay low.

加藤康祐企画設計

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