2008/2/29

自分の成長と収入の増加に相関はない

後輩が「ソフトウエアエンジニアの集団転職は間違いなく最強の武器」という記事を書いていて、これを読んでちょっとした違和感を覚えました。それは、いわゆる企業人と酒を酌み交わした時に感じることに似た既視感であったりもします。勿論、僕も「ELITE IS NOT HERO」という記事を書いていて、所謂マイスター的な人が重用される組織構造ってのはいいなあとは漠然と思っているわけなのですが。

「自分の成長と収入の増加に相関はない」というのはちょっとした言葉遊びでして、何が言いたいかというと、「自分の成長と収入の増加を相関していると思うべきではない」ということです。

「自分は成長しているんだから、収入が増えないのはおかしい」という話はよくよく聞く話です。僕も「成長したら儲かるといいよねえ」、とは思います。ただこれ、ビジネスという感覚で行くと、特に僕のような業態の場合、「自分が成長しているから、収入が増えている」という発想はちょっと危険な気もします。

視座を変えましょう。

僕の場合「収入が増える」のがなぜかと考えますと、それは「仕事が増える」からです。じゃあなぜ「仕事が増える」のかと考えますと、それは「より多くの機会に恵まれるから」です。でその機会というのはどう決まるかというと、接点の数と成約率です。自分の能力というのは機会の阻害要因でしかなく、能力が足りているのが当たり前で、足りなければ契約は取れませんし、従って自分の成長うんぬんということはビジネスそのものとは無縁です。

ですから、「自分が成長しなくては、収入は増加しない」という考え方は有り得ますが、「自分が成長したからといって、収入が増加するというものではない」ということになります。「自分が成長した分だけ、収入が増える企業」というのはある種の理想像かもしれませんが、それは理想であって現実にそういうものを求めるとミスマッチが生まれるのではないかと思います。

人一人の能力なんてたかが知れています。腕一本で飯が食えるというのは妄想です。自分と成長と収入の増加が相関するのは言わば「そうだったらいいな」的結果論でしかなく、そういうことを前提だと思って仕事をしていると、仕事を長く続けるのは難しいと思います。

同世代の400人に一人は東大生だと言います。知り合いに優秀な人が一人もいない、と思っている人はいないでしょう。誰かスゴイと思う人は目の届く範囲でもいるわけです。それが1億2千万人規模になったり、50億人規模になったりすれば尚更です。

ですから、「自分の成長と収入の増加に相関はない」と思っておく方が、利口な気がします。

加藤 康祐 / 企画・設計

プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。

加藤康祐企画設計

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(2012-10-5)
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