人はなぜそれでもWindowsを使うのか?
Windowsというのは基本的に賛美されるようなOSではなくて、しかしシェア96.97%(2006年のデータ、但し携帯端末などを除く)というのは圧倒的で、Macが2.62%、Linuxが0.36%となっているそうです。当サイトのアクセスログを見てみますとWindowsが91.80%、Macが7.44%、Linuxが0.38%(過去1年間の統計)ですから、Macユーザが健闘しているものの、やはり9割方Windowsユーザということになります。
先にMacのことを考えてみたいと思います。僕はMac Miniという一番グレードの低いマシンを持っていますが、ブラウザの動作確認用にしか使っていません。ですので、Macは持っていますが、Macユーザとは言えません。
ただし高校時代はMacユーザでした。アメリカに在住しており、両親もそろそろパソコンを覚えさせた方が良かろうということで、比較的多くの友達が持っていたMacを買ってもらいました。その頃聞いた話はMacの方が使い易いということで、また僕にパソコンのアドバイスを購入後してくれそうな友人もMacユーザだったということがありました。
そう言えば英語の塾で簡単なクロスワードパズルみたいな学習教材をする時にも使っていたのはMacでした。高校のPCルームにあったのも確か白黒のMacだったと記憶していますし、高校時代はほとんどMacしか触ったことがなかったですね。
今でもクリエイティブの業界ではMacを使うのが当たり前みたいな部分があります。どちらかと言うと僕のようなWindowsユーザは異端児ではないでしょうか。僕の場合は大学の共同購入のマシンがWindowsだったり、仕事のボスがWindowsを使っていたことがあって、それ以来Windowsユーザを続けています。僕が大学入学当時は1998年で、Windows 98が発表された年であったというのも大きいと思います。
教育や医療など、コンピューターへの導入が早かった業界では、個人レベルで今でもMacユーザが多いという話も聞きます。ただこういう業種はとても特殊で、最近は必ずしもMacが主軸というわけではないのではないでしょうか。
Macのインターフェイスは秀逸で、様々なアプリケーションも強力です。客観的に見ても「痒いところに手が届いている」感じがしますし、お洒落というかスタイリッシュというかカッコいい感じもします。
では「人はなぜそれでもWindowsを使うのか」、という問いの答えですが。
それは「皆が使っているから」。これに尽きると思うのです。90%以上というのは「皆」と言うのに十分なパーセンテージだと思います。そして「皆が使っている」ということは、すなわち、助けてくれる人が多く、助けられる人も多い、ということです。これはパソコンの使い方というレベルでも言えますが、ビジネスそのものというレベルでも同じことが起こっていると言えます。
実際Macを使いたいんだけど、と思っているWindowsユーザも相当数いるのではないかと思います。しかしながら、これまでの資産や技術を継承していくという意味においても、やはりWindowsから離れられないというのが実情ではないかと思います。個人ではなく、法人で見ると尚更です。
逆に僕にとっては、Windowsを使う理由は今後も「皆が使っているから」という理由以上にはならないと思います。ですから、Microsoftが致命的な何かを起こすとか(致命的なエラーと呼ばれるものはWindowsで頻繁に発生しますが)、Macがそれこそシェアを30%程度まで伸ばさない限り、僕はWindowsから離れることはないように思います。
逆を言えば、それだけ皆がWindowsを使っていることが重要で、OSの移行による機会損失を想定するに、僕のライフスタイル、ビジネススタイルにおいて得策ではないと考えるのです。
iPodの普及台数は目覚しいものですが、当初こそ商品そのものの魅力が他に比べて飛び抜けていたものの、今となっては圧倒的なシェアを握っている理由はやはり「皆が使っているから」なのだと思います。皆が使っているので、そこにあるマーケットは大きくなり、アクセサリや付帯サービスも業界標準であるiPodを中心に用意されていくわけです。
というわけでまだまだWindowsユーザでいる可能性が高い僕としては、Windowsで動くMacの特徴的なアプリケーションがiTunes以外にも増えればいいなあと、そのくらいのことを思うしかないのです。
長いものに巻かれているわけですが、ことにOSというものにおいては、そうあることによる便益が大きいように思います。

加藤 康祐 / 企画・設計
プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。
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フリーランスとして働き始めるってどういうことだったのか?フリーランスとして働くってどういうことなのか?フリーランスが目指すことってなんなのか?5年間の自分の経験から書きました。(2010年執筆)