2021/1/24

人が人らしく生きる – 脱成長コミュニズム、高原社会、データ駆動型社会

資本主義の終焉、ないし、右肩上がりの経済成長の限界、ないし、緩やかな衰退、みたいな話って、流行ってるんだなあというか、ここ数年来、大分メインストリームになって来た感じがありますが、コロナ禍を受けたアフターコロナの議論として、大分色々な人が色々なことを書いてるんだなあ、と思います。ここのところ読んだ3冊がまさにそうでした。

それぞれの本の感想を書こうかと思ったのですが、通底しているところはどうも同じような気がしていて、大きく、人が人らしく生きる社会、みたいなものについて、それぞれのアプローチで論じられています。規模の成長をあきらめること、贈与や共有財に重きを置くこと、生きる価値を変えていくこと、なんかが書いてあって、方法論として、使用価値経済への変化、ベーシックインカム、ソーシャルグッドなデータ活用などについて考えることができます。

僕も割と考え方的には賛同するというか、資本主義がいつどうやって限界を迎えるかということについて経済学者でもないので自分の意見とか持ってないんだけれど、どうやら、限界がありそうだから、よりコンフォタブルな社会像や価値観に早めに身を置いておきたいな、という感覚は以前からあります。

没量、貨幣価値、隠者の思想

僕はこういうことの強さってあるんじゃないかなあと思っていて、でもそれは120%隠者になりきる必要って現代社会にはなくて、細川さんのように一時的に隠居するのかも知れないし、エンデのように地域に社会とパラレルの経済圏を築くみたいな提案になるのかもだし、弓月さんがいうところの日常性から逸脱するような回路ということなのかも知れないけれど。こういうこと割と自分に自信がないと実践できるもんじゃないかと思うんですけど。一歩引けるって感じかな。俯瞰というか。司馬遼太郎さんが亡くなった時に、回顧録みたいなムックを買って、もう手元には残ってないんだけど、あの時、やたら気になったのも、司馬史観って結局、俯瞰の技術、みたいなことだった気がする。

たまに仙人を目指すみたいなことを書いているけれど、どうやら個人が仙人を目指す話とは別に、社会もゆるやかに没量的な世界観にシフトしていくのではないかと思えます。一時的な隠居、地域のパラレル経済圏、日常から逸脱するような回路、という話は社会に展開すれば、脱成長コミュニズム、高原社会、データ駆動型社会みたいなキーワードが目指すところとも、かなり一致してくるんじゃないかと思うんですよね。

『ビジネスの未来』では経済成長の外にあり、市場が解決できない仕事として、大きく2点が挙げらていました。

  1. 社会的課題の解決 ソーシャルイノベーション
  2. 文化的価値の創出 カルチュラルクリエイション

人が人らしく生きるための仕事として例えばこれを定義に置くことはできると思うし、実際面白いのはそういうことだよなあと思います。一方で、今のところ、この分野においてのLife WorkとRice Workの完全一致はなかなか難しい気もして、結果的にたくさん抱えすぎて首回らなくなったりもすることあると思うんですけど、これからはそれじゃ駄目なんですよね。LifeとRiceを限りなく融和させて、社会的課題の解決や文化的価値の創出に取り組むようなプロジェクトやサービスやソリューションを考えていけないと。

しかし少し何か肩の荷が下りるというか、40歳を迎えて、これまで走って来たような言わば「右肩上がり」を(実際、上がったり下がったり大変なんですけどもフリーランス)志向するよりは、少し違う価値観というか世界観で自分の仕事や生活を考えていきたいという時に、とてもサポーティブな内容だったように思います。アフターコロナへの希望の持ち方の指南、でもあるかも知れない。後はこういうののとっかかりになるのが僕は「家庭の再定義」から起きるのかも知れないなあ、という気もしているんだけど、それはまたおいおい書いていきたいと思います。

どれも今を生きてる論客の方の本なので、よく売れてるみたいだし、面白いですよ。特に同世代の中年にお薦めしたいw。

加藤 康祐 / 企画・設計

プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。

加藤康祐企画設計

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