2020/3/24

雇用を守る、は正しいのか?

以前、後輩が日本の大企業の存在理由は雇用を支えていることにある。ということを言っていて多分正しいのだろうなあと思います。不況も長期化する気配ですが、安倍さんが自民党の会合で「雇用を守ろう」という号令をかけているのを目にしました。雇用を守る、ということは多分正しいのだろうなあと思います。一方で、海外では既にレイオフが進んでいることがニュースにもなっているけれど、企業経営にあって、事業の縮小や人材リソースの最適化は事業継続のために取り得る選択肢の一つにあるべきで、図体が大きい状態を保ちながら、お金を借りて、売上が立たない中でも、何とか雇用を支えてくれ、というのは、なかなか厳しい話でもあります。

また、今回、引き金がコロナウイルスのパンデミックという災害であることで、どれくらいで収束することなのか、なかなか読めません。そうなってくると、どれくらいの規模感の話になるかは僕には全然わかりませんが、「失業者が増える」ということは社会に表象してくることとしてありそうな気はしています。という時に、「雇用を守る」というところで、思考を止めてしまうのも、リスキーなのではないか、そんな感じがしたんですね。ということで、「雇用を守る、は正しいのか」というタイトルをつけてみました。

雇用を守れなかったらGame Overにしてはいけない

まず、雇用を守れない、すなわち、失業をGame Overにしないこと、というのが大事かなと思います。終身雇用の崩壊は叫ばれて来たし、しばしば、ここ数年にも大規模な解雇はあったし、人材の流動性も高まりつつあったし、働き方改革なども進められて来たから、社会に耐性がないとは言わないけれど、それでも日本では比較的「非日常的なこと」だし、僕は解雇されたり失業したことはないですが、体調を崩して、内定を辞退したり、会社を畳んだり、ということがあって、そういう時の喪失感というのはそれぞれ結構なものがあったように思います。ただ社会の雰囲気として、失業しても社会復帰できる、ということが必要で、そこに政策的支援なりも考えていかないといけないのではないかと思います。

失業者のオーバーシュート

今、コロナウイルスに関して感染者のオーバーシュートが危険だ、ということが話題になっています。日本では失業しても失業保険があったり、就労支援、再就職支援などの社会福祉のセーフティネットがあるわけだけども、感染者がオーバーシュートすると医療がキャパオーバーを起こしシステムが機能しなくなるように、失業者がオーバーシュートすると社会福祉がキャパオーバーを起こしシステムが機能しなくなる、ということもロジックとしてはあるように思います。失業者が2倍、3倍になれば、それを支える仕組みも2倍、3倍のコストやリソースが必要になる気がしていて、商品券を配るのも良いのだが、そういうところに国のリソースの注入を増やしていく、厚くしていく、ということも考えていかないといけないのかなと。

やり直しが効く社会

結局、レジリエンス、という話にはなって来るのだが、現状を維持することだけでなく、不況の結果、起きてくるであろうことに対して、考えていく必要はあって、「景気は大丈夫?」の先には「雇用は大丈夫?」があって、「雇用は大丈夫?」の先には「社会復帰は大丈夫?」があって、雇用を守るという一枚岩を堅持するだけでなく、社会が恒常性を取り戻すための連環を支えていく、みたいな考え方が必要なのかなという気がします。一方で、人一人が仕事を失って、また、仕事を得る、ってとてもパワーが要ることだから、なるべく景気対策で食い止める、ということもわかる。なので、金融経済政策と社会福祉政策セットで見ていく必要がある気がしていて、商品券とか、休業手当とか、そういうレベル感ではない話が今後必要になって来る気もしますよね。

まとめ

今やってる経済政策、金融政策をしっかりやらないと、結果的に、セーフティネットに皺寄せが行く、という話でもあるのだけれど、今まで以上に、社会システムの強靭(特に靭やかさの方ですね)さが問われる局面のような気がしています。コロナショックを吸収して、何とか国家として、国民の不安を払拭して、ヘルシーな状態を作れるか、大きな課題だなと思うけれど、まあ僕もまだ道半ばだけど、社会復帰、多少アゲインストでも、全くできないことじゃないし、そういうことがより良くできる社会になっていったら良いなとも思うのでした。

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加藤 康祐 / 企画・設計

1980年1月12日生まれ。フリーランス歴15年。プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。学生時代にデザイン会社でWebデザインを経験。2005年よりフリーランスとしてキャリアスタート。これまでに個人から上場企業まで、100以上のクライアントとのプロジェクトを経験。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの編集・運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート等。趣味はラグビーと料理。Keep the head up, Bind tight & Stay low.

加藤康祐企画設計

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