2020/1/31

危機対応の時代 – クライシス・レスポンスとクライシス・リテラシー

時事問題ってそんなにこのブログで扱わないのですが、令和になって、昨年の大雨水害に始まり、中東不安、ブラジルやオーストラリアの森林火災、そして新型コロナウイルスなど、テレビのニュースを観ているだけでも様々なことがありました。自然災害、テロ(サイバー・テロというのもありますね)・戦争、パンデミック、他にも色々あるけれど、こうした人間社会に対する脅威は「危機」つまりクライシスとして捉えることができます。

以前、ユレッジで丸山宏さんにシステムズ・レジリエンスという考え方について取材したことがあります。ユレッジも、このインタビューも、東日本大震災に端を発した取り組みでしたが、最近、考えるのが改めて社会のレジリエンス、ということです。考えてみれば、生まれてからこの方、社会は様々な危機に襲われていて、しかし、特にこの10年くらい、とても社会に対する危機について考えさせられる機会が増えたような気もしていて、何となく人々の「クライシス・リテラシー」みたいなものも高まっている気がします。インターネットやSNSで情報伝播の構造が劇的に変化した、というところにも、その一因があるのかも知れません。

人間社会の変化

今回、新型コロナウイルスのニュースを眺めていて、はてと気付いたのが、いくつかの企業が2週間ほどは自宅勤務を奨励するというリリースを出していたことでした。大企業でもリモートワークが可能になったのは、働き方改革という社会変化の流れによるものかなあと思いますが、あれ、働き方改革で、パンデミックへ柔軟な対応ができた、ってちょっとこれまでと違う文脈だな、と思ったんですね。

危機脅威の変化

一方で、世界的に人の移動が活発に便利になって、あっという間に世界中で新型コロナウイルスの発症が確認されるようになるというのは、高度交通社会の負の産物という感じもします。また先般の中東情勢の悪化にはドローンが使われたと言いますし、世界的な森林火災の背景には気候変動という根本問題があるというのもよく話題にされるようになりました。人間社会はより柔軟に変化しようとしているかも知れないけれど、危機脅威も様々に変化している。「現代病」という言葉があるけれど、「現代危機」みたいなのがあるなあと思います。

とは言え、人類の歴史は危機対応の歴史

タイトルに危機対応の時代とか書きましたが、冷静に考えると人類の歴史というのは危機対応の歴史であるとも言えて、特段、現代社会にだけ問題があるわけではないのは確かです。飢饉、干魃、地震、河川氾濫、火災、疫病、戦争などなど、枚挙に暇がありません。危機対応はしばしば技術だったり社会システムのイノベーションの動機付けにもなって来ましたし、同じくユレッジでは児玉龍彦さんへのインタビューでクライシス・レスポンスという言い方をしているけれども、東日本大震災の後にも様々な新しい活動や取り組みが生まれました。そういうことの繰り返しで、人類は進歩している、というのも確か。

まとめ

今回は割と動態的な危機について扱ったけど、静態的な危機というのもあります。貧困、少子化、不況、虐待、障害などなど、多くの社会問題は社会に対する危機で、ただ事件的ではなく状態的である点で目が向けられにくいのかな、という気がします。何か最近思うのは、動態的な危機対応、静態的な危機対応含めて、もう一度、令和の時代、社会のレジリエンスという問題を考えていかざるを得ないのかなあ、と感じるのです。

まあでも先の働き方改革でリモートワークが可能になったことがパンデミック対策の一助になる、みたいな新しい社会のレジリエンスも見受けられるわけで、SDGsの達成というのも、危機への柔軟性というところに繋がってくるのかな、という気がします。クライシス・リテラシー、危機に目を向けて、それに柔軟に対応していく、みたいなものをきちんと科学していく必要があるのかなあと。

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加藤 康祐 / 企画・設計

1980年1月12日生まれ。フリーランス歴15年。プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。学生時代にデザイン会社でWebデザインを経験。2005年よりフリーランスとしてキャリアスタート。これまでに個人から上場企業まで、100以上のクライアントとのプロジェクトを経験。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの編集・運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート等。趣味はラグビーと料理。Keep the head up, Bind tight & Stay low.

加藤康祐企画設計

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