2020/1/3

テクノロジーの社会実装とデータマーケティングの未来

なんかいつの間に進んでたなあと思うものに、防犯カメラというものがあります。小売店、飲食店、通学路、生活の様々なシーンには今、防犯カメラがあります。ドライブレコーダー、なんてものもありますね。観測映像が大量に撮影されて、5Gでネットワークに繋がり、メッシュネットワーク的に世界中がカバーされ、膨大な映像のビッグデータがAIによって解析される。顔認証で個人は識別され、財布の中身や、購買データ、行動データ、はたまた交友関係なんかもそこに紐付いてる、なんてなると、なんだかすごい。テクノロジーが社会実装されていくこと、というのには様々な方法があると思うのですが、何となく気が付いたら社会インフラになってたな、そんなことを感じるのが、案外、防犯カメラかな、という感じがしました。まあ、もうちょっと先の話なんでしょうが、そういうことに可能性を感じる人もいるだろうし、反対にデストピア的な危惧する向きもあるのかなあ、と思います。

インターネットとスマホは個人を一意にした

昔、個人って必ずしも一意じゃなかったと思うんですよね。色々な情報を揃えれば個人を認識できるけど、名前は同姓同名いるし、住所は世帯単位だし、電話番号も世帯単位で持っていて、色々揃えて初めて個人を識別できたのかなあと思います。日本でもようやくマイナンバー、海外だとSocial Security No.という一意の識別子があって、ただ、特に日本ではまだそんなに活用されてないと。一方で、パソコンやスマホを個人が所有するようになって、電話番号やメールアドレスが個人を識別する一意の情報になりました。その昔、One to Oneマーケティングという言葉がインターネット黎明期に流行ったのだけれど、そういう状況を生み出し得たのが、インターネットとスマホではないかと思います。

データは突合することで価値を増す

企業は今、様々な個人情報、ビッグデータを抱えています。ヘルスケアの会社であれば、心拍や血圧の情報、大型スーパーだったら、毎回の買い物の行動特性、アパレルであれば、その人の趣味嗜好を把握してそうですし、金融サービスなら、その人の資産情報でしょう。それぞれの業界のそれぞれの企業に、僕たちはサービスの利用を通じてデータを預けています。それぞれに預けている、そのつもり。だけれども、自分の気づかないところで、それぞれのデータが突合されていたら、知らないうちに何かの相関関係が見つかったり傾向が読み取られているようなこともあるかも知れません。セグメント化されていたデータが突合されていくことで、一意の個人情報が膨れ上がっていく。様々なデータの突合が進めば、それだけデータマーケティングというのはやりやすくなるんじゃないかと思います。

トラッキングに対する人間の限界

こういう話って、マーケティング的な話の反対に、セキュリティやプライバシーの問題、というのを孕んでいると思うのですが、人口が多い中国で、顔認証による決済などが急速に進んでいるというのは、なかなかすごい状況なのではないかなあと思います。セキュリティやプライバシーの侵食というのは、しばしば人間が生理的に受け付けられない部分でもあって、ジョージ・オーウェルの『1984』のBig Brotherや、伊藤計劃の『harmony』のWatchMeなんかを想起するけれど、世の中の様々なことがトラッキングされる社会って、メンタル・ヘルス・クライシスを引き起こす可能性はあるなあという気がしていて、今のテクノロジーの社会実装のスピードというのは、人間が変化に適応する限界を越えていく可能性もあるな、という気もしています。中国は元々共産圏の国だし、そういうことにはもしかしたら、社会的な耐性あるのかなあとも思いますが、セカンドインパクト、他の国だとどうだろうか。

まとめ

新年なので、些か妄想気味というか、SFチックなことを書いてみましたが、程度の違いこそあれ、なんかもうすぐの未来に似たようなことは起こるし、起こってるのかも知れないなあという気もします。ただ、データマーケティングが高度化していっても、普段の購買や生活が劇的に影響を受ける、という気はあまりしていなくて、ビジネス・アプローチとしては高度化しても、生活レベルでは大差なく、ビジネスサイドの独り相撲っぽくなる可能性もあるのかなあとも思っています。逆にそんなに世のセキュリティやプライバシーの感覚も変化なくて、生理的な違和感を感じずに、テクノロジーが社会に溶けて馴染んでいくのかも知れないなとも。人間そんな簡単に変われないし、変わらないよな、みたいな楽観もあります。

先の10年はスマホを基軸に個人がハンドルできるテクノロジーが増えました。次の10年は何となくこれまで以上に個人データをハンドルすることを中心とした、テクノロジーの社会実装が大きく進展していく、そんな感じもしているのですが。どうなることか。

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加藤 康祐 / 企画・設計

1980年1月12日生まれ。1998年よりデザイン会社のパートタイムアシスタントとしてWeb制作を経験。2005年に独立、フリーランスとして、企業、個人、NPO、独立行政法人など、様々な領域でのITやデザインによるサポート業務に携わる。2018年、加藤康祐企画設計を開業。これまでの経験を活かし、より広い視野でクライアントの問題解決に取り組み、クライアントと一緒になって新しい価値創出をし、平静な社会の実現を目指す。

加藤康祐企画設計

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