2019/12/28

逆引きで考えた「情報のセーフティネット」 #soar応援

個人的に良い活動だなあと思って寄付会員としてサポートしているsoarですが、年明けWebのリニューアルを控えているんだそうです。以前、クラウドファンディングが行われていて、僕も賛同したのですが、リニューアルプロジェクトの詳細はそちらにあります。

soarを生きづらさや困難がある人たちの「情報のセーフティネット」にしたい! – CAMPFIRE (キャンプファイヤー)

新たに目指すのは、「困ったときにsoarを読めば必ずサポート情報が見つかる」と人々が安心して頼りにできる「情報のセーフティネット」になっていくこと。

そのためには、より多くの困難のある人たちへのサポート情報を可視化し、より広くいろんな層の方に読んでもらえるようにしなければなりません。実現するには、今の一般的なメディアのサイトでは限界があります。

「たくさんの情報が掲載されていて、なおかつ情報が探しやすく、読みやすい」そんなサイトに、soarを生まれ変わらせる必要があります。

僕自身、昨年改めて体調を崩して病気の当事者になったことや、仕事柄、Web周りのことが主戦場のこともあり、このリニューアル、楽しみにしているのですが、「情報のセーフティネット」ということの必要性って、改めてどういうところにあるんだろう、ということを立ち止まって考えてみたいなと思いました。

情報発信の当事者性

今年、僕も統合失調症の治療や症状について、実体験を含めて記事を書くことを試みました。僕が最初に体調を崩した20代の頃は(20年前くらいですね)、今ほど積極的に病気について情報発信をしていく雰囲気はなく、逆にインターネットの掲示板などは覗いても気が滅入る感じで、あまり「拠り所」はなかったように思います。ただ、soarでも取材記事がありますが、実際にイベントでご本人のお話を聞いてみたりもして、当事者の実体験を言語化することには、他者の理解を助けることがあるのは確かだなあと感じました。

統合失調症は癒える | Life is Prototyping
回復の方法論 – 段階的に取り戻すということ – 入院治療の設計 | Life is Prototyping

割と丁寧に書いているので、統合失調症や入院治療(体験談でしかないですが)に関心がある方は読んでみてください。

自分の病識の欠如と入院治療に対する誤解

というわけで僕は体調を2回崩して2回入院しているわけですが、昨年体調を崩す前の状態ってもうすっかり病気は治って、過去にそういう疾病歴があった、というような認識でした。3ヶ月に一度通院して、薬も定期的に服用していましたが、仕事は一般の人と遜色なく行っていましたし、生活も運動も支障なく行えていたように思います。ただ、実際はこの病識のなさで、体調の悪化に対して十分な予防策や相談が満足にできないまま、急性期に突入することになりました。病気に対する知識も20年前からアップデートされないまま。適切な知識は「安全」に繋がります。

加えて、「入院」への潜在的な恐れがありました。本来、病気になることと、その病気を治療するために入院することは別の事柄なのですが、どこかで「入院すると病気」「入院したから病気」みたいな社会的なステレオタイプを自分自身が当事者であるにもかかわらず鵜呑みにしていたところがあって、最後まで頑なに拒否していたんですね。「あんな辛い思いは二度としたくない」「もう二度と入院したくない」「入院すると自分の病気を認めることになる」という気持ちは、最初の入院が22歳とこれから社会に出ていくタイミングだったこともあり、確かにわからなくはないのだけれども、実際は入院は最も環境的に安全な病気の治療・対処方法であって、それを安心して選べることはとても大事なことだなという気がします。

急転直下だった急性期も、3ヶ月の治療できちんとおさまって退院して日常生活に戻って来れまして、事前に病気に対する正しい知識やマインドセットを整えておけなかったことを痛感しました。

情報のセーフティネット

困った時にわからない情報を調べるということは「対処」ですが、その先に知識や方法論を得ることは「予防」でもあります。むしろ些細なつまずきで、自分が抱えているリスクを理解したり、その先にある危機を予見したり、逆にそれでも輝いている人の物語に出会うことができるのであれば、それって色々な可能性を広げてくれる知恵でもあるのかなあと思います。インターネットはそういう意味ではカジュアルに情報にアクセスでき、些細なつまずきをきっかけにアプローチするのに向いている、と言えます。

腫れ物のように社会から隠されていると、そういう準備ができません。soarというメディアに様々な当事者や支援活動の物語がストックされ情報のセーフティネットとして「準備」されていることは、自分に何かあった時の「準備」になるだろうとも思いますし、逆に、自分が何かやろうという時の「準備」になるかも知れません。そう考えると、セーフティネットというのは「準備」ということのような気がしますね。何かの渦中にある人だけじゃなく、色々な人のための「準備」になり得る、という。

リニューアルされたsoar、どんなサイトになっているのか、心の準備をして、楽しみに待とうと思います。

soar(ソア)|人の持つ可能性が広がる瞬間を伝えていくメディアプロジェクト

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加藤 康祐 / 企画・設計

1980年1月12日生まれ。1998年よりデザイン会社のパートタイムアシスタントとしてWeb制作を経験。2005年に独立、フリーランスとして、企業、個人、NPO、独立行政法人など、様々な領域でのITやデザインによるサポート業務に携わる。2018年、加藤康祐企画設計を開業。これまでの経験を活かし、より広い視野でクライアントの問題解決に取り組み、クライアントと一緒になって新しい価値創出をし、平静な社会の実現を目指す。

加藤康祐企画設計

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