2019/5/10

メディアのこと – ET Luv.Lab.とユレッジ

デザインと編集というのは、とても近しいものだと個人的に思うのだけど、メディアの運営をいくつかやったことがあり、今日、久し振りに手を入れました、というか復旧作業をしました。ET Luv.Lab.というインタビューサイトとユレッジという地震防災のサイトです。想像に難くなく、僕、別に編集の勉強をこれと言ってしたことがないのですが、思い起こせば学生時代はWebマガジンの更新作業の仕事がとても多く、社会人になってもブログをせっせと書いていたので、割と親和性は高い仕事だったように思います。当時、「マイプロジェクト」という言葉が流行っていて、いっちょインタビューでもやってみるか、という軽いノリで始まったのがET Luv.Lab.でした。

ET Luv.Lab.

今、見返すと、さながら、平成の時代のフリーランスという生き方、働き方のサイト、というような読み方ができるのかなあと思います。登場する人はフリーランスだけではなく、企業人もおられるのですが、縛られない生き方とか、自由な働き方とか、そういう文脈に繋がるような対話が多かったように思います。よく飲み仲間にインタビューしてるだけ、って言っていましたが、ほぼ編集らしい編集をしておらず、喋ったまま。プロの編集者には怒られそうなインタビューサイトなのですが、2010年から2016年までの6年ほどで50名の人にインタビューすることができました。

ユレッジ

ユレッジは東日本大震災を受けて立ち上がったプロジェクトです。独立行政法人防災科学技術研究所の広報の支援事業として、ETで企画運営をしました。こちらはET Luv.Lab.と違いテーマが「地震防災」と定まっており、しかし、企画趣旨として「地震防災とは違う分野の専門家に、防災について書いてもらおう」という立て付けで、実はET Luv.Lab.とアプローチはとても近しいものでした。それぞれの専門的見地、IT、デザイン、農業、医療、アウトドア、ボランティア、仏教、などなど、様々なフィルタを介して防災を論じることで、これまで見えて来なかった防災の可能性を模索することができたと思っています。並行して最先端の地震防災技術の知識の啓蒙コンテンツの開発にも取り組みました。

メディアの運営

いやあ、体力すり減りますよねw。また、テープ起こしか、ってなるw。実はメディアサイトを作ること、企画からデザイン制作、執筆まで僕一人で割とできちゃうんですが、それじゃあつまらなくて、ET Luv.Lab.もユレッジも「人」に比重があるインタビューがメインのサイト、ユレッジは一人でやるには限界があったので、チームを組んで、2人の編集者と1人ずつのデザイナー、コーダーと、スモールチームで回していましたが、それに加えて、インタビューに答えてもらう方々なしには到底成立しないメディアサイトでした。おんぶにだっこ、というか。あんまり僕のオリジナリティみたいなもので回してない。

ET Luv.Lab.もユレッジも続けようと思えば続けられる内容だと思うのですが、今は無期休眠期間とさせていただいており、これから、メディアサイトをやろうという意向もそんなにありません。カナエールではオウンドの運用もさんざんやったし、今もコンテンツ・マーケティングのサイトの管理などをやっていますが、やっぱり始めるとなると、体力要るからなあ、という感じがします。

スモールメディアの可能性

ET Luv.Lab.もユレッジもそうだし、最近、話題になっているネットメディアもそうだと思うのですが、「ロング」で「スロー」です。僕のメディアのお手本はgreenz.jp彼岸寺と言ったサイトだったのですが、社会的インパクトをどれだけ生み出したか、みたいなことまでの飛躍もできなくて、良識ある届くべき人に、良質なストーリーをどれだけ届けられて、そこに化学反応を生み出せるか、みたいなところをやっていたのかなあと思います。なんかここから生まれた、ということがあるわけでもないから、きっかけづくりというか、アクティビストを行動に向ける一つの因子、としてET Luv.Lab.やユレッジの存在があれば良かった、みたいな感じでしょうか。まあ実際、インタビューした人のその後の活動や活躍を見るのは、個人的な楽しみでもありますね。

強いて言うとすれば、先に挙げたカナエールなんかがそうだったんだけど、もう少し明示的に「人の行動を促す」というところに目的が向かうようなメディア運営やってみたいなという気はしています。カナエールの時はチケット販売、つまりチケットを買ってもらいイベントに来てもらう、ということに向かってオウンドメディアの運営をしていたわけだけれども、インターネットに公開されたコンテキストが、リアルの人の行動のコンテキストに繋がるようなこと、というのがやはりダイナミックなことな気がしていて、なんかそういうことには機会があれば挑戦したいなあと思うけれど、これ手法の話で、なんかそれをするための明確な新しい目的と巡り合う時がくれば、またメディアもやるのかな、などと思います。

まとめ

なんにせよ、この2つのサイト、やって良かったな、という思いは強いです。学びが多かったし、良い対話もできたし、運営してみないとわからないことも多くあり、時には覚悟の必要な取材もあったし、思わぬ波及効果を生むこともあったし、運命を変える、というと言い過ぎだけど、少なからず人の人生に影響を与えるようなこともあるな、という感じもしました。最近だと、soarとかunleashとか良いメディアだなあと思って読んでいるのだけど、有象無象あふれる世の中だけど、なんかコンセプチュアルなメディアサイト、やってみることは色々人生を豊かにしてくれるような気もします(色々良いことありました)。個人がメディアを作れるようになって20年とかだと思うのですが、そろそろ令和シフトで、また新しい潮流が生まれてくると面白そうだなあと思います。

人がメディアになる時代のインタビューサイト、ET Luv.Lab.

日本の「揺れやすさ」と地震防災を考えるサイト、ユレッジ

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