2018/3/26

スケープゴートと魔女狩りの科学

スケープゴートという言葉をご存知でしょうか。「身代わり」「生贄」とか言われます。また、似たようなもので「魔女狩り」というのがあって、実は僕の母校にも、この魔女狩りに関する授業がありました(取らなかったけど)。平たく言うと「いじめ」なのだけど、今日はもうちょっとシステム論的な話をします。

例えば「Aさんはこういう人だ」とか「Aさんがこういうことを言った」ということを起点に考えると。Aさんに関する情報ってのはどんどん肉付けできるわけですよね。こういう人だ、こういう仕事をしている、こういう性格だ、みたいなこと。その上で、「BさんがAさんについてこういうことを言った」みたいなのあるわけですよね。この辺から危うくなる。Aさんに肉付けされた情報に尾ひれつけてくと、Cさんの話題やDさんの話題にもなり、それを皆で「狩る」のが「魔女狩り」。

現代の魔女狩りは主に噂やデマや流言飛語で起こり得ます。今は、テレビなどのマスメディアだけでなく、LINEやTwitterなどのコミュニケーションツールがある。それぞれが独立していればコントロールできるけど、マスがSNSを拾ったり、SNSがマスを拾ったり、またそこにリアルの噂話やひそひそ話も相混ると質悪い。

伊藤計劃の代表作に虐殺器官という本があります。

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最近、この本が書かれた現代社会の背景をすごく感じることがあり、夭折したのが本当に惜しいSF作家だけれども、ネットワークが発達して来なかった中世ヨーロッパの魔女狩りは誰か一人を、例えばジャンヌ・ダルクを狩れば良かったのかも知れないけれど、現代の魔女狩りは単一の対象に成り得なくて、犯人探ししていく過程で、どんどん犯人というか登場人物増えてっちゃうんですよね。

これ本当に社会的病理だなあって思います。

ただ、最初に言ったAさんが、そんな噂話どっちらけで、信頼できる人たちだけときちんと付き合えればそれで良いと開き直れれば。

嘲笑していた人たちは見下されるしかなく、大概の人は飽きて普通に戻るはずで、責任ある立場の人が、これまでの自分たちの過ちから身を守るために「魔女」に固執するのかなあと。

概ねファンタジーですよね、そういうのって。

そういう怖さあるよねーって思いますね、魔女狩り。

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