2018/1/10

社会的養護とUXデザイン – ジャーニーマップとその転用

ここ数年ずっと考えているのが、UXデザインって色々なことに使えるツールセットになって来てるよなあ、ということです。ユーザの経験をデザインする、というのがざっくりとした説明ですが、実際その範囲は広範に及ぶよなあって思います。

UXジャーニーマップ、ないし、カスタマージャーニーマップ、というのは中でもよく使われるフレームワークです。サービスやプロダクトを通じてユーザないしカスタマーが経験することをマトリックスに配置していく。上段に段階を、下段に行為の内容を取ります。僕も仕事の中でよく描いています。

どんなものかというのはGoogleの画像検索の結果を見ていただくのが一番わかり易いかなと思うのですが、実際は色々な表現方法ができます。デザイナーが描けばグラフィカルなものにもなりますし、ノンデザイナーでもフレームワークとして基本的なエッセンスは使えることがポイントです。Google Spreadsheetにマトリックス作って個条書きしていくだけでも、十分にジャーニーマップに成り得ます。

google ux journey map – Google 検索

肝心なのはフェイズの設定とスタートとゴールの設定でしょうか。

僕が少し関わって来た社会的養護の分野で、特に大事なポイントになって来そうな、「自立」をスタートに、そこからゴールをどこに置こうと思ったのですが、一旦「家族を持つこと」ということに仮置きしてみました。その辺の理由に興味ある方は、前にちょっと書いた、かぞくの記事読んでいただくと良いかと思います。

「かぞく」と「ふつう」 – 「もう一つの”かぞく”のかたち〜子どもたちに多様な大人とのつながりや居場所を生み出すには」に行って来た : Life is Prototyping

なるべく簡素化して、感じること、考えること、脅威になること(これは今回加えてみました)、という3つのポイントについて、それぞれのフェイズに対して自立する子どもの立場に自分を置いて考えるようにしました。その上で、そこに大人がサポートできそうなこと、というのを書き添えてもらいました。

ジャーニーを引くためには、よくプロダクトやサービスのことを知っている必要があります。そうじゃないとユーザの経験への想像力働きづらいですよね。一方で、それはこれから作るものというケースが多い。なので、企画ないし設計した未来に生まれるサービス像、プロダクト像を頭に置きながら、ユーザの経験を想像します(勿論これが今、既にあるものの改善に使われるケースもあります)。

プロダクトの理解度でジャーニーの精度が変わるように、この場合であれば社会的養護の子どもたちや、その支援の現状や、彼らの状況や背景についての理解が深い方が、より精度の高いジャーニーが引けそうです。

今回の自立についての検討だと、自立から家族を持つまでの明確な正解、みたいなものは人の生き方だから当然ないわけで、こうだったらいいなとか、こうなると嫌だな、みたいなことを主観でありつつも、自分ではなく「誰か」の立場で考えることになります。

想像に難くないと思いますが、これで解決策って出るわけじゃありません。ただ、これ書くプロセスで、こうだったらいいなとか、こうなると嫌だな、みたいなことを整理して考えることができそうです。自分が何をどう考えているのか、ということを把握できる。これが自分のための材料になったり、場合によっては人と議論したり、一緒に何かを生み出していったり改善したり、具体的なアクションを考えるための材料になります。

自分じゃない誰かの立場や気持ちや考え方を理解しようとする努力、ということでしょうか。そういう意味では、対象領域を変えても、UXデザインと通底するところがあるのではないかと思います。

相手の気持ちになって考えるとか、相手のことをよく理解するとか、なかなか言うは易し行うは難しなのですが、例えばこういうフレームワークを持ち込むことで、より具体的に整理して考えられるかもなという気がします。

まだまだ入口でしかないなって感じもあるし、これが良く働くケースも、逆にこれが悪く働くケースも、もしかしたらあるのかも知れないですが、ただ漠然と「考える」のではなく、きちんとした意図と狙いを持って「考える」ためには、活用できるフレームワークとか方法論とか考え方も色々なところにあると思うんですよね。なんかそういうことにも頭使っていきたいなあ、などと思っています。

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