2018/1/4

旅と陰翳礼讃

思うところあって、この正月、久し振りに読み返した本があります。谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』。日本人の美意識みたいなものとは切っても切り離せない本のような気がしていて、まあかなり偏執的な耽美、みたいなものでもあるのですが、僕が学生時代に読んで、知人にも薦めていた本でもあります。今だと青空文庫で電子化されているので、無料で読めます。

最近、部屋の照明いじって、地味に日が暮れてからが楽しいのですがw、なかなか日常生活で陰翳礼賛、感じる機会もあるようなそうでもないような。ただ、いくつか旅先で味わい深かった陰翳礼賛的な記憶ってあるなあと思い。

例えば、八女のうなぎの寝床の隣の町家がゲストハウスとして営業していた時の夜はとても静かで良かったです。奥湯河原の加満田でベランダで山を背景にボーッとしてるのもすごく良い。尾道の丘の上の千光寺山荘から見下ろした港の灯りも良かったし、鳴子温泉のゆさやの暗がりの坂道を雪を横目に浴衣で上がってたどり着く露天風呂も良かった。京都でははりま屋という家族でやってる旅館の4畳半で書生気分に浸りながらゆったり時間を過ごせたし、宿ではないけれど、沖縄のあしびうなあの縁台でライトアップされた庭園を眺めながら宴席の琉球民謡聴くのも良かった。とか。ああ、あと、宿っていうか、友達の家だけど、糸島シェアハウスの夜の感じもすごい好きでした。

旅に出て、ビジネスホテルのご厄介になることも多いし、たまにシティホテルみたいなところも使うけど、記憶に残ってるところって、やっぱり日本の昔ながらの宿だなあと。陰翳礼賛が良かった、みたいに薦められて、惹かれる人がいるかどうかはわからないが。

隅々まで明るく照らし尽くさなくてよいという。

なんか記憶に残るんだろうと思うんですよね、そういうのって。そんなこともあり、陰翳礼讃はなんか再読にあたる本かなあと思いました。

年始に良いもの読んだ。

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