
つまらないこと、おもしろいこと – あるいは、SNSと高杉晋作の話
SNSもボチボチ登場して10年くらい経つのかな。古くはGreeとかMixiとかもありましたが、面白くなったのはTwitter出て来てから、Facebook、そしてInstagramでしょうか。ミレニアル世代向けのサービスにはついぞついていけてないけど、写真SNSや音楽SNSみたいな専門SNSもそんなに馴染めず、結局その3つに落ち着いている気がします。まあ、3つ、って日常的に使うにはちょうど良いサイズ感かも。
かく言う僕、SNSマーケティングの企業に仕事でもお世話になっていたりして。ビジネスでもプライベートでも切り離せないものになっている気がします、SNS。
さて、世の中には、つまらないこととおもしろいこと、というのがあります(当たり前のことを言っている)。
最近、思うのですが、SNSってつまらないことをおもしろくするというツール、みたいに言えるのかなあと。例えば、夜更けに仕事して、小腹が空いてお湯を沸かして3分待ってカップラーメンを食べるという行為がある。そんなん別に楽しくなかったと思うんですよね、昔は。ただ、今日、経理の仕事を終えて、晩飯の残りでチーズリゾットをパッと作って、いい感じに写真撮って、夜食ですってInstagramにハッシュタグつけて投稿すると、世界中の色々な人からいいねつく、みたいな。これ割と楽しいですよね。別にいいねに価値ないじゃん、って話でもあるんですけど、カップラーメンを厳かに食べるより、愉快ですよね。なんかそんなことじゃないかなあと思ったんですよね、SNSの価値。
例えば一人で考えごとするのも、あんまり楽しくないって言うか、ある意味、ストイックですよね。ノートと向き合っていても、そんな楽しくない。ただ、これ写真撮ってFacebookに投稿したりすると、ちょっと反応あったりコメントついたりして面白かったりしますよね。そのまま放置していると、極めて個人的なことというか、なんか日々の生活って極めて私小説的なんだけど、SNSってオーディエンスを抱えると、割とつまんないことでも面白くできたりする。そんなことじゃないかなあという気がします。
洗濯物たたむとか、お米研ぐとか、掃除機かけるとか、買い物に行くとか、日々の生活ではしないといけないことあって、その上で仕事とかもあって、ただその他の別に楽しくもない時間にをちょっとおもしろいことにできるってのは良いんじゃないかなあと思うんですよね。
自炊とか、一人旅とか、作文とか、まあ一人でやってるとそんな楽しくないよね、みたいなこともSNSあるとちょっと楽しいんですよね。
「面白きこともなき世を面白く、住みなすものは心なりけり」って幕末に高杉晋作が言ってましたが。
SNSって別にカッコつけとか、得意気になることに目的あるんじゃなくて、これじゃないかなあと思うんですよね。普通にやるとつまんないかもなあみたいなことも、ちょっとおもしろくなるよ、という。
何となく、10年ほど使ってみたら、SNSは高杉晋作だったな、って思ったりしました。

加藤 康祐 / 企画・設計
プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。
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フリーランスとして働き始めるってどういうことだったのか?フリーランスとして働くってどういうことなのか?フリーランスが目指すことってなんなのか?5年間の自分の経験から書きました。(2010年執筆)