2017/9/13

仕事と福祉

福祉って言葉についての印象どうでしょうか。もともと僕はすごくこういったことに関心があったわけではなく、おそらく社会人になるまではあまり意識もしていなかったんじゃないかなあと思います。仕事の分野としても、学習の分野としても、あまり関心がなかった気がするし、それまではあまりパーソナルな経験、例えば介護なんかもありませんでした。僕がそういうことを意識するようになったのは30歳近くなってからでしょうか。

一方、たまたまなのかなんなのか僕の周りには言わば福祉の領域に取り組む友人・知人が多く、これはソーシャル・ビジネスの盛り上がり、みたいなことも関係あるのだろうと思うのだけれども、特に周囲はあんまりソトコトとか載らなそうな「ガチ福祉」っぽいプロジェクトが多くて、何となくつかず離れず、友達手伝ってたのが気がつけば福祉って言葉との距離感が大分縮んだのかもなとか思いました。ほんと、昔、興味なかったなあ、と思い返しています。

福祉というのは平たく言うと「困っている人を支えるシステム」なのかなあと思うのだけれども、正確な定義はこんな感じらしい。

福祉 – Wikipedia

福祉(ふくし、英: Welfare)とは、「しあわせ」や「ゆたかさ」を意味する言葉であり、すべての市民に最低限の幸福と社会的援助を提供するという理念を指す。

例えば、学生時代以来の友人がやっている農スクールでは、働きたくても働けない、働く意欲を持てない人たちと、農業界のマッチングをしています。5年間実行委員として携わったカナエールは、親を頼れない子どもたちの奨学金によるサポートを行うプロジェクトでした。その運営元のブリッジフォースマイルでは主に今ネット周りのサポートをしています。後は日本を飛び出てネパールで雇用を生み出しているコスメブランド、Lalitpur。あと最近個人的な寄付会員としてsoarというウェブメディアも。

知り合い見渡すと、親を頼れない子どもと社会人のつながりの構築に取り組むプロジェクトとか、Welfare Tradeと言って福祉とデザインをかけ合わせて価値を高めて就労環境を良くしようという取り組みとか、実際に福祉施設のスタッフとして働く人とか、あと近所の作業所を兼ねたコーヒー焙煎所などもあって、なんかホント周囲に色々あるなって思うんですよね、福祉。ご縁で釜石の作業所に出張レクチャーに連れて行っていただいたり。社会人になるまで福祉ということをあまり意識してなかったのがホント不思議だ(意識低かった)。

専門的に取り組んでる人には到底及ばないのだけれど、代わりに色々な取り組みでそれぞれの話を聞く機会に恵まれて来たので(まあ僕の仕事コモディティなので)、少し横断的に見えるようになって来ているのかなとも思います。

一方で、僕の仕事は福祉領域の仕事ではないのと、なかなかガッツリやるには1人で仕事しているので、時間が割けなかったり、コストが見合わなかったりということもあります。なので、本当に必要な時だけ、集中して手伝ったり、ある程度絞って、重点的に手伝ったり、全体のETの仕事の中で、ある程度のボリュームにしておかないと仕事回らないということもあります。実際、福祉関係の仕事来て、条件折り合わなくて気まずい、とか結構残念だったりするので(そういうことも過去にありました)、よく考えながら関わっていかないといけないな、というところでもあります。

ただやはり、営利の分野で培った経験が、福祉の分野で活きるみたいなことはあって、そういうことはダイナミックだと思うし、やりがいもあるので、なんとなく継続的に関わっていきたいなということではあるのと、ソーシャル・インパクトって言葉が出て来て久しいけど、「社会をより良くする」みたいなことを手元の仕事の先に描きやすい領域ではありますよね、福祉。特に得意な部分だけを依頼されることが多い、というのも機能しやすいポイントだと思うのだけど。

なんでこんな話書こうと思ったのかというと、たわしもらったんですよね。これ、福祉作業所で作られてるもので。

IMG_9670

僕自身、福祉の分野の人ではないけれど、ETとして、個人のボランティアとして、何となく「福祉を広げる」とか、「福祉を広める」みたいなことに関わって来て、もうちょっと身の回りに福祉ってあっても良いのかも知れないよなーと思うんですよね。

なんか、福祉という言葉にポジティブにアプローチしていくと、面白くなるのかなあ、みたいな感じしている。最先端のテクノロジーを持ち込むとか、エッジの効いたクリエイティブ持ち込む、みたいな話にならなくても、地味に地道にやって、効果出そうなことまだまだありそうだよなあという。

加藤 康祐 / 企画・設計

プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。

加藤康祐企画設計

是非、フォローしてください!
Twitter / Instagram

(2012-10-5)
売り上げランキング: 14,705
100円