2016/7/10

映画『さとにきたらええやん』と巣立ちプロジェクトの話

先日、『さとにきたらええやん』という映画を観て来ました。大阪市西成区釜ヶ崎、「日雇い労働者の街」と呼ばれて来た場所で、38年間、活動を続ける「子どもの里」を舞台にしたドキュメンタリー、というより記録映画です。そこでの日常の様々な出来事が丁寧に映し出されて、子どもや、子どもたちと接する大人の言葉や表情に人の優しさを感じました。良い映画でした。

なんか二晩くらい置いて、今思うのは、「恵まれている」、ということと、「恵まれていない」、ということって、どういうことなんだろう、みたいに少し思いました。なんか色々引っくるめて「恵まれている」とか「恵まれていない」とか、なんだかやっぱり乱暴な話で、1つ1つのことを丁寧に考えていけると良いのだろうな、という気がしました。あまり僕の感想を並べるのも野暮だなあ、という感じもしたので、トレーラー観て興味が沸いた人はぜひぜひ映画行ってみてください。

映画『さとにきたらええやん』公式サイト

あまり説明的な映画ではなかったのですが、当日販売されていたパンフレットの内容が充実しており、好きなくだりがありました。

「なんでこんなところで子どもの施設をやってるんですか?」といきなり来て無礼な質問を繰り返していたら「子どもが好きやからです!」と一蹴されました。

この日はカナエールのメンバーと一緒だったのですが、カナエールを終えて、プロジェクトに関わるエンパワのボランティアの中には、児童養護施設を退所し、一人暮らしを始める子どもたちの自立をサポートする「巣立ちプロジェクト」にこれから関わる人も多いようです。ブリッジフォースマイルが発行している自立支援白書の説明文を少し引用します。

施設退所後の自活に備えるためのプログラムです。B4S創設の翌年に7名の参加者でスタートした巣立ちプロジェクトは、今では参加者100名を超えています。児童養護施設の子どもたちは、高校卒業と同時に施設を出なくてはなりません。多くの子どもが、頼れる大人もないまま一人暮らしを余儀なくされます。6回のセミナーでは、一人暮らしに必要な知識とスキルを学びます。

セミナーにはいくつかの施設から高校生が集まり、ほぼ同人数の社会人ボランティアがサポートします。知識を学ぶ場であると同時に、初対面の人々と関係を築くことを学び、退所後に繋がる仲間を作る場にもなっています。また、コミュニケーションが苦手だったり、不安を抱える高校生には、毎回のセミナー終了後、社会人ボランティアが個別面談をするコッコサポート制度を設けています。

退所後の資金のためにアルバイトに忙しい高校生も少なくありません。そんな高校生にとってセミナーに参加する時間を作るのは大変です。そこでセミナーの時間を時給1,000円で換算し、金額分のポイントがもらえる仕組みを取り入れています。ポイントはセミナー終了後、生活必需品と交換できます。

具体的なプログラムの内容はこんな感じ。

第1回 自己PRの方法、就職活動・面接対策
第2回 マナー、コミュニケーション・スキル
第3回 生活・健康管理、性教育
第4回 アパート探し、引越し準備、初契約手続き、悪徳商法対策
第5回 金銭管理、社会保険・税金、トラブル対策
第6回 ポジティブシンキング、未来日記

8月から1月にかけて、月1回のセミナーが実施されます。ちょうど今晩のニュースZEROでも、ブリッジフォースマイルが取材協力した内容が取り上げられるそうです。ここで「子どもが好きやからです!」というのを思い出すのだけど、カナエールやブリッジフォースマイルの活動に関わる人の多くって、結局、ここなのかな、などとも思ったりしました。

現在、巣立ちプロジェクトでは、ボランティアの方々を募集しています。詳細な説明はブリッジフォースマイルのWebサイトにありますので、是非見てみてください。今月、何回かの日程で説明会が行われます。

巣立ちプロジェクト | Bridge For Smile(ブリッジフォースマイル)

僕自身はたまに周囲からも「子どもに直接関わらなくて良いのですか?」と聞かれるのですが(これを多分一番聞かれながら関わってる人)、色々な役回りがあって良いのではないかなと思っています。子どもと直接関わることに強い情熱を持っている人が多くいるから、僕はそうじゃないところやるので大丈夫、ということなのかも。まあただ、たまたま前段の映画観る前に、街で奨学生の1人にばったり遭遇する機会があって、目合わせたら向こうも笑顔だったので少し話して嬉しかったし、その話仲間にその話したら喜んでたので、それくらいのことでも結構関わってることの感触ってあるってことで良いのかなとかとも思いました。積極的に直接子どもと関わらなくても、そういうちょっと良いことはちょくちょくあって。

なんかそういう子どもと自分の関わりを久し振りにのんびり考えながら過ごしている週末です。

加藤 康祐 / 企画・設計

プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。

加藤康祐企画設計

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