2016/2/28

「結局、何やってるんですか?」という話

「結局、何やってるんですか?」ってのは、よく聞かれる質問。久し振りに会う、友人や先輩後輩に聞かれるのは元より、NPOのプロジェクトでも聞かれていたし、新しい職場でも聞かれるし、別に何ら隠し立てをするつもりはないのだけれど、なあんか、「結局、何をやっているか?」と「結局」にまとめづらい仕事をしているのだと思います。そこにわかり辛さがある。ただ、そんなこと言っても埒が明かないので、鉄板は「Webの仕事をしています」です。旅先で友人に地元の方達に紹介いただく時にも「Webの仕事している人で良いよ」と言っていたし、昨日も久し振りの親族と会って「コースケ何やってるんだっけ?」と聞かれたので、「Webの仕事をしてます」と答えていて、まあこれは何と言うか脊髄反射でそう答えるように訓練している。

例えば、ETのWebサイトにあるメニューとしては「企画・コンサルティング」、「WEBデザイン」、「グラフィックデザイン」、「編集・執筆」、「撮影」みたいに書いてあるけど、これもひどく便宜的なもの。ここにあてはまらないものはやらないかって言うと、全然そんなことはないわけで、じゃあなんでもやれるかって言うと、なんでもやれるわけではない。ただ、なんでもやれるわけじゃないわけだど、なんでもやらなきゃいけない。僕が言う「なんでも屋」(Webの仕事をしてます、の次によく言う)は、なんでもやれるわけではなくて、なんでもやらなきゃいけない仕事だというだけ。でも、実はこれ会社組織でも同じで、部署や配属や担当があっても、それぞれに雑多な業務って存在しますよね。なんか言葉のマジックがあって、フリーランスだから、プロフェッショナルだから、って言うと雑多じゃない仕事っぽいのだけど、自分の面倒は自分で見なければいけないので、仕事は笑えるくらいに雑多になります。

でまあ、雑多です、って言うと、本当にとりとめのない話にしかならないのだけど、来月、少し自分の仕事に関してお話をする機会がある予定で、プレゼン作ったら20ページ超えたので(いつも営業資料1ページで済ます人なので、久し振りに並んだなあという感じがする)、良い機会だと思い、少し最近の自分の仕事について書いておこうと思いました。具体的なものと抽象的なものと混ぜこぜになりそうだけれども。

えと菜園オンラインショップのリニューアルプロジェクト

えと菜園との付き合いは長くて、なんせ立ち上げからだから。2009年6月とあるから、もう7年とかになるし、そもそもが大学時代から、あれやりたいこれやりたいみたいな話していたので、ここの仕事はよくわかっている。ただ、これまでオンラインショップはすごい大事とは言いつつも僕は直接手伝っていなかったのですが、今年に入ってデザイン改修をやりたい、ただし、社内の制作チームと一緒にということで話をもらって、テコ入れをすることになりました。

九州・熊本県から産地直送 自然栽培(無肥料・農薬不使用)米、有機小麦粉、有機大豆、有機雑穀-えと菜園オンラインショップ

今の熊本の制作チームの方々とは顔合わせたことなくて、リモートでのプロジェクト・マネージメントとディレクション、くらいの業務内容。最初にGoogleスプレッドシートに現状のWebサイトの問題点をダダーッとリスト化して、タスクリスト化して担当を振って、優先順位の差配をしながら、ステータス管理しながら、内容のチェックを挟みながら進めました(これ、実は昨年ラグビーのニュージーランド大使杯の実行委員会で試したやり方)。リモートと言っても、クラウド活用してってリモートワークとは程遠くて、スプレッドシートとメール(だからエクセルとメールですよね)という割とオーソドックスな座組でやってみたのだけれど、これはこれでありだなと。

2ヶ月という期間を予め決めていたので、仕事のペースを見つつ、どこからどこまでやれそうで、だったら何から何まで伝えなきゃいけないか、イメージをしながらチームの皆さんとメールでやり取りして、ECなので、スモールリリースを重ねつつ、昨日くらいでリニューアルした、ってことで良いかもね、というところまで。良い雰囲気の中でやれたと思います。結局、外部から入ってきた奴が、必要性があろうとも、今まで回ってたエコシステム壊してしまったら元の木阿弥なので、いかに納得感のある形で、これまでやって来れなかったことを、自律的にやってもらいながら、勘所をおさえていくか、みたいなことをやっていました。

アライド・アーキテクツでのUXデザインの仕事

去年の終わり頃からアライド・アーキテクツさんでUXデザインの仕事をしています。ETの仕事というと、提案して受託して制作して納品するという仕事が多かったのだけど、前段のえと菜園の仕事よりもっとはっきりプロジェクトのスタッフとして社内の仕事にアサインしてもらっています(言っても、時間は限られているけど)。UXデザインの仕事の説明を始めるとそれはそれで長くなっちゃうのだけど、大きく言うと設計の仕事をしています。あんまり「Webデザインの仕事」ってこれまで僕が言って来たこととは、ちょっと内容が違うかも知れない。

サービスというものをビジネスとテクノロジーとクリエイティブの3本柱に分解した時に、何となく真ん中へんにポツンとしているのが僕の今の仕事です。なので、ビジネスの人たちとも話すし、エンジニアの人たちとも話すし、勿論、デザイナーの人たちとも話します。BtoBtoCのサービスを担当しているので、「UXデザイン」だから言わばユーザですよね、ユーザの経験をデザインする、ってことでは済まなくて、ユーザ、クライアントの担当者の方、そこに営業する人、それを運用・コンサルする人、クライアントの顧客などなど、社内外の様々なステークホルダーをイメージしながら、状況や問題や与件を整理して、ビジネスやテクノロジーやクリエイティブの人たちと話しながら設計に落としていく仕事、みたいに説明すれば良いのだろうか。かなりダイナミックな仕事だなと思いながらやっています。

そういう仕事もアサインされた最初から明確に決まっていたというよりは、一緒に動いていく中で、この辺を重点的にやることにしましょう、ということにしていただいた感じで、僕としても願ったり叶ったりだったりします。ETは基本的にビジネスとテクノロジーとクリエイティブの3つに立脚しながら、但し、事業会社ではないわけだけれども、そういう機能は常に持ち得ないといけなかったので、今の仕事はある意味で一人会社で仕事をして来たことを一番活かせる仕事なのではないかなと思っています。

どの分野においても社内のプロの方には届かないから、そのちょうど中間にいて、うちの小回りの効く感じとか活かしながら(だからあんまり普段の仕事と役回り違う気もしないんだよな)、ただし、カルチャーとか方法論とかビジネスマインドとか勉強させてもらいながら、少しずつ少しずつ新しい環境での仕事を覚えながらやっています。いくつか僕に仕事が来るチャンネルがあって、タスクごとに違うチームで動いたりもしていて、その辺も組織でやる楽しさだろうか。面白いですよ、色々。

カナエールの外部機能としてのET

最後に少しカナエールの話を。今年はプロジェクトの外に出てきちゃいました。その辺の話はETのサイトのお知らせ欄にまとめていて、これが全て。

カナエール 2016 夢スピーチコンテストについて | ET, Inc. / 株式会社イーティー

なので、今年は現場にも行っていないし、昨年一昨年みたいな実行委員としての仕事もしていません。まあただ仕事しません、というわけでもなくて、うちでやらなきゃいけないことはちょいちょいやるみたいな感じです。事業体としてカナエールを運営するブリッジフォースマイルとETの間には小さな仕事がカナエール以外にもちょいちょいあって、例えば、巣立ちプロジェクトという施設を巣立つ子どもたちをサポートするプロジェクトで、生活必需品と子どもたちのニーズをマッチングするための仕組みとかをNPOで最小限のコストで自律的に運用できる形で用意する、みたいなことを最近はやりました(そんな大層な仕組みでもないのだが)。カナエールでもWebリニューアルは昨年ETとして請けていて、プロジェクトで運用するのを前提にしつつ、デザイン入るところとか、少し混みいったシステムの機能とか使う辺りをフォローしています。

一方で、2年間やったカメラマンとか、昨年導入やったChromebookとか、もう今年は預けた仕事も多く、メインの仕事だったプロモーションも一線は退いて(なんか引退したジジイみたいだな)、外部からどうサポートできるか、というところに僕のマインドセットも切り替えていて、逆に言うと3年目の挑戦はそこなのかなあ、って気がしています。まあなんかでも、特に仕事ないかもな、とも思っている。

実はカナエールというプロジェクトは僕が組織の仕事に体ごと突っ込んだ初めての仕事で(このプロジェクト、関わる人の人数すごい、ボランティア、事務局、実行委員、スポンサー、サポーターなどなど)、今日、説明して来た、えと菜園やアライド・アーキテクツでの仕事の前段にあたるのですよね。まあだから、今の仕事にも活きている部分があるし、逆に外からスポットで手伝うってのはうちの本来の仕事のやり方ではあるので、その辺はうまいこと環境切り替わりつつ、回せるんじゃないかなあと思っています。

まあ社会貢献畑は、まだまだ解決するべき問題が色々あるから面白いですよね。東京・横浜でセットアップして来たやり方を他の場所でも機能させる、みたいなこともやるのかなあとか(福岡は僕の仕事仲間もいますし)、NPOに寄付するということ自体のUXデザインをもうちょっと考えられないだろうかとか、これまでやって来てない、プロジェクトでタスク化されてないことで、もしかしたら、やった方が良いかも知れないこと、みたいなのはあって、まあただやんなくて良いことやってもしょうがないので、プロジェクトとして実際に動かす必然性が出て来た時に、やることあるのかもな、という気がします。

まとめ

他にもETとして今日挙げた以外に色々な仕事があって、今までのようにWordPressを活用したコーポレイトサイトやランディングページの制作の仕事もあるし(数年前まではWordPress屋さんだって言ってガツガツ作っていたわけで)、月次でWebサイトの運用をフォローしている仕事もあるし、ECとかプロモーションとか採用とかコンバージョンがあることに対して僕のできることサポートしていくような仕事もあるし、もうなんかよくわからないけどよくわからないからとりあえず相談乗って、みたいな話もあって、「結局、何やってるんですか?」って言うと、相変わらず節操がないなという感じはします。

ただ「The Incentive Engine」といううちの基本的なコンセプトはどこに行ってもどんな関わり方であっても変わらないし、あと、ETという会社自体は「僕ができることしかできない会社」ではあるので、僕が成長しないとサービスの向上ないわけで、仕事の質を高める努力は相変わらずし続けなきゃいけないなあと思います。逆に言うと、自分のスペック上がれば、もっと面白い仕事できる、ということでもあるわけで、その辺の構造はシンプルで良いもの。

最近、僕の周囲はめまぐるしく変わっていて、フリーランスを続ける人もいれば、新しいキャリアを選ぶ人もいれば、スタートアップで勝負をしている人もいるし、新しい土地で仕事を作っている人もいて、周囲を見渡すと、とても面白い環境にいるなと思います。どこからどこまでを自分がいる環境と見るか、って人によってまちまちだと思っていて、組織を環境と見る人もいれば、業界を環境と見る人もいれば、プロジェクト単位かも知れないし、逆にフォーカスしている対象かも知れないし、広く社会という人もいるのだろうなと思います。

ETのWebサイトに書いてあるけど:

大事なものは、手の届く範囲に、足の及ぶ範囲にまだまだたくさんある。広く世の役に立ちたいとは思わないけれど、大事なものの役には立ちたい。

うちはこんな按配のスケール感が「環境」に対する捉え方で、「手の届く範囲、足の及ぶ範囲」なわけだけれど、面白いプロジェクト抱えながら、面白い人たちと並走しながら、「何やってるんですか?」って問われ続けながら、新しい仕事を作っていけたらなあと思います。

やれることはまだまだたくさんあるなあと。そんな感じの昨今です。

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