2016/1/24

『UX Strategy: How to Devise Innovative Digital Products that People Want』 Jaime Levy – 走るためのUXデザイン

これ多分、読まなきゃいけない本だなあと思っていて、英語の本なのですが、しかもO’RELLYの本なのですが(久し振りに買った)、のんびり雑にでしたが、読みました。タイトル日本語に翻訳すると、「ユーザの経験に対する戦略」ということですよね。ただこれ、すごく最近の問題意識と通じるところが大きかった。

例えばUXデザインの手法として、ペルソナとかユーザ・インタビューとかストーリーボードとかジャーニーマップとかビジネスモデル・キャンバスとか、色々あるわけですが、UXデザイナーがUXデザインして、UIデザイナーがUIデザインして、完成物ができあがりました、納めます、で終わりで良いのだっけ?というのがずっとありました。この本良くて、ファネルの話とかアナリティクスの話とか、グロースハックにあたるような、ちゃんとPDCA回すところまでの話になってて、割と頭の方の手法が話題になっていた昨今だけど、尾っぽの方をないがしろにすると、作るためのUXデザインはできても、走るためのUXデザインにならないなという感じで。

前に「UXデザインとUXアナリティクス – 『新しいアナリティクスの教科書』」ということで本のレビューをしましたが、ここで言ってることとかそうで、走らせるフェイズだと特にUXを数字見ながら考える必要あって、これかなり面白いです。例えば去年カナエールのWebリニューアル後には、デザインとコンテクストとコンバージョンを、サイト内のAnalyticsと実際の申し込みの数字とを随時見ながら改変・更新をやっていて、特にWebでのプロモーションを通じたコンバージョンの達成のためには、デザイン以上に、コンテンツの内容も問われるわけなのだけれど、動機付けから咀嚼・喚起、意思決定、申込までのレートとプロセスでの離脱率見ながら、より良いものにブラッシュアップするべくPDCAを回して、期日までにゴールに到達するよう頑張る、みたいなことやってて、かなり色々なヒントをもらいました。

ファネルにおける離脱率が顕著な部分は、ジャーニーマップにおけるどこにあたって、ビジネスと照らし合わせた時に何を改善するべきで、そこにはどんなユーザ体験があって、それをどう理解して、うにょうにょ、って言う風に逆回しでUXデザインが始まるようなことも現場には多いと思うんですよね。新しいプロダクトを生み出す、こと以外では、そういうプロセスの方がむしろ世の中的に多いのではないか。この辺、今、面白いなと思って取り組んでいる分野だったりします。

Kindleで買ったので、iPadに入れっぱなしにしておこうと思います。要件整理の手法は何もUXデザインの分野だけでなく、あらゆる分野に手法があると思っていて、UXデザインで話題になっている方法論のみに強い執着はないのですが、このUX Strategyにあったような、一連の流れは、サービスの開発・運用・顧客対応などにある様々な声やデータを収集して、それらを上手にマッピングしながらUXに落としていくような、走り続けるためのUXデザインには重要な考え方じゃないかなあと思いました。

与件としての数字と結果としての数字とに挟まれながら、その間でゴニョゴニョしつつインターバルラン的にロジカルにデザインやる、みたいなのは面白いなと最近改めて思っています。

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