2015/10/14

『山本美香という生き方』 山本美香 日本テレビ

「山本美香さんのようなジャーナリストになりたい」という話を聞いた時に、山本美香さんについてよくわかっていないな、と気づき、何か読もうと思っていたのだけれど、こないだふと思い出して取り寄せてみました。ご存知の人は多い方だと思うのだけども。

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ご本人が書いたものの方が良いかとも思ったのだけど、事前知識もほとんどないし、まず一番わかりやすそうなものをということでこれを選んだのですが、ほとんどは「中継されなかったバグダッド」という山本さんの原稿が占めており、その前後をパートナーの佐藤和孝さんへのヒアリングなどが埋める形で、初めて読む本としてはとても良かったように思いました。

「山本美香さんのようなジャーナリストになりたい」の「ような」がもう少し輪郭はっきりした感じがしました。

戦場に赴くカメラマンとは大分違うけれど、読み終わって思ったのは、3年ほど撮ったカナエールのプログラムのことでした。最初にスピーチコンテストの撮影に呼ばれた時に、リハーサルのスピーチの内容を聞いて、すごいところに来てしまった、という感じがあったのを覚えています。そもそも素人カメラマンなのですが、どこまで踏み込んで良いのか、暗中模索という感じでした。

それから2年ほど、プログラムの撮影をしましたが、カメラ持ってると色々考えさせられることがあります。「そもそも撮られるの嫌なのではないか」とか、「カメラを向けられるのに違和感があるのではないか」とか、「この空気で撮っていいのか」とか、「撮られてることを妙に意識されてないか」とか、子どもにレンズ向けてる時に考えることもあるし、「撮られて嫌な思いをするものは撮りたくない」とか、「撮ることが現場の妨げになるのは良くない」とか、ホントなんか色々。一眼レフのレンズが自分に向く、ってのはある意味での攻撃性があるので、意識がこちらに向いた時って結構なレスポンスがあるんですよね。

最終的に僕のやり方というのは、必要以上に子どもとの距離を縮めない、という感じでした。写真を撮ってる場の登場人物の1人に僕がならない、という。子どもとすごく仲良くなって、カメラに向かって良い笑顔をしてもらう、みたいなことはできなかったなあと。この辺、1人で撮っていなかったので、撮影仲間に助けられたところが大きいです。

ただ、やっぱり普段取材で撮影しますとか、そういうこととは決定的に違って、もう少しセンシティブなものを撮ってるし、もう少しナイーブに撮ってる感じがあって、現場に自分をどう置くか、ということを、しばしば考えてたなあということを思い起こしていました。繰り言だけど、山本さんのそれとは随分違うのだけれども。強烈な使命感を持って、或いは憤りを持って、命の危険を晒して、現場に立ってるわけでもない。にして、あれだけ考えることがあるということは、ジャーナリストの人って、どれほどのことを撮ることで考えてるんだろうなあとか、そういうことを考えた読後でした。

読んどいて良かった本でした。

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加藤 康祐 / 企画・設計

1980年1月12日生まれ。1998年よりデザイン会社のパートタイムアシスタントとしてWeb制作を経験。2005年に独立、フリーランスとして、企業、個人、NPO、独立行政法人など、様々な領域でのITやデザインによるサポート業務に携わる。2018年、加藤康祐企画設計を開業。これまでの経験を活かし、より広い視野でクライアントの問題解決に取り組み、クライアントと一緒になって新しい価値創出をし、平静な社会の実現を目指す。

加藤康祐企画設計

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