2015/9/29

イトナブのデジタルキャラクターワークショップ – デザイナーとエンジニアのダブル・メジャーで場を作る

あまり多くはないですが、子どもに向けたデジタルを活用したワークショップは何回か見学したことあるのですけど、今回色々面白かったので、レポートしておこうと思います。石巻に行って、イトナブのデジタルキャラクターワークショップというのを見学して来ました。

子どもたちが、予めシェイプが塗り絵のように描かれた枠の中に思い思いのキャラクターを描いて、それが声や動きがついて、タブレットアプリの中で自分で動かせるというもの。

子どもは僕がいた時点で12人ほど、デザイナーのナナちゃん、エンジニアのとみぎを中心に、スタッフ6名ほど。塗り絵をするのが楽しそうな子がいれば、早くタブレットを触りたそうな子もいて、楽しそうな現場でした。

結構、ワークフローが検討されてるなあという感じがして、アナログの絵をスキャナで読み込んで、用意してある枠に沿ってPhotoshop側で用意してあるマスクでトリミング、PNGで書き出して、エンジニアに受け渡し、それをナンバリングしたファイル名つけてオプションの値(キャラクター名とか、動きとか、声とか)XMLファイルのようなものにまとめてアプリ側に読み込んで、実際にゲームの中で動くように実装するライブコーディングでした(現場忙しそうだったので、あんまりフローについてヒアリングしなかったのですけどこんなイメージ)。

確かに子どもたち向けに「デジタルだけ」のワークショップって結構ハードル高いような気もしていて、ただ、以前、NPOが企業と協同でやっていたワークショップを見学した時には、アナログのワークショップが第一部、デジタルのワークショップが第二部、というような構成だったので、それと比べるとアナログとデジタルの境界線がもっとボヤケてて面白いなと思いました。

僕がやっているWeb制作もそうだけれど、モノづくりの最小ユニットって多くがデザイナーとエンジニアのコンビかなあという気がするのですが、今回見ていてワークフローがとてもスムーズだったのが印象的でした。準備にも時間かかってそうだったのと、相当「イメトレ」もしたんだろうなあと思いました。

まあただ、現場はナマモノ。

作ったプログラムに子どもたちが同じ目的に向かって楽しんでくれるかというとやっぱり難しくて、いたずらしてる子もいれば、タブレットで他のゲーム見つけちゃった子もいて、そういうのも含めて「場」だなあと思うのだけれど、そういうある意味で決まったゴールがない場で、どういうプログラムがどういう機能の仕方をすれば一番良いのかなあ、みたいなことを夜2人と酒飲みながら少し話していました。

記憶に残るということだろうな。子どもにとって残るいくつかの記憶の中に、そういうことがあれば、もう少し時が経ってはたと振り返った時に、そういうのが新しい何かの動機付けになったりするのだろうななどと思いました。僕も全然ITじゃないですけど、そういう経験はあったし(技術の授業で足踏み式の糸のこ使ったとか、そういうのですね)。

そう言えば、昨日こんな記事を見ました。

世界最先端の教育はこんなことになっている!  日本とは何もかもが絶望的に違う・・・  | 田村耕太郎「シンガポール発 ASEAN6億人市場が世界を動かす!」 | 現代ビジネス [講談社]

僕はこれあまり絶望的じゃないと思うんですよね。教育というのはスポットというより、日々連綿と繰り返され続けて意味を為すことで、現場に張り付くプロの教育者の仕事だと思っています。最先端を経験させることや、タレント性の高い講師を世界中から呼び集めてくることではない。

一方で、「経験」という意味での、だから「記憶に残る体験」という意味でのそれは価値があると思っていて、僕も中学時代に安西祐一郎さんの講演を聞いて、「ダブル・メジャー」の話をうかがった時に、世界が大分拓けた感じがした、みたいなことはあります。

ああ、だから今回のワークショップ、デザインとエンジニアリングのダブル・メジャーですよね。2人でコンビ打ちするということが。そう考えると、こういうダブル・メジャーによるワークショップ、みたいなことで場作りを考えると、シングルイシューのものより、まだまだ可能性がありそうです。というかシングル・イシューのことに対してダブル・メジャーで取り組んだ感じか。

その上で、普段から仕事してる仲間だから、スムーズにフローを描いて、実行できるということがあるのだろうと。

これからもこういう複数の専門性の掛け合わせで、新しい「場」が生まれていく可能性はありそうだなあというところに、何か希望を感じた見学だったのです。ありがとうございました。

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加藤 康祐 / 企画・設計

1980年1月12日生まれ。フリーランス歴15年。プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。学生時代にデザイン会社でWebデザインを経験。2005年よりフリーランスとしてキャリアスタート。これまでに個人から上場企業まで、100以上のクライアントとのプロジェクトを経験。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの編集・運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート等。趣味はラグビーと料理。Keep the head up, Bind tight & Stay low.

加藤康祐企画設計

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