2015/9/21

企画とデータ – 企画の手応えとその粒度 – スポーツとDevOpsなどを考えつつ

データ、と言われるとどういう印象があるでしょうか。データ、データ、と言われると、訝しむ人もいそうですが、僕はデータというのはとても大事だと思っていて、ただ、データと言っても色々だと思うのですが、特に今回は企画、ということについて考えてみたいと思います。

企画を立てる時に、マーケティング・リサーチをする、市場調査をするのだ、ということは多いかと思うのですが、僕はここのデータは実は「あんまり」重要ではないと思っています。最初に企画を立てる時、つまり仮説を構築する時に、サポーティング・パラグラフになることはあっても、それが「正しさそのもの」になることはあまりなく(つまり正鵠を得ているかということですね)、あくまでも下調べ、なんですね。むしろ、ロジックと、あとこれ大事なのだと思うのですけど「勘」ですよね。ロジックが正しいだけではなくて、そのロジックが「筋が良い」必要があるわけで、その「筋の良さ」を支えるのは「勘」で、これ経験則とも企画力とも言えるけれど、まず以って「勘」。

その上で、データはどこに登場するのかというと、だから企画が遂行される過程で、どのように影響を及ぼすか、及ぼしたか、という「手応え」なのだと思います。必ずしもそれは「データ」の形を取らないこともあるけれど(そしてデータ化されないことに大事な要素が含まれている場合もあるけれど)、多くの場合、数値化できるもので、KPIという言葉が使われるようになって久しいですし、グロースハックという言葉も大分聞くようになったけれど、データを見れることの意味は大きい。

特に僕が多く関わるWebの世界はGoogle Analyticsを初めとして様々な解析ツールに恵まれているし、その先にある実際の売上、コンバージョンまで可視化できることも多い。

つまり企画を企画するってのは言わば「つぶやき」なんですよね。「独り言」。

その上で、企画の「手応え」を確かめられたら次にあるのは「カイゼン」ですよね。ここで仮設構築にデータが大いに介入するようになる。真っさらな状態からの「ファースト・アタック」は、仮説構築がどれくらい筋が良いかというのが大事だけど、2周目からは仮説検証がきちんとできているかということと、それがきちんと次のアクションにフィードバックできているか、ということが大事になって来るわけで。だから「データ」を見れることは大事で、この繰り返しで精度や確度を上げていくのが、言わば「企画を走らせる」ということだと思います。

閑話休題。現在行われているラグビーワールドカップで、日本が南アフリカとの試合に勝利したことは遅れ馳せながら再放送で試合の模様を見てただただすごいなと思いましたが、スコットランド戦に向けて修正するべき点も多い、という選手のコメントを目にしました。言ってしまえば、当たり前の話なのだけれど、一戦目、さっき書いた「ファースト・アタック」つまり緒戦ですよね(その前の準備期間というのもあるけれど、ワールドカップを企画の遂行期間と見た時に)、仮説構築の勘、その筋の良さ、つまり采配が企画としては試されるわけだけど、2戦目からは仮説検証のループに入ってくるわけですよね。つまり事前のデータ分析だけでなく、自身の企画の手応え、しばしばデータに基づく検証をアクションプランにフィードバックできるフェイズに入って来る。

だから、スポーツとか、試合ごとに見ても、試合中の細かな判断を見ても、DevOpsが行われているという風に考えられるのかなとも思います。新しく準備するDevelopmentと、準備されたことを遂行するOperation。これがセットになっている。

大きなマネージメントの話になると、KPIで中長期的に考えるのだろうけれど、Webでも細かい修正はAnalyticsの要所要所の数字を見ながら、そのパフォーマンスを上げるためにはどういう施策が必要なのかという企画立案の繰り返しになって来るわけで、逆に言うと、企画を立てるために、データ分析で可視化できる数値、というのを把握したうえで企画できてる方が、より「筋が良くなる」とも言えるのではないかと思います(それで全てをカバーできないことも前提として)。

これって結局、「これやったらあの人は笑顔になるだろうか」、という話と本質的には変わらない気がしていて、じゃあAnalyticsの数値と、笑顔と、何が違うかって言うと「粒度」ですよね。粒度を細かく「手応え」を確認できるのが、データ。

多分、データ分析に秀でてる人は、データだけを見てる人「ではない」と思うんですよね。より細かい粒度まで「手応え」を把握しようとしている人、ということで、これは逆に言うと、エモーショナルな感情の機微を汲めるか、みたいなこととベクトルは違えど粒度的には対応することで、最近、ロジカルなこととエモーショナルことがああだこうだという議論もネットであったけれど、ロジカルであろうとエモーショナルであろうと、大事なのは「粒度」、つまり細やかさだと思います。

そういう風に考えると、企画することの細やかさ、とは何かというのも掴めてくるんじゃないでしょうかね。データの重要性。

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