2015/9/12

NPOバブリングとカミングアウト・コレクション – 或るギャップを埋めるもの

世にハンディキャップという言葉がありますが、カミングアウトということを考える時に、それはもう少し毛色が違う言葉で言えて、平たくギャップと言えるのではないかな、ということを思いました。そう言えば、Tokyo Super Star AwardというLGBTの啓発啓蒙をするファンディングイベントでスポンサーしていたのもGAPでした。

今年のET Luv.Lab.復帰戦、第一弾はNPOバブリング 代表理事の網谷勇気さんでした。彼らがスタートさせたNPOバブリング、その最初の大きなステージが「カミングアウト コレクション」ということなんだそう。

1011-カミングアウト コレクション- | Peatix

01:人生が変わった人びとの物語  
02:カミングアウトトークセッション    
 第1部 14:00-15:00:ヤス(児童養護施設出身)&網谷勇気(ゲイ)
 第2部 17:00-18:00:重光喬之(脳脊髄液減少症)&性分化疾患の男性
03:漫画とカミングアウト    
 いくえみ綾/中村明日美子/羅川真里茂  
04:カミングアウトBar @ Bubble Bar  
05:来場者全員に!カミングアウトの必需品プレゼント

僕も今日、初めて当日の献立を見たのですが(すいません)、児童養護施設、LGBT、難病、様々な分野のカミングアウトにフォーカスしようとしていることがわかりました。僕が取材した時も、ここまで大きな枠組での「カミングアウト」を扱うイメージはできていませんでした。

そう言えば、先日、別の方と社会福祉について少し意見交換をしていた時に、「支援は憐憫じゃできないし、続かないよね」ということをおっしゃっていました。今回の話はそもそも支援ということでもない気がしていて、おそらくこの「カミングアウト コレクション」というあけっぴろげな名前からして(網谷さん本人知ってるからこういう言い方していますが)、ハンディキャップに理解をということもあるのかも知れないけど、むしろ、ギャップ、つまり乖離を埋めるとか境界を越えるとかですよね、そういうことの「一つの解」として「カミングアウト」ということにフォーカスしているのではないかなあと思います。

ちょっと話は脱線しますが、今、『すごいインド』という本を読んでいて、そこに「ジュガール」という言葉が出て来ます。長らく計画経済下にあり、貧富の差が経済成長後も著しいインドから、今、グローバル人材を輩出し続けている一つの要因として、この「ジュガール」が挙げられています。インドの人々は昔から貧しい生活を強いられて来ました。だからこそ、必要なものが準備されていない、得られない、だから貧しい暮らしを知恵で補おうとする思考法が育まれる、これを「ジュガール」というのだそうです。決して、インドでは肯定的な意味で使われる言葉でもないのだそうですが、著者のSanjeev Sinhaさんはインドのタタ・モーターズのフルーガル(質素・倹約)・イノベーションも、その背景にこうした思考法が強く活かされてると言います。そうした思考が「個の強いインド」を作ったと。

僕はこれを読んでDIY精神でありハングリー精神でもあると感じました。その両方の要素がある。生き抜く力というか。ギャップがあるがゆえの強さというか。

世の大部分を占めないことに対して、そこに十全な用意は為されていないことがほとんどです。だから、色々な社会的な施策がある一方、やはり個は強くあることを求められる局面もありそう。網谷さんもET Luv.Lab.のインタビューでこんなことを言っていました。

ありのままに生きることって、わがままに生きることではないと思っているし、ありのままに生きるってすごい強さが必要だと思っていて、ありのままに生きることを選ぶのであれば、ありのままに生きていることを許容しないといけないから、寛容になることにも強さがいると思っている。バブリングのビジョンの中で「ありのままの自分でいることができ、あるがままの他者を受け入れられる強く寛容な社会」ということを言ってるのだけど、「強く」は絶対入れたくて、ありのままに生きるために強くなるのは、必要かなと思ってる。そういう自分と一緒に誰かがいてくれるのであれば、みんな共に生きていけるというか。

ここで言っているのは勿論、「個」の話ではない一方で、「カミングアウト」ということにも、日常で経験し得ない、意志の強さと思考の工夫、があるような気がします。「強く寛容な社会」、というのは、もう少し固い言葉にすると、そういうことに対応している気がしていて、「何かをカミングアウトする必然」を抱えていない人にとっても(誰もが何かある気もするけど)、良い機会になるのではないでしょうか。

バブリングは前身のバブルから数えるともう15年の取り組みだそうで、とは言え、まだまだ色々な人に来てもらいたく、網谷さんはじめ日々の仕事の合間を縫って告知と集客に大回転中とのことなので、興味ある人は10月11日、足を運んでみてはどうでしょうか。

1011-カミングアウト コレクション- | Peatix

最近、○○は正しい、間違っている、の話が多いけど、そうじゃなくて、1人の人の経験から、誰かが学び得ることがあるのではないか、そこから新しい話が生まれるのではないか、というアプローチは本当は一番まっとうな議論のあり方なのではないかと思っています。

というわけで、頑張ってください、バブリング。

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加藤 康祐 / 企画・設計

1980年1月12日生まれ。フリーランス歴15年。プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。学生時代にデザイン会社でWebデザインを経験。2005年よりフリーランスとしてキャリアスタート。これまでに個人から上場企業まで、100以上のクライアントとのプロジェクトを経験。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの編集・運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート等。趣味はラグビーと料理。Keep the head up, Bind tight & Stay low.

加藤康祐企画設計

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