2015/8/28

『Crafter 2015 SPRING/SUMMER クラフトの流通を考える』

この辺はあんまり仕事はできてなくて(備前焼のWebの仕事はあるにせよ)、多くの場合、趣味の世界なのだけど、Crafterという雑誌、クラフトの業界紙で面白いので買ってたのですが、今回が一番面白かった。クラフトの流通を考える。言わば、クラフトの商売の話ですね。

巻頭特集で工藤省治さんのインタビューがあって、3年くらい砥部焼の梅山窯の茶碗使ってるんだけど、そこの方でした。ご自身の窯は春秋窯。

現代砥部焼の原点・工藤省治の仕事と昭和のデザインプロジェクト | ehime F. style 「えひめ エフ. スタイル」 えひめの「生きかた」「食べかた」「暮らしかた」

今でこそ、砥部焼、多くのセレクトショップで見かけるようになったけど、昔はそうでもなかったそうで、シルクスクリーンプリントへの切り替えを検討していた時代もあったとか。砥部焼の絵付けはとても好きです。他にも八女のうなぎの寝床や、糸島のここのきなど、ユーザというか一般客として普通にお世話になってるところが出ていて、使ってるものの商売の担い手の話、というのは改めて面白いものだなと思いました。

木工家の小野寺幸裕さんという方のインタビューの中で気になる一節があって、「売り手を儲けさせるのも作り手の仕事だよ」というお師匠さんの言葉が出て来ます。これ実は、ArtもDesignもCraftも違うようで、同じ部分なんじゃないですかね。と僕は思った。全体を通じてフェアに出店することも重要だけど、どちらかというと、いくつかのお互いを尊重し合える取引先と長く付き合う、みたいな話もあって、そういうのも僕の商売とそんなに遠くないことなのかもなあという気もしました。手で作る以上、際限なく作れるものでもないですし、複数のクライアントに負荷が高すぎないない形で長く、というのは、個人単位で動く作る商売の原理原則なのかも知れない。

クラフトとか興味がない人が読んで面白いかというと、ちょっとわからないんだけれども、一般客として興味あるとすれば、その商売の話も読んで面白いだろうなという気はします、僕そうだったし。あと手仕事と言えば。

先日、そう言えば色々ご案内いただいて、一息ついて読んでたのだけど、これだけ面白いものがある、というところがクリアできてるとすると、あと売る仕組みとか、売り続けていく仕組み、とかなんだろうなあ。プロのデザイナーがこういうことに介在してるイメージがある一方で、プロのマーケッターがこういうことに介在してるのかなあ、とかぼんやり考えていた。ただ売って利益を上げること、にコミットするプロボノってテンション的に、ちょっとまたデザイナーが関わるということと違うのかもとか。かと言って数字にストリクトにならなきゃいけない分

福祉施設が作るプロダクトとか、産廃を利用したプロダクトとかも、その多くが手仕事の分野ですよね。エシカルという言葉だったり、ウェルフェアという言葉もあると思うのだけど、こういうのも、売るということは、むしろ、きちんとした取引先との関係性の継続、そのためのアプローチ、なのかも知れないですね。自前でネットショップをいかに活用して、とかじゃない可能性もある。とかこの雑誌を読んだ時にちょっと思いました。

僕みたいなSmall Businessの先人、むしろこういう分野にいるのかも、とも思いますよね。実際、陶芸家さんだって、結婚式の引出物の発注とかもあるわけで、客商売やってる部分も多い(というか、あらゆる意味で客商売だ)。

まあ、面白いと思うのです、この辺り。

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