2015/8/23

NPOのプロジェクトに関わって学べること

まあなんか、こういうのは一回書いといた方が良いのだろうなあと思ったので、色々整理してみたいと思うのだけれど、2年間、カナエール、という児童養護施設からの進学を応援する奨学金支援プログラムに実行委員として関わって、学んだなあということがいくつかあります。

社会問題の実態を知ること

実態って何か、というとつまるところ人だと思うんですよね。子どものことを知ること(実は僕はここはあまりやってない)は勿論そうだし、そこに関わってる現場の人とか、それを支えてる人とか、協力している企業とか、そういうものを知ったり、あと、わかってないなということがわかったりする。あと、これはわからないな、ということとかに気付けたりする。例えば、児童養護施設について、なかなかわからないんだけど、どこまでわかってて、どこから先がわからないか、とかがわかったりする。この辺、結構重要なことだと思います。「悲惨な現状を知る」(これも勿論大事なことだし、少なからず2年間で勉強させていただいたこともある)こと以上に社会問題とそのサラウンディングス、というものの実態がわかる。プレイヤーとして加わることによって、見聞だけではなく感触を掴めるものはあるなあと思います。

NPOの実態を知ること

ここで言う実態もやっぱり人です。カナエール運営するブリッジフォースマイルは10年超えるNPOなので、仕事仲間がNPOスタッフということになる。そういう人たちと仕事すると、僕の得手が向こうの不得手で、僕の不得手が向こうの得手で、みたいなことになって、トレードオフの中で仕事をしていくので、そこでどう優先順位が違って、仕事の価値観が違って、目指していることが違うのか、ということがわかります。僕も勿論、普段の仕事よりはカナエールモードというか、NPOのプロジェクトに寄せてはいるつもりな一方で、仕事としてやらないと意味ないなという気がしていて(向こう仕事だし)、とは言え、クライアントとのやり取りみたいにきちんとやってるわけじゃ全然ないんだけれども、そういうことも含めて、どうやって社会問題の解決ということを人が現実的に動かしていくか何となくわかります。自分が役に立つ範囲と、そうでないエリア、とかもわかる。

自分の仕事の公共性を考えられる

最後は人なのだが、自分のこと。社会の役に立つとか、社会貢献みたいなこと、は全然目的にしてなかったのだけれど、公共のプロジェクトに自分のフルスペックをフルコミットさせるとどうなるか、というのはなかなかできそうでできないことです(フルタイムじゃないですよ、当然)。ようは肩代わりしてもらってるんですよね、プロジェクトに。ある意味ではステージ用意してもらって、そこでプレイヤーをやるわけで、個人がリスクを背負わずに(コストは払うにしても)フルスイングできる、というメリットがあります。これはなかなか、ちょっとあそこでフルスイングしたいなあ、と思ってもできることじゃない。このことの意味は大きいです。実際、Webを入り口に、作ること、書くこと、撮ること、それから企画とか、整理とか、調整とか、あらかた僕のスペックを試す機会はあったなあと思います。その上でこういうことは「自分のために」って言う言い回しがよく使われるのだけど、途中からは単純にこのプロジェクト失敗させないためには自分はどこでスイングすれば良いかみたいになってて、それはそれで緊張感あって良かったと思います。振り切った、という感覚がきちんと残る。

その上で

2年実行委員やってみて、良い経験もしたし、学びも多かったし、色々な人と仕事して、良かった反面、プロジェクトに関わって来て、組織の役割分担の中で何をするかということと、やらなきゃいけないと2年終えて感じたことと大分乖離があって、僕が抱えてるモチベーションって、実行委員として関わるということじゃもうないだろうな、という感じがしました。まあそれはそれで試されることがあって、良い方向にも機能し得るのじゃないかということと、この2年で吸収したものもあるので、ある程度、自信を以って外に出れるなという感じがしています。中にいないとできないことが多い反面、中にいるとできないことが多いことも痛感した部分ある、というのは正直なところ。まあただ、組織の中で、あんまりうちのやり方、うちのやり方って言ってもしょうがないわけで(まあ僕のやり方がバランスの良いやり方とも思わないし)、さて、外からETの問題解決のアプローチで、ということが、できるのかもできないのかも、よくわからないので、まあ良い意味で挑戦だなあと思います。

まとめ

そんなわけで、整理してみたところですが、確かなことはビジネスという枠組みの中で見えないもの試し得ないこと学び得ないことってやっぱり多いんですよね。それは社会だったり組織だったり自分だったりする(というのが最初の3項ですね)。我ながら良い実験台だったなあとは自分のことを思っていて、何かこういうことを次に活かす術も、並行して考えていけたらなあという気がしています。良いプロジェクトだなあ、くらいのスタート地点から考えると、最終的にきちんと自分の経験則や方法論まで落とせたと思うし、僕としても新しい試みや学びをたくさん作れました(というのは2年終わって、普段の仕事仲間とこの話するとよくわかる)。先達の経験則に僕の学びを頼るところも多かった。あと他でやってることが案外役に立ったりというのもままあった。ただそういうアウトプットに至るプロセスを、全部きちんと共有できていたかは微妙なところではあるのだけど、組織にじっくり落としていくのはプロジェクトにフルタイムでコミットしてる仲間に任せて、僕はもう少し課題解決をエッセンシャルにスポットでできると良いなあ、というところになるのかなあという気がしています。郷に入れば郷に従えなのだが、餅は餅屋、というところもあり。

独立した時の、「あれ、ところで俺、何すればいいんだっけ?」みたいなことをもう一度思い出せる2年間でした。多くの人は新たに学ぶこと多いし、自分の畑の経験則だけでクリアできないことも多いし、とりあえず余力あるかどうかとか、仕事とのバランスとか棚上げしといて、やると決めてガッツリやると色々面白いと思います。結局、公のことにコミットして損得の話をすると言い方として変だけど、自分の力にできるかは人次第なので、まあ人に薦めるかって言うと、相手と内容選ぶけど、「NPOのプロジェクトに関わって学べること」がわかるってこと自体が、NPOのプロジェクトに関わった一番の経験則かもしれないなあと思います(多分、他の人と違うけど)。その辺り、ETの次のフェイズに持って行こう、と思います。そんな感じ。

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加藤 康祐 / 企画・設計

1980年1月12日生まれ。フリーランス歴15年。プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。学生時代にデザイン会社でWebデザインを経験。2005年よりフリーランスとしてキャリアスタート。これまでに個人から上場企業まで、100以上のクライアントとのプロジェクトを経験。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの編集・運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート等。趣味はラグビーと料理。Keep the head up, Bind tight & Stay low.

加藤康祐企画設計

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