
カナエール福岡に行って来た
ちょっとバタバタしていて、書きそびれていたのですが、先週、カナエール福岡に行って来ました。京都がメインか、福岡がメインか、というのは、今回の旅に関してはニワトリが先かタマゴが先かみたいな話で、まあ平たく言うと、タイミングが良かったので、いつも通り抱き合わせた感じです。昨夏、1年目のカナエール福岡の後、お話を伺わせていただく機会がありました。
福岡 – 行く・聞く・考える・話す : kosukekato.com : the idea espresso
今年も福岡の様子はしばしば耳に挟みつつ、少しだけやり取りもありつつという感じでしたが、福岡開催もさることながら、カナエールを観客席で観ること自体が初めての経験だったので、とても楽しみにしていました。会場は満席。来場者652名とのことでしたから、すごいなあ、としか言い様がない。東京からの仲間や、福岡の僕の仕事仲間も来られていました。
6人のスピーチがありましたが、僕は個人的に最初の子の話がとても気になりました。「強いな」と思った。別に語気荒く話していたわけではないのだけれど、彼女の語る文脈に気圧される感覚があった。感動とか、涙とか、ではなく、そういう背筋が正される思いというのは、3年前に初めてカナエールのコンテストに立ち会った時の感覚に近しい感じがしました。だから、もしかすると、この感想は観客席に初めて座って聴いたスピーチだったから、ということだったのかも知れないかなあとも思うのだけれど。
福岡は都市としてとても面白い場所で、僕は一昨年は糸島の四季が見たいと思って、春夏秋冬と友人を訪ねて通っていたのだけれど、コンパクトだし、コミュニティがタイトで、人口も増えているし、ITを始めとしたスタートアップの舞台としても注目されている。一方で、カナエールがサポートする分野に取り組む団体は、まだそんなに多くないそうです。熱心に街頭の募金活動を続けておられることは昨年の訪問でもうかがっていたし、そういうことがすごく機能しているんだろうなあとお話を聞いていました。他にも福岡ならではの取り組みがあって、色々考えさせられます。
その晩、福岡の方々や東京からの仲間と飲みながら話していて、改めて考えたのはプロジェクトのステイクホルダーが本当に多岐に渡るよな、ということでした。社会貢献のプロジェクトって、プロジェクトのKPIと定めてるところに対して、全ステイクホルダーにそこに向かってフルコミットしてください、って言っても「無理」だと思うんですよね。なぜなら、全体がボランタリーなモチベーションに支えられているから。色々な理由で関わる、色々な方法で関わる、その上でそれが目的に対して(社会問題の解決)機能していくために必要なのは改めて何かと考えると、「ディレクション」なんだろうなあと思います。
ああ、また抽象的なことを書いてしまった。
その上で、少し僕の今後のことも考えたのだけれど、せっかく通年の1年区切りのプロジェクトに実行委員として関わっているのだから、1年ごとに自分の能力を高いところに持って行きたいなという気持ちが強いなと思いました。言い方を選ばなければ、それがなければただの労働力なので、あまりコミットする意味を個人のモチベーションとしては作り得ないし、自分の伸長を求めないところに、続ける意味を見出すのは難しいなあという気もします。そこは仕事のモチベーションと大差ない気がして、誰かのために何かをすることはとても良いことだけど、それだけじゃやっぱりモチベーションとしては足りなくて、大事なのは自分を次のフェイズに持って行けるか。
結局、TSUTAYAに併設のスタバで朝の2時くらいまでくっちゃべっていたのだけれど(駅で買った鈴懸の和菓子を持ち込んだ、あれ裏切らない)、プロジェクトを次どうするかみたいなことよりは、僕を次どこに持って行くか、というのが僕の考えることなのだろうという気がしました。ざっくり、そんな話をした気がします。後は、関わると成長がある、みたいなふんわりした話にしないで、きちんと自分のできる課題解決を一つ一つやって成果を出していくということかなあ、と思います。
そう言えば、たまたま昨日別の話として書こうと思ったことがあったのだけど、物理的な高さと、さっき書いた高いところ、というのはそこに付帯するものも似ている気がしていて、ちょっとわかりにくいのだけれども、高層ビルと山を比べてみる。高層ビルはエスカレーターでダーッと上って、見晴らし良くて気持ち良いと言えば気持ち良いのだけど、ガラス張りで、下を見ると急に展開される直下の地面までの距離に物怖じするのだけど(基本的に高いところあんまり好きじゃないし、住みたくないというのはある)、山は一歩一歩登って行って、そこからの眺めはある種の納得感を以って迎えることができて、来た道を振り返っても断崖絶壁ってことは稀でまあのんびりしている。何が言いたいかというと、高いところへの持って行き方ってのは恐怖とか納得感みたいなことと連動するのだと思うのですよね。でまあ、僕は足首が痛むので山登りあまり得意じゃないのだけど、山登りみたいな仕事の積み上げ方は好きですね、と思ったのでした。
決して新しいことやろうとか、突飛なことやろうとか言う話ではなくて、もう一度自分の仕事と向き合って、それを次どこ持って行くか、みたいなことを極めて個人的な問題として考える時間を少し持った方が良いのだろうなあ、という感じもします。いずれにしても、カナエール、とりあえず、しばしお休みなので、少しゆっくり自分の仕事が次に見据える希望について考えたい。言ってもまだよくわかんないなと思っています。ただ、まだまだ自分の仕事に期待している、そんな感覚は持てているのが、福岡行った収穫かも。

加藤 康祐 / 企画・設計
プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。
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フリーランスとして働き始めるってどういうことだったのか?フリーランスとして働くってどういうことなのか?フリーランスが目指すことってなんなのか?5年間の自分の経験から書きました。(2010年執筆)