2015/6/27

「人間に対する興味」から「人が育つ」へ

ちょうど、10年前の今頃、こんなブログ記事を書いています。その後、僕はことあるごとに、この「人間に対する興味」ということを、この10年間言い続けて来た気がします。

人間に対する興味 : kosukekato.com : the idea espresso

なんか「人間に対する興味」という言葉は、勝手に自分が考案して好んで使っている言葉かと思っていたけど、調べたところ、梅田望夫さん(懐かしい!)が海外のブログを引用して翻訳した時に、示されていた言葉でした。

今後、ハッカーを雇いたいソフト開発会社の経営者は、面接のときに「コミュニケーション力」を見るのではなく、「人間に対する興味」を見るようにすればいいのではないかと思う。

これを受けて、僕はこんなことを書いています。

トピックは知の創出のコモディティ化ということなんですが、知を創出する際のアイデア・ツリーみたいなもの、平たく言うと「経過」的なところって、ブラック・ボックスにしておけるんじゃないですかね。アウトプットは模倣することができても、そこに至るまでの論理体系そのものがコモディティ化されることはなかなかないと思うんですよね。試行錯誤の過程で、Aのトピックについてはボツになった方向性が、Bのトピックでは活きてきたなんてこともあると思います。

そう考えると今後、知の2極化が進むのではないかと思います。「創出する人」と「模倣する人」というように。知がコンテクスト化されて模倣が簡単になればなるほど、創出の機会からは遠ざかるのではないかと。

多くの人にとって、「知を創出」したら、それを「対人能力」をもって自ら味付けしてカネに変えなければ「飯が食えない」時代が到来する。

それはまさしくそうで、企画の分野でもアイデアを売るのではなくて、アイデアの創出の仕方を売りにするというところのウエイトが重くなってきてるんでしょうね。ブランディングする人が営業施策そのものをレクチャーするとか。

なので、ET 10thのページの冒頭のご挨拶でも、やっぱり僕は無意識のうちに「人間に対する興味」という言葉を引用している。

クライアント、ビジネスパートナー、友人、家族。本当に多くの人に支えていただきながら迎えた10年だと思います。多くの人の名前が顔が、交わした言葉が、やり遂げた仕事が、目に浮かびます。

「人間に対する興味」、それこそがETとプランナー加藤 康祐の仕事の原点と、10年経って、改めて振り返っているところです。

「人間に対する興味」という言葉がモチベーションの源泉になっていく、というロジックは今でもとてもしっくりくる。さて、この話少しアップデートしたいのですが。

ETのタグラインは「The Incentive Engine.」です。このタグラインを作ったのが3年前なのだけど、ここで言っている「Incentive」って多くの場合「対ヒト」なのですよね。とは言え、じゃあどうやって人に「Incentive」を渡すかという話。直接的に「お金」を渡すケースは、うちにあっては稀です。じゃあどういうことになるのか。

これ平たく言うと、「一緒に仕事をすることが面白いかどうか」ということに行き着くんだと思うんですよね。「人を育てる」ということは僕はできないし、やってないし、社員もいない。そういう業態にあって何ができるかというと、「プロジェクト」というものをMedium(媒介)にしながら、一緒に仕事をすることで、「人が育つ」状況を作れるか、ということじゃないかと思うんですよね。

今年、何度かカナエールのことを他の人達に説明する機会があったのだけど、僕が繰り言にしていたのは「人が育つプロジェクト」ということでした。あんまりそういう言い方がオフィシャルにされているわけじゃなかったのだけど、ただ、新しい人達に協力をお願いする上で、そのサポートに意味づけ、というのに「人が育つプロジェクト」だから、という言い方をしてました。多分、これ通じていたのじゃないかと思っています。

「人間に対する興味」から「人が育つ」へ。ある意味、これって1人で仕事していた時期から、人と一緒に仕事をすることが増えた、ということのパラダイムシフトなのかも知れないですけど、ここ数年での変化ってこういうところにもある気がするんですよね。仕事のデザインがプロジェクトのデザインになった感じもする。気持ちの問題としてだけど。

誰かが、人は言葉でしか思考できない、って書いてたけど、大事な言葉、というのは、自分の働き方や暮らし方、仕事のあり方や今後の指向性みたいなのを、折々で反映してるものだなあと、まざまざと思ったのでした。

加藤 康祐 / 企画・設計

プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。

加藤康祐企画設計

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