2015/4/22

『初歩的な疑問から答える NPOの教科書』 乙武洋匡 佐藤大吾

NPOの人との付き合いも増えて来た割には、あんまりちゃんと勉強してないんだよなあと思って、良い機会だと思い、読んでみることにしました。きっかけになった記事が割と良かった。

「社会起業家になりたい」と言っている学生さんに言いたいこと – それ、僕が図解します。

324万円が「ファンドレイジングコスト」ですので15%。つまり、2,160万集めることができれば、新卒を一人雇うことができます。年収の10倍です。はっきり言って、一般企業よりずっとハードルが高いです。

実際は一般企業と同じで、経理があったり、営業があったり、広報があったりして、単純に一人あたりそういう話だとは言えないところもあるから、ようは考え方の問題なのだと思うのだけど、逆に言うとこういうわかりやすさを宛てがわないといけない誤解、ってのがあるわけですよね。

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冒頭でまずNPOの定義をしているのですが、営利、非営利ということについて、この説明が分かりやすかった。

英語で、「あなたの団体は営利団体なの?非営利団体なの?」と聞くときは、「For profit or Non for profit」って聞くんです。

御存知の通り、NPOはNon Profit Organization、非営利団体、ということになるのだけど、この辺、言葉のあやで誤解生まれやすいところですよね。あと、もう一つわかりやすいなと思ったのは

通常の企業はサービスの受益者からお金をもらうけど、NPOはサービスへの賛同者からお金を募る

ということですね。これも言い方の問題で、言われるとなるほどなと思うのだけど、こういう基本的なものの考え方の理解が進むと、十把一絡げに寄付金で儲けてるんでしょう、みたいな話には割とならないんじゃないかなあと思いました(まあ、もうあんまりそういうことにもなってなさそうだけど)。

個人的には元々僕もNPOと呼ばれるものには完全に門外漢で、最初のきっかけは、えと菜園から福祉事業をNPOに切り離すという話を聞いた時に、それ僕よくわからないからとりあえず誰かに話を聞きに行こうと思って、ブリッジフォースマイルに勤めていた友人に連絡したのがそもそもで、結果、少しずつ、社会起業やNPOのフィールドでの仕事や、取引、そこまでビジネスライクな話じゃなくても、単純に活動、も増えて来たなという感じだったりします。あの時、こういう初歩の初歩の本がぱぱっと読めればまた違うことになっていたのかも。

あと、この本読んで思ったのは、一般企業とそれ以外、って考え方は、世の中の捉え方として勿体ない気がするんですよね。実際は、こう言った社会起業やNPOもあれば、行政や行政の関係機関があったり、学校関係があったり、病院なんかもありますよね。で、事業者としての取引先を社会に求めた時に、一般企業とそれ以外ってマインドセットだと、大分、可能性を狭めてしまっている気がして、それぞれのフィールドに面白い仕事があって、それぞれの関わり方があるんじゃないかなあと思いますよね。可能性の芽を摘まないためのマインドセット大事。そのための最低限の勉強は必要。

全体的にはダイアグラムの形で進行するので、さくっと読める本です。

一方で僕の肌感覚として、スケールする方向に話振り過ぎかなあという印象も受けました。大きな政府と小さな政府という考え方があるように、大きな企業と小さな企業で違うように、大きなNPOと小さなNPOみたいなことを考えると、ちょっと振り過ぎな感じはした。

まあ本書に書いてあるけど、年間予算1億のNPOは全体の1%に過ぎないっとあって、そんなことわかりきってる話なのかも。企業の99%は中小企業、って言ってるのと同じですね。僕、99%側がフィールドだからな、基本。

いずれにしても良い整理の機会になったと思います。社会の恒常性を維持するためのサポートの形が企業であったり、NPOであったり、行政であったりするわけで、そういう意味で、まだ理解が進んでないフィールドがNPOだとすれば、割と読まれる必要がある本ではないのかな、と思いました。

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