2015/3/22

パブリック – 公の目的に対して個人をオープンにすること – 向田麻衣さんとファンタジスタ歌磨呂さんのトークイベントに行って来た

先週、向田麻衣さんとファンタジスタ歌磨呂さんのトークイベントに六本木TSUTAYAに行って来ました。お2人はニューヨークで知り合った友達なんだそうです。かなりアンニュイな空気感で始まったトークイベントで、これどこに着地するんだろうなあと思いながら聞いてたのですが、なかなか面白かった。『美しい瞬間を生きる』の出版イベントということであったのですが、大分前に読んだ本でもあったので、普通に久し振りに帰って来たみたいなので、話を聞きに行ってみようという体で行って来ました。あ、そうそう、先日彼女が出演していた情熱大陸の放送の時には、前に書いた感想文のアクセスも少し伸びていた。

『美しい瞬間を生きる』 向田麻衣 – ある女性の自由との対話 : kosukekato.com : the idea espresso

向田さんのネパールの話はこれまでに何度か聞いていたけど、相変わらずそのディテールのテクスチュアが面白かったのと、よく「なんで化粧なんですか?」と聞かれるそうなんだけど、そこにあまりクリティカルな何かがあるわけでもないんだそうです。そういうの面白いなあと思うんだけど、「化粧は女性を変えるから」みたいなことは比較的簡単に言えて受け入れられやすい話だと思うんだけど、なんかそういう「納まりの良い話」ではないのだろうなと思いました。まあ、そういうわかりづらさに興味ある。

それからファンタジスタ歌磨呂さん。この方は初めて知ったのだけれど(僕はクリエイティブの世界のほんと疎い)、とても面白そうな人でした。アメリカの撮影班は好き勝手言うし、監督がOKと言ってもカメラマンが勝手にリテイクしたりして、自由なんだけど、最初にリファレンスをきちんと示して共有しているから(経営で言うところのビジョンですかね)、結果として良いものができて、それって「英語」という言語のシンプルさにも所以しているのではないか、みたいなことが面白かったです。

さて、終盤話の毛色が変わって言及された内容が面白かったので、少し触れておきたいと思います。麻衣さんが男性のように一つのことに振り切って没入できないのは性差によるのではないか、というのを震災直後、周囲の仲間と共に立ち上げたtodokeという物資支援のプロジェクトのスピード感や疾走感を参照しながら話していて(このプロジェクトの話は他の人からも聞いている)、そういう時のテンションというか、だからやっぱり没入感みたいなものなのだと思うのだけど、そういうものがあれから自分の活動の中で再現性がない、みたいなことを話してました(かなりはしょってますが)。

公器って言葉があるけれど、公の目的に対して個人をオープンにすること、オープンであること、オープンになること、みたいなのをお2人は話しているのかなあと思ったのだけど、僕の周囲にもそういう人は少なからずいて、ただなかなか難しい話だなあと思いました。ビジネスとプライベートの垣根がない、という意味では僕はずっとそうだけど、一方で、それがパブリックということかというと、そうはならないと思う。僕のビジネスもプライベートも言わば極めてパーソナルで、ある意味、パブリックとは対局のところでオープンなのだろうと思います。

一方でパブリックなことに関わることはここ数年で増えている。ただ自分がパブリックであることは別の問題なのだろうなあという気がしました。パブリックなフィールドで仕事をするというのはとても面白いことで、今もビジネスでもプライベートでもほぼ「関わりがない」先達と、パブリックだからご一緒してることとかもあって、そういうのすごい面白いのだけど、読んで分かる通り、そういう感慨自体は極めてパーソナルな楽しさで、あまり僕自体がパブリックである、ということではない、とか。

ある意味では矢面、みたいな話だったりもするのだろうけど、特にLalitpurやcoffret projectを見ていると随分前からパブリックだったのだろうし、一方で『美しい瞬間を生きる』読んでの引き込まれるところというのは、すごいパーソナルなことでもあるのだろうし、そういう境界上の揺らぎが、今後どういうふうになっていくのかなあ、みたいなのは興味あるのかなあ、などと、イベント後、コーラ啜りながら少し思いました。

終了後、少しニューヨークの話なども聞いて面白かったです。うちの家の前、ホタル飛んでて綺麗でしたよー、みたいな話しました(ニューヨークの東戸塚みたいなところに住んでいた)。この春、周囲の色々な人がまた海外に拠点を移す、移したのだけど、まあなんか羨ましいよなあ、とも横浜のチベットで二日酔いを覚ましながら思ったりもしたのでした。

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加藤 康祐 / 企画・設計

プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。

加藤康祐企画設計

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