2015/3/11

ユレッジとレジリエンスと3.11 – 地震防災のリトルプレス、あるいはメディア

ちょっと先日、ユレッジ小冊子にして配るようなことしても良いかもなあと思ったことがあって、その時ふと思ったのですが、ユレッジというのはリトルプレスに限りなく近いな、という感じがしました。2013年の4月にスタートして、もうすぐ2年。なんとか続いている。

ユレッジ : 日本の「揺れやすさ」と地震防災を考えるサイト

インタビューや寄稿は20を超え、J-SHISをわかりやすく紹介するコンテンツや、単発でイベントや施設の取材をしたりして来ましたが、メディアとしてはよちよち歩きも良いところだと思います。ただこのよちよち歩きというのは大事だと思っていて、何度も書いてきたけど、防災というのは災害後、すごく関心が高まる反面、時間とともに注意は風化し、話題にならなくなることも確かで。例えば、それはボランティアを長く続けている人が「できる範囲でやれることを」ということをおっしゃるのに近しい。

強いて言うなら、継続的な注意喚起であり、継続的な啓蒙啓発であり、続けてくことの意味を見失わないように、1つ1つをゆっくりやっています。

一方で、ユレッジ自体はボランティアではなく、仕事としてきちんと回って来ていて、ただ色々な方々におよそ原稿料より多くの時間と労力を割いて、取り組んで来ていただいたと思います。そういう期待値を持って、このプロジェクトに関わることに協力いただいた方々に改めて感謝したいと思っています。

この試行錯誤の中で進んで来たプロジェクト、2年目のテーマはレジリエンスということでした。昨年の後半のテーマは現場に深くコミットしている人、だったのだけれど、ある意味で一歩引いて、領域横断的であることを活かしながらレジリエンスというのを一つの文脈に、防災について考えて来ました。

「インタビュー:システムズ・レジリエンス」 – 丸山 宏 / 統計数理研究所副所長・教授 – ユレッジ : 日本の「揺れやすさ」と地震防災を考えるサイト

過去を見て、うまくやれたか、やれなかったかというのは、ある程度定量的に評価することができます。被害がどれくらいあったかとか、それをどれくらいリカバーできたかということを、過去を見て言うことはできます。しかし、今のシステムが未来に向かってどの程度レジリエントかどうかということは別の問題なんですね。

丸山さんのお話を読みながら、このプロジェクトが最初にキックオフした時にユレッジに書いたことを反芻していました。

嘆くだけでなく、省みるだけでもなく、批判するだけでもなく、
「これからどうしていけばよいのか」ということを、
きちんと考えていくためのプロジェクトが、ユレッジです。

きちんと考えられているだろうか。

今日は3月11日です。当日は被災地の状況に頭を働かす余裕なかったんだろうなと思う。

加藤 康祐(@kosuk)/2011年03月11日 – Twilog

あれから4年。仕事仲間が丸山さんのインタビューについて「4年経った今だからこその議論」と紹介してくれていたけど、これからに向けて、考えていきたいと思っています。続けるべき時まで、きちんと続けていけるものであり続けることも含めて。

週末は国連世界防災会議へ。ユレッジを携えて東北へ。

加藤 康祐 / 企画・設計

プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。

加藤康祐企画設計

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