2015/2/27

関東大震災の爪痕 – 其筋の注意により無残なる死傷者の写真は掲載せずご諒承を乞う – 記憶を形に残すこと

祖父母の遺品を片付けていた両親から興味深いものが届きました。どうやら祖父が遺したもので、ユレッジやっている手前、僕の方に預けられました。上のものは震災の様子を表したポストカードです。

最初、ポストカードって、と思ったのだけれど、当時は写真を共有する術も、コンテンツ化する術もない中で、震災の教訓や記憶を形に残すため、こういった工夫がされていたことを見て取れます。包には前代未聞大惨害 関東大震火災とあり、なまずのイラストが書かれています。「火災」が大きな被害であったことも、その名前から見て取れます。

関東大震災

関東大震災

こちらは報知新聞撮影局撮影共編 大正大震災写真帖とあります。最初に気になったのは、「其筋の注意により無残なる死傷者の写真は掲載せずご諒承を乞う」という注意書きがあったこと。当時のメディアが持っていた倫理観を窺わせます。不眠不休で交通網の復旧を、と言っても、ツルハシで作業する写真だし、避難民でごった返す写真も家財道具一式を抱えての様相だし、先の東日本大震災とこの関東大震災の写真では、「同じこと」でも時代で全然その意味が違ったのだなということが見て取れます。インフラが復旧し、軍艦から物資が届き、亡くなった人を人々が悼む。もしかするとこの記録は、関東に大きな地震が起きること、ということを考える上で、他の場所で起きた地震よりリアリティを持ち得る歴史かも知れないと感じました。

祖父は20年近く前に亡くなったので、こういうものを保管して遺していた意図は定かではないのだけれど、「ああ、俺、今少し地震防災の仕事してるんだよ」と祖父に報告したいなあと思う邂逅でした。これは大事に保管しておこうと思います。

しかし、100年近く前の記録が、自分がずっと過ごしていた同じ屋根の下にあったとは。記憶を形に残すこと、当たり前のことだけど、やはり大事なことだと改めて。

加藤 康祐 / 企画・設計

プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。

加藤康祐企画設計

是非、フォローしてください!
Twitter / Instagram

(2012-10-5)
売り上げランキング: 14,705
100円

関連する記事