2014/10/5

『明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法』 佐藤尚之 – 僕がしばしばモノ作りから逸脱する理由

元々、僕は広告と縁が遠い。15年ほど仕事をやっているけれど、いわゆる広告の案件はほとんどやってません。独立以来、「直接取引」を基本にしているので、広告と言った瞬間にメジャーな広告の仕事というのは成立し得ないということになるのだろうと思うけど、そもそもあまり広告に強烈な関心を持ったことがないと言えると思います。

ここ数年はほぼテレビを観ない生活なのだけれども、実は僕は高校くらいからあまりテレビを観てません。その前はテレビっ子だったと思う。アニメとか、ドラマとか、そこそこ好きだったし、中学生も終わりになると、八王子にケーブルテレビが開通してたので、Space Shower TVとか熱心に観てました。ただ高校行ってアメリカ行くと英語わからないのでテレビ楽しめないし、寮生活始まるとテレビほとんど観ないので(部屋はテレビ禁止)、結果、テレビを観る習慣がほとんどなくなって、この頃から本読むか、後はインターネット(AOL)だった。大学に入ると仕事が始まったし、でも『ケイゾク』とか好きなドラマもあったから観る時は観てたと思うんだけど、時間ただでさえ足りないのに観れないですよね、テレビとか。そんな感じで今テレビがない(正確にはiPadで観ようと思えば観れる)というのは割と自然な流れだったなと今になって思います。

そして、さとなおさん。そんなわけで、僕はコミュニケーションの仕事をしている(僕のボスは「デザインはコミュニケーションである」って言ってた)割に、2008年の刊行当時、あまりこの本にも興味がなくて、というか佐藤尚之さんのこともあまり詳しくなくて、本当に興味を持ったのは震災以降、助けあいジャパンが動き出して、そんな感じな気がします。

前置きが長くなりました。『明日の広告』を読んで考えたこと、少々。

最初に書いてある「モテなくなったよね」というのが全てだと思う。その上で、何をするかという話だと思います。ただ、僕はBtoCのコミュニケーションのことを「あまり考えていない」。どちらかというと、BtoBの問題解決の仕事として見ている。BtoCのコミュニケーションを実際に僕が行うことは限られている。発信するための環境やフローや素材を用意することはあっても、BtoCのコミュニケーションそのものを行うのは、僕ではない。だから僕の話は「BtoC」の部分より「BtoB」のニュアンスの話の方が多くなります。生活者のリサーチとかをベースに仕事しているわけではなく、ユーザ経験に関しては僕の肌感覚でしか動いてないから。

この本を読んでみたいと思ったきっかけは、Kindle版が321円で割安だったということが一番大きいのですが、たまたまこのタイミングで、ETの業務を整理しました。業務を整理したというか、こういうことできます、ってやつです。間違ってもビジネスモデルとかではなくて、スキームというか、お手伝いの目的とするところ、みたいな感じですね。

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ET Inc / 株式会社イーティー | ETのできること

ここに生活者出てこないんですよ。勿論、クライアントの先に生活者がいるんだけど、そこに対して何かをするって仕事として定義していない。ここがうちが足りないっちゃ足りないところだと思います。ただそれは、役割分担というか立ち位置だと思っていて、そこを考えるのはクライアントが一番わかってる、とした時にどうサポートしていくか、ってところにうちの仕事の勘所があるんだろうと思います。後は、色々な協力企業のサービスを使わせてもらいながらやったりするけど、それも僕はその利用をサポートするだけで、僕がtoCのコミュニケーションを作る、というよりは、それを作るためのモノ作り、の仕事をしているという感じ。

だからしばしば、僕の仕事は純粋なWeb制作みたいなことから逸脱する時があります。クライアントと客先行って連携の可能性を探る打ち合わせに同席したり、社内の情報発信や販売促進の体制を整えるお手伝いをしたり、場合によっては、システムの使い方やパソコンの使い方を教える役目になることもあるし、誰か面白い人や企業を引っ張ってくることになったりする。だから、案外、広告の人と話できたりもするんだけど、どっかから先は僕の範疇の外なんですよね。

生活者の変容、生活者が変わり続けるのに業界は変わり続ける体制にない、という話の時に一方で、変わり得ないところだけをやって、状況対応できる体制を各クライアントの中に整える、っていうのが僕が「Small Business, Good Sense, Great Attitude」って、手が届く範囲のプロジェクトでやろうとしていることです。まだまだ道半ばですが。

ちなみに好きな広告がないか?って聞かれるとそんなことはなくて、僕の生まれる前ですが、糸井重里さんの「おいしい生活」というのは好きです。ああいう変わり得ないものは良い。

そんなことを思いました。

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