2014/9/23

サード・ウェーブコーヒーのこと – 文化の輸入にまつわるあれこれ

昨晩たまたまWBSでサード・ウェーブコーヒーが特集されることを知り、久し振りにテレビを観ました。サード・ウェーブコーヒーについては、たまたま早い段階で友人が茶太郎豆央というユニットを通して文字通りエヴァンジェリストであってくれたので、それがその後どういうことになるのか気になったのでした。せっかくなので、Mac構えて、軽くメモを取りながら見たのをTogetterにまとめておきました。

Coffee Life in Japan. – Togetterまとめ

さて。文脈的にはサード・ウェーブが流行っていて、Blue Bottle Coffeeがコーヒー界のAppleと呼ばれていて(そんな言われてないらしいよ、実際)、清澄白河に開店するので今アツイエリアになっていて、海外のサードウェーブ、日本のコーヒーチェーン、個性派カフェの三つ巴の戦いになる、みたいな話。割と先だってのWIREDとか読んでる人なら、なぞったことがある文脈かな、って感じの話でした。

WIRED VOL.12 (GQ JAPAN.2014年7月号増刊)
コンデナスト・ジャパン (2014-06-10)

ちょっと話ずれるけど、先だって横浜を散歩していたら、パパブブレというバルセロナの飴屋さんの店舗を見かけて。この時に思い出したのが、イギリスに住む友人とのやり取りで、海外で美味しいと思ったものって、日本にも大体あってびっくりする、だけど文化として根付くものは一握りだよねえ、みたいな話になりました。基本的には文化の輸入自体が、消費サイクルにあって、流行という陳列棚を、その時々で埋める、というニュアンスの方が強いんだろうなあと思います。郷土の名産品ブランド化して、さて、それが百貨店の催事の棚で一瞬扱われた後、どうなるか?という話とあんまり変わらない(今、色々な取組で大分解消されているように思うが)。

まあただ、「TwitterやGoogleが出資したコーヒー界のApple」ってもうなんか冷静に字面見ると危うい感じはしますよね。そういうのが先行するのかあ、となる。そもそもカフェなんて大きく儲かるビジネスじゃないし、少なくとも日本にそういう文化はなくて、なんか浮いた話になりそうな危惧がある。妙な文脈で入ってくると、せっかくの良いものが台無しになってしまう気がする。地元のKaldiでレジ並んでても思うけど、結構な人、コーヒー、豆で買ってますよね。日本人、元からコーヒー文化、割と濃い方だと思うし。

そう言えば、最近、Storehouseというアプリにはまっていて、何度か紹介しているのですが、これのユーザ体験がリッチなことを紹介する記事って、ざっと検索してもほとんどネットに日本語で上がって来ないんですよね。でも実は、iOS 8のシェア機能にはデフォルトでFacebookやTwitter、FlickrのようにStorehouseが既に組み込まれている。それくらいおそらく海外ではプレゼンスが出てきているサービス、ということだと思う。ここに関して、いくら調達したみたいな記事はあっても、サービスの面白みを伝える記事は「ほとんど」ない。

こないだ、Twitterで見かけたんだけど、いくら調達したみたいな話は、「ほとんどの人」にとって関係ないんじゃないか、って投稿がボソっと上がっていて、そうだよなあ、と思いました。本来的には、コーヒー美味いとか、サービスが良いとかが大事で、ビジネスとしての立て付けに関することはサポーティング・パラグラフに過ぎないと思うんだけど、主客が逆転してることがしばしがある。もう一つ、最近良いと思っているサービスで、Headspaceという瞑想アプリがあるんだけど、これとかアプリとしてはチャプターごとに音声ファイル再生するだけですね。ただ、ユーザ体験としては、かなりオリジナリティがあると思っていて、もっとそういうユーザ体験の新しさみたいなものが情報の流通の中でも先行して良いはず。ビジネス脳で見てると「あ、これ面白いや」みたいな直感が鈍る気がしてて、でもそういう「あ、これ面白いや」みたいなの商売で大切な直感な気がする。

話、大分それましたが、サード・ウェーブの話も「トレンドのスペック」ではなくて、「あ、これ面白いや」がなんなのか、にきちんとフォーカス当たると良いと思う。ちなみに僕がサード・ウェーブ面白いなと思ったのは、実際に飲んだ時に「こんなに酸っぱいの、コーヒーとして許容されるようになったんだ」ということでした(いくつかサード・ウェーブコーヒーを飲み比べさせてもらったことがある)。もう茶太郎豆央の本が出てから、1年以上経つけど、やっぱりここに書いてあることが一番示唆的なんじゃないかな、今のところ。

あと、これ面白いですと教えてもらったコーヒーの本、良さそうです。届くの楽しみ。英語なのでじっくり読む予定。

Coffee Life in Japan (California Studies in Food and Culture)
University of California Press (2012-06-16)

何かが入って来た時に、一番わかりやすい文脈にして流通させるのは必要、と思う一方で、それがきちんと根付くためには、先に挙げた主客の逆転みたいなのに注意深くないといけないとは思います。もしかしたら、ALSのアイスパケツチャレンジとかの話も同じかも。「瞬間最大風速」作れることはそれはそれで大事なことなんだけど、それだけじゃだめで、僕もしばしばそうなりがちであるけど、一ユーザとしての体験、みたいなことがやっぱり丁寧に扱われることが大事なんじゃないかなあと思う。周囲見てると、ゲームなんかは僕やらないけど、そういうこと大事に扱われてる感じがして、Ingressやらないけど、傍から見てても面白そうだし、ただどうもビジネス視点で見ることで置き去りにしてることって、最終的に商売的な意味でも機会損失になっちゃう感じがしますね。そんなことを思いました。

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加藤 康祐 / 企画・設計

1980年1月12日生まれ。フリーランス歴15年。プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。学生時代にデザイン会社でWebデザインを経験。2005年よりフリーランスとしてキャリアスタート。これまでに個人から上場企業まで、100以上のクライアントとのプロジェクトを経験。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの編集・運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート等。趣味はラグビーと料理。Keep the head up, Bind tight & Stay low.

加藤康祐企画設計

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